■今月のこの一曲は、じつは以前にも取り上げたことがある曲だ。<ここ>の下の方へスクロールしてくと出てくる『 You've Got To Have Freedom 』。2003年10月14日に書いたものです。 数あるジャズの名曲の中でも、ぼくが一番好きな曲。もう大好きで、初めて聴いてから30年も経つのに今でも聴き続けている。落ち込んだ時、心が弱っている時、どうにもならない時、大音量で、何度も何度も繰り返し繰り返し聴いてきた。 ファラオ自身の演奏は5種類(5ヴァージョン)あって、レコードはみんな持っている。これだ。 ■以前「YouTube」で検索してみた時には、2006年にファラオ・サンダースが来日した際に伊豆の修善寺で「sleep walker」と共演した時のライヴ映像がヒットしただけだった。 でも、先日久々に検索してみたら、いろいろいっぱいアップされていて驚いたのだ。 まずは、Theresa Records『Journey To The One』(2枚組)3面1曲目に収録された、1980年録音のオリジナル演奏がこれだ!
7. "Hide and Seek" Song by Imogen Heap. She's a Huge influence on my Music. Lately and is such an Amazing Composer. "Hide and Seek" is One-of-A-Kind. There's Nothing's like it. This Song is Pretty Deep and Intense. With a very Unique Sound.
■ところで、"Hide and Seek" とは「かくれんぼ」のことだ。つい最近知ったことだが、日本のかくれんぼとイギリス(ほか海外)の「かくれんぼ」はルールが違うらしい。外国の「かくれんぼ」では、隠れるのは「一人きり」で、残り全員が「おに」になるのだという。こっちの方が怖いんじゃないか。何か、ゾンビか吸血鬼に追われるみたいで。 ■この、イモージェン・ヒープという女性をぜんぜん知らなかったのだが、あのジェフ・ベックがプッシュしている英国の新人らしい。エフェクターを駆使して、多重録音「ひとりアカペラ」で歌った「この曲」は凄いぞ! 歌詞がなんだか全く理解できない。癒し系と勘違いしている人も多いみたいだが、かなり「刺々しい単語」が連なって、繊細で孤独ですっごく内省的な曲だと思うぞ。歌詞が載った YouTube がこれだ。
■その次に「この曲」を聴いたのは、オレゴンのLP『冬の陽』A面2曲目でだった。3分半に満たない短い演奏だが、実に印象的なピアノソロで始まり、曲のテーマは最後の方でちょこっと出てくるだけ。だから、もっと聴いていたいのにという欲求不満が残る。 つい先だって、松本の「ほんやらどう」で日本編集の「オレゴン・ベスト盤 / MUSICA ANOSSA Oregon」の中古盤を見つけて買って帰ったのだが、これがいいんだ。大当たり! もちろん、「Witchi-Tai-To」が 12曲目に収録されている。
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■ところで、この曲のオリジナルは、Jim Pepper というテナー・サックス奏者が自ら歌ったLP『 Everything Is Everything 』に収録されている。彼にはネイティブ・アメリカンの血が流れていて、おじいちゃんから教わったネイティブ・アメリカン・チャーチ(20世紀初頭にできたネイティブ・アメリカン信仰とキリスト教信仰が合わさってできた新興宗教)の歌を元に「Witchi-Tai-To」を作ったらしいのだ。だから、まるでお坊さんのお経でも聴いているかのような意味不明の不思議な歌詞なのだね。
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Witchi Tai To gim-mie rah Whoa ron-nee ka Whoa ron-nee ka Hey-ney hey-ney no wah Water spirit feelings Springin' round my head Makes me feel glad That I'm not dead
■メロディ・メーカーとしても名高いウディ・ショウのオリジナル曲で最も有名な曲が、この「Sweet Love Of Mine」だ。初演は、アルト・サックス奏者ジャッキー・マクリーン Blue Note レーベル最後の作品『デーモン・ダンス』B面1曲目に収録されている。1967年12月22日録音。なんか、気持ち悪いジャケットだね。YouTube に音源があった(画像はなし)
■ぼくが一番好きな「Sweet Love Of Mine」は、このオリジナル演奏じゃなくて、同じくアルト・サックス奏者のアート・ペッパーが麻薬離脱治療から復帰して制作した2作目『ザ・トリップ』 A面3曲目に収録された同曲だ。これはよく聴いたな。さんざん聴いた。ちょと気負って肩の力が入った演奏だけれど、ふと、くつろいで力が抜ける瞬間があって、その時、かつての天才プレーヤーだった片鱗がかいま見える、アート・ペッパー。アフリカから押し寄せる波のような重いボサノバ・ビートを刻む、エルヴィン・ジョーンズ。トミー・フラナガンを更にモダンにしたような絶妙なピアノソロを取る、ジョージ・ゲイブルス。みんないい。探したら、YouTube に音源があった(やはり画像はなし)
■ウディ・ショウ本人のリーダー・アルバムに「この曲」が収録されたのは案外遅くて、『Master Of The Art』(ELEKTRA /musician) B面2曲目に入っている。これもいいな。1982年2月25日の、ニューヨークはジャズ・フォーラムでのライブ音源。 日本人の演奏では、日野皓正のヴァージョンもあるみたいだが、ぼくは聴いたことがない。ぼくが長年愛聴してきたのは、鈴木勲『BLUE CITY』(TBM-2524) A面2曲目。曲のタイトルが「45th STREET - at 8th Avenue-」と異なるが、中身は「Sweet Love Of Mine」。初めて聴いたのは、伊那にかつてあったジャズ喫茶「アップル・コア」だったと思う。このLPは、当時のジャズ喫茶の人気盤だったのだ。 一番最近聴いて気に入っているのは、『LIVELY』安井さち子 トリオの7曲目。これもいい。 ■最後に、動いているウディ・ショウの画像。こいつは凄い。メチャクチャ格好いいじゃん!
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