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2010年10月27日 (水)

今月のこの一曲 「陽炎」ハンバートハンバート

■来月10日には、ニューアルバム『さすらい記』が発売になる男女デュオグループ、ハンバートハンバート。もちろん、すでに予約してあるのだが、CDが届くまで、『シングルコレクション 2002-2008』を毎日繰り返し繰り返し聴いているところだ。


YouTube: ハンバートハンバート「シングルコレクション 2002-2008」

いまは「Disc1」を集中的に聴いている。魅力的な曲が多々あるその中でも、最も印象的で不思議と心に引っ掛かってくるのが、15曲目に収録された「陽炎」という曲。ちょっとだけ試聴できます。 この曲には、中上健次かパトリシア・ハイスミスの短編小説のような雰囲気が漂う。さらには、ノワールの匂いを醸すフランス映画(ルイ・マル監督あたりの)でも見ている感じか。 いや、シンプルなメロディを淡々と歌う佐野遊歩のあっけらかんとしたヴォーカルだけをただ聞き流していると、あぁ、ハンバートハンバートの楽曲にはいつ聴いても癒されるんだよなぁなどと、とんでもなくお馬鹿な感想を抱く人もいるかもしれないけど、よーく歌詞を聴いてみると、めちゃくちゃノワールでハイスミスな物語が語られていて、ぼくは身震いしてしまうのだ。 おい、ちょっとヤバくね? 的な展開なのに、何故か不思議と透明でイノセントな気分になる。それはひとえに、佐野遊歩のヴォーカルに「悪人正機」的な救済の力があるからかもしれないな。 そうして、まず頭に浮かんだ映像があった。それは、19世紀のイギリス人画家ジョン・エヴァレット・ミレイの傑作『オフィーリア』だ。 Art03_01_big    それからもう一つ。ビル・エバンス&ジム・ホール『アンダーカレント』のレコード・ジャケット。 この写真を見る この写真を見る この写真は、まさしく『オフィーリア』を水面下から撮ったらこんな感じか?っていう写真に違いない。 ■最後にもう一つ。湖水の水面下に沈む女性の「顔」のイメージが圧倒的な短編小説がある。 『八月の暑さの中で ホラー短編集』金原瑞人編訳(岩波少年文庫)に収録された、「顔」レノックス・ロビンスン だ。 この小説も、イノセントで切なく懐かしい感じがする。オススメです。

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