2012年12月 1日 (土)

ゴーイングマイホーム(第5話、第6話、第7話)ツイートのまとめ

【第7話 に関して】


『ゴーイングマイホーム』今週のツボは、萌江ちゃんが「ふすま」を開けると、向こうにおじいちゃんが見えるシーン。これ、やっぱり先週から続く伏線だったんだね。戸を開けて閉めての繰り返し。今週はもろ、ジョン・フォードでした。


あと、山の上の高圧送電線と、ひこうき雲。あれは高遠だな。五郎山か? 小牧空港もセントレアも、名古屋着の東方面からの国内便は、必ず高遠上空を飛ぶのだ。以前、仙台空港から小牧まで乗った時、真下に美和ダムが見えて興奮した。


阿部寛が実家の2階の自分の部屋で「GORO」だか「写真時代」だか、昔のグラビア雑誌を見ていたな。そして、階段を昇りきった所に設置された「乳
幼児の転落防止柵」を開け閉めするシーンで、ちょっとジーンときた。

『ゴーイングマイホーム』昨日の録画を見直してたら、昨夜のぼくのツイートは間違ってましたね。ごめんなさい。阿部寛が実家2階の自分の部屋で見ていたのは斉藤由貴の写真集。壁にもピナップが貼ってあった。ぼくは持ってないけれど、是枝監督自身が所持する写真集なんだって。でも、斉藤由貴のベストCDは僕も持ってる。今でも。「卒業」とか、むかし結構好きだったなぁ。


あと、あの2階の階段手前にあったのは、乳幼児転落防止柵じゃなくて、小さな納戸の壊れた扉でした。ごめんなさい。でも、防止柵を取り付けた跡はあったか?



■『ゴーイングマイホーム』。ずっと思ってるんだけど、このドラマ、映画館のスクリーンで見たい。1か所でいいから、6つスクリーンがあるどこかのシネコンで、それぞれ2話ずつ繰り返し映写するってのはどうだろう? 入館料は同一で、その気になれば1日で全10話みんな見ることができるのだ。



あれだけ仲の良さそうな、YOUとヤスケンの夫婦。昨日のYOUの表情を見ていると、どうもいろいろと悩みを抱えているみたいだ。そうか、大変なんだ。いろいろと。あと、車中からの移動撮影で、ちょうど高遠大橋を渡りながらカメラが「ヤマウラ高遠支所」の屋根の向こうに月蔵山の紅葉を捕らえたシーンが本当にキレイだった。


宮崎あおいが、高遠町相生町の角を曲がって多町の坂を自転車で降ってくるシーンが印象的だった。郵便ポスト前に止めてあった松本ナンバーの軽自動車の下から猫が出てくるのだ。是枝監督も、さすがに猫には演出できないはずだか、監督の期待通りの演技を猫がしていたな。


【第6話】


クーナ事務局の本棚に「ハリー・ポッター」の原書が並んでいたよ。『ゴー
イングマイホーム』


高遠町役場4階のあの会議室、知ってる。今年の「高遠ブックフェス準備会議」が行われた場所だ。ワサブローさんのコンサートを宣伝するために、僕も参加したのです。それにしても、螢雪次朗さんが高遠に来てたとは! 昔いっぱい見たよぉ、滝田洋二郎監督のピンク映画に主演してたよね。懐かしいなぁ。


高遠町下山田の雑貨屋「栄喜屋商店」のオバサン役で、クーナ一家のおばあちゃん役を演じているのは、「劇団青い鳥」の芹川藍さん。宮崎あおいの母親「久美」の写真は、同じく「劇団青い鳥」の天光眞弓さん

それから、廃校になった小学校を案内する元校長先生。『友だちのうちはどこ?』で一躍世界的名声を得たイランの映画監督アッバス・キアロスタミが日本で撮った『ライク・サムワン・イン・ラブ』に主演した、奥野匡。渋い人たちが何気なく出ているなぁ。



あぁそうか。生きていると、いろんな関係の中で同時にいろんな役割を果たさなきゃならないんだよね。人間て。夫婦とか、母娘とか、父娘とか、いろいろとね。なんか、今日の山口智子と娘「萌江」との関係が修復されつつあるみたい。そうか、料理だって「見えないもの」こそが主役なのか。


