「保育園で感染拡大を防ぐためにできること」2019/12/6 上伊那保育協会未満児部門での講演会のスライドより
■「空気感染」が、一番感染力が強い!
■「不顕性感染」(症状がない・軽度なのにウイルスを排出している児童や保育士)が多いほど、潜伏期間が長いほど、保育園で感染拡大を防ぐのはほとんど不可能に近い。
■「1つのウイルスに罹ると」とスライドにはありますが、現在進行形で「1つのウイルスに罹っていると」という意味です。例えば、ウンコがしたくなってトイレへ駆け込んだら、大便所(個室)にすでに人が入っていてウンコができない。というイメージです。
■新型コロナウイルスにも、油の膜「エンベロープ」がある。だから、石鹸やアルコールが有効!
しかし、ノロウイルスには「エンベロープ」がないため、アルコールは効きにくい。(石鹸と水道水で、しっかり手洗いすれば洗い落とすことはできます)
だから、ノロウイルスは胃の中でも胃酸で失活せずに小腸まで行って、小腸の粘膜細胞に感染し、嘔吐下痢症を発症することができるのです。
■新型コロナウイルスも、ライノウイルスに近いので、数日は失活せずに体外で「生きて」います。乾燥にも強いという報告もあります。ドイツの文献では、9日間経っても活性があったとの報告もあります。
■右側の値段は、当院で仕入れている「検査キット」1回分の仕入れ値です(医療機関によっては、金額は異なります)
■開業の一般小児科医院の多くは、3歳未満児の医療費は「定額制」です。つまり今で言うところの「サブスク」ですね。この4月からは「6歳未満」に引き上げられる予定です。
当院では3歳未満の場合、迅速検査の保険適応の有無に関わらず、必要とあらば検査を行っています。例えば、RSウイルスの検査は当院では保険適応はありません。
ですので、価格の高い検査キットを一度に何種類もすると、正直「赤字」になってしまいます。保育園の先生は、熱が出るとすぐ「小児科へ行って検査してもらってきて!」と言います。
いまの時期だと「ヒトメタニューモウイルス」の検査をしてもらって! ですかね。
でも、ヒトメタの迅速検査は値段が高いんですよ! しかも、3歳以上で肺炎の臨床診断がないと保険適応がありません。
■それから「感度」と「精度」の問題も大切です。いま、新型コロナウイルスのPCR検査でも言われていることですね。「擬陽性」と「偽陰性」の問題。そのキットが、どの程度信頼できるか? ということです。
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