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2009年12月19日 (土)

「Sweet Love Of Mine」Woody Shaw (つづき)

■昨日の夜は、伊那市天竜町「青龍」で「北原こどもクリニック」の忘年会だったため、更新はお休み。とは言え、連日の更新には無理があるな。2〜3日に1回のペースが一番自分のリズムに合っているように思う。

■さて、Woody Shaw のつづき。メジャーレーベル CBS/Columbia と契約し、70年代末〜80年代初頭に遅咲きながらも人気が出て活躍を続けたウディ・ショウだったが、その後が悲劇の連続だった。尊敬する先輩サックス奏者に女房を寝取られ、レコード・ジャケットに何度も登場する最愛の息子も奪われてしまう。失意のどん底に突き落とされたショウ。追い打ちをかけるように、さらなる悲劇が彼を襲う。

1988年、HIV感染が判明して闘病生活を続けていたが、1989年2月、ブルックリンの地下鉄ホームから転落(彼は生来の弱視だった)、左腕の切断を余儀なくされる。これでもう二度とトランペットを吹くことはできなくなった。そのまま同年5月に永眠する。享年44。 ジャズ・トランペッターには悲劇の人が多い。交通事故で早世した天才クリフォード・ブラウン。ジャズクラブで愛人に射殺された リー・モーガン。尿毒症のため、わずか23歳で夭逝した ブッカー・リトル。麻薬に毒されて26歳で逝った ファッツ・ナヴァロ。そして彼、ウディ・ショウ

■メロディ・メーカーとしても名高いウディ・ショウのオリジナル曲で最も有名な曲が、この「Sweet Love Of Mine」だ。初演は、アルト・サックス奏者ジャッキー・マクリーン Blue Note レーベル最後の作品『デーモン・ダンス』B面1曲目に収録されている。1967年12月22日録音。なんか、気持ち悪いジャケットだね。YouTube に音源があった(画像はなし)

■ぼくが一番好きな「Sweet Love Of Mine」は、このオリジナル演奏じゃなくて、同じくアルト・サックス奏者のアート・ペッパーが麻薬離脱治療から復帰して制作した2作目『ザ・トリップ』 A面3曲目に収録された同曲だ。これはよく聴いたな。さんざん聴いた。ちょと気負って肩の力が入った演奏だけれど、ふと、くつろいで力が抜ける瞬間があって、その時、かつての天才プレーヤーだった片鱗がかいま見える、アート・ペッパー。アフリカから押し寄せる波のような重いボサノバ・ビートを刻む、エルヴィン・ジョーンズ。トミー・フラナガンを更にモダンにしたような絶妙なピアノソロを取る、ジョージ・ゲイブルス。みんないい。探したら、YouTube に音源があった(やはり画像はなし)

ウディ・ショウ本人のリーダー・アルバムに「この曲」が収録されたのは案外遅くて、『Master Of The Art』(ELEKTRA /musician) B面2曲目に入っている。これもいいな。1982年2月25日の、ニューヨークはジャズ・フォーラムでのライブ音源。 日本人の演奏では、日野皓正のヴァージョンもあるみたいだが、ぼくは聴いたことがない。ぼくが長年愛聴してきたのは、鈴木勲『BLUE CITY』(TBM-2524) A面2曲目。曲のタイトルが「45th STREET - at 8th Avenue-」と異なるが、中身は「Sweet Love Of Mine」。初めて聴いたのは、伊那にかつてあったジャズ喫茶「アップル・コア」だったと思う。このLPは、当時のジャズ喫茶の人気盤だったのだ。 一番最近聴いて気に入っているのは、『LIVELY』安井さち子 トリオの7曲目。これもいい。 ■最後に、動いているウディ・ショウの画像。こいつは凄い。メチャクチャ格好いいじゃん!

■ ウディ・ショウ(Woody Herman Shaw II,  1944年12月24日 - 1989年5月10日)<今月のこの一曲>

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