【第5話に関して】


クルマ、福島ナンバーだ。そうか、宮崎あおい親子が住む市営住宅にいた東北弁の若い夫婦、福島から長野へ避難してきていたんだね。ゴーイングマイホーム、見てる。


あの福島の若夫婦が車で去った後の町営住宅。同じカメラアングルなのに、なんかものすごい空虚感。あ、これ、映画『秋刀魚の味』で、岩下志麻が嫁に行った後の笠智衆の家の2階の鏡台を撮したカットと続く階段のカットの感じと似てる。


阿部寛の娘、萌江(蒔田彩珠)が長野から持ち帰ってしまった「クーナ像」にフェイドインしてまた、フェイドアウトした場面。それから萌江の横顔に当たる光線の加減。ほんとキレイだった。ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』を思い出した。


「でも、思い出されないよりはマシだよね」って、山口智子の母親「りりィ」が言う。「そうだよねぇ」と娘。そう、忘れないことが「死者」に対する一番の供養さ。「死んだ女よりもっと哀れなのは、忘れられた女です」(マリー・ローランサン『鎮静剤』堀口大学・訳)を思い出した。


今さらだけれど、萌江ちゃんが子供部屋となりのクローゼットのドアを開け閉めすることで「クーナ像」がフェイドインして、それから、暗転フェイドアウトするんだね。


吉行和子が「さくらホテル」からお友達の「モーニングさん」に電話しながら食べている饅頭。あれはやっぱり高遠饅頭だな。亀まんじゃぁなくて。で
も、あんな「白い包み」には入ってないけれど。



宮崎あおい親子が住む町営住宅。どうしても場所が何処だか判らないのだが、辰野じゃぁないな。あの後ろの山は、杖突峠から有賀峠にかけての山並みに似ている。ていうことは、諏訪市湖南あたりなのか?




『ゴーイングマイホーム』第5話での娘、萌江は、ただひたすらドアを開けて閉める動作を繰り返していることに、いま気が付いた。教室のドアを開けて閉める。礼拝堂のドアを開けて閉める。倉庫のドアを開けて閉める。再び教室のドアを開けて閉める。自宅子供部屋のクローゼットの戸を開けて閉める。で、


主人公の少女が「引き戸」を右へ開けて外の明かりが眩しく目がくらむシーンと言えば、斉藤耕一監督『旅の重さ』の高橋洋子。ジョン・フォード『捜索者』もね。僕にとっての「でんぐり返し」は森光子じゃぁなくて、神代辰
巳監督『宵待草』の高橋洋子だよな。


映画『捜索者』の冒頭シーンとラストシーン。動画を探したらようやく見つかった。

『旅の重さ』はこれ。


2012年11月26日 (月)

コルトレーン、コルトレーン。

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黄金カルテット絶頂期の1964年頃には、アラン・グランドが司会する『ポートレイツ・イン・ジャズ』というWABC-FM(95.5MHz)のラジオ番組があり、毎週金曜日、ここ『ハーフノート』から生中継され、時代の音楽を流し続け好評を博した。スティーリー・ダンのキーボーディスト、ドナルド・フェィゲンもこの『ハーフノート』のコルトレーンのライヴとラジオの生中継をよく覚えている人物の一人だ。


「狭いカウンターの上にコルトレーンとドラムのエルビンが差し向かいで対峙して、阿吽の呼吸から丁々発止のアドリブの応酬だ。ホントに凄かったなあ。」


1965年3月26日には通称 ”ペダル・ブレイキングの曲”と呼ばれる『ワン・ダウン・ワン・アップ』が放送された。それは、エルヴィンが勢い余ってバスドラをキックしすぎ、ペダルを壊してしまった時の演奏である。その間ラジオは、バスドラムの音が聴こえないままコルトレーンとの応酬が進行してゆく様を生中継していたので、その名が付いた。エルヴィンのキック力は桁外れで、そのため彼のドラムセットの横にはつねに予備のペダルが二組も置かれていた。(p139)

『コルトレーン』藤岡靖洋(岩波新書)より。


■でも、先だって中古盤で購入した『ONE DOWN, ONE UP / Live at the HALF NOTE』Disk1 を何度も聴いているのだけれど、エルヴィンの「バスドラ」ずっと鳴っているように思ったのだが、いま一度聴いて見たら、あっ! 確かに演奏開始後 12分30秒〜15分30秒くらいまで、バスドラの音がしないぞ!! そうして、バスドラが復活した後の「エルヴィン対コルトレーン」対決が凄まじいのであった。


■やはり、個人的には「この時期」のコルトレーン・カルテットが一番好きなんだなぁ。『クレッセント』とか『トランジション』、『サン・シップ』とかの頃。

このCDでも、1曲目「ONE DOWN, ONE UP」で、エルヴィンに主役の座を奪われ欲求不満だったピアノのマッコイ・タイナーが、次の「アフロ・ブルー」でテーマのあといきなり全力疾走する。そのピアノ・ソロに身震いするのであった。ほんと、すごいぞ。コルトレーン黄金カルテットのリズムセクション。マッコイ・タイナー &ジミー・ギャリソン、そうして、エルヴィン・ジョーンズ!


■作家、田中啓文氏の「コルトレーンCD評」が、とっても参考になるのだが、これってたぶん、かなり偏っているから一般向きじゃあないのかな。少なくとも、ぼくにとってはびんびん響いてくるのだが……




■タイムマシンがあったら是非とも行って見たい場所と時間(その3)に、1965年3月26日のニューヨーク「ハーフノート」を書き加えることにしよう。

ちなみに、(その1)が、1961年7月16日のニューヨーク「ファイヴ・スポット」での、エリック・ドルフィー&ブッカー・リトルの双頭コンボのライヴで、(その2)が、1981年4月15日の東京文京区駒込「三百人劇場」での『志ん朝七夜』。演目は、たしか「明烏」と「堀之内」。

2012年11月25日 (日)

絵本『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)

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■怒濤の「保育園、秋の内科健診月間」が、ようやく終わった。やれやれ。

どの保育園でも、健診の後に絵本を読ませてもらってくるのだが、今季は『しろくまのパンツ』ツペラツペラ(ブロンズ新社)『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)の2冊を集中的に読んでみた。

年齢によって、保育園によって、それぞれもっと反応が違ってくるかなって予想してたんだけれど、そうでもなかったかな。こどもって、面白いね!

こうして、たくさんの子供たちの前で絵本を読ませてもらえる贅沢。ほんとありがたいねぇ。(以下、過去のツイートから抜粋。少しだけ改変あり)

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10月14日(日)息子を長野の陸上競技場に送っていって待っている間に、長野駅前の「平安堂」と中古CD店「GOOD TIMES」へ。Woody Shaw「Little Red's Fantasy」と、コルトレーン「ONE DOWN,ONE UP」を¥1380で入手。それにしても、このコルトレーン4。ものすごいぞ!愛聴盤になるな


あと、平安堂で買った絵本『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)。さんま、カレーライス、オムライス、コロッケ、お寿司。みな実物大で超リアルに見開きでどーんと登場。ものすごい迫力。めちゃくちゃ美味しそう。これ、ちょっといいんじゃないか。

ポイントは、それぞれの家庭の子供たちがみな、夕食の準備をいっしょに手伝っているところ。あと、登場人物のほとんどが最初の商店街のシーンに出てくる。そして、猫が狂言廻しになっているところがいいな。

それから、オムライスのパパは、グランまま社の田中尚人さんに似てる気がするが『きょうのごはん』加藤休ミ。



10月25日(木)の昼休みは、竜東保育園年中2クラス秋の内科健診。みんな元気。よしよし。終了後は例によって絵本を読ませていただく。(1)『しろくまのパンツ』ツペラツペラ(ブロンズ新社)。これは期待どおりの反応が得られたかな。最初に絵本の赤いパンツを脱がすことで、子供たちをミスリーディングできる。


驚いたのは、5番目に登場する「みずたまパンツ」。右後ろにいた男の子がすかさず「蛸のパンツ!」と大きな声で言った。惜っしいなぁ。『しろくまのパンツ』。


2番目に読んだのは『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)。昨日の夕ご飯のおかず何だったぁ?って訊いたら「おさかな!」って言った子が案外多くてビックリした。ただ、超リアル画に対する子供たちの「うわぁ!」って反応を期待したのだが、いまいち。この本は至近距離で味わう必要があるのかな。


3冊目『ちへいせんのみえるところ』長新太(ビリケン出版)この絵本は鉄板だな。絶対に受ける。ただ、ページをめくってから「でました」って言うタイミングが難しい。いろんなパターンを試している。最初にタイトルを読んで始めようとしたら「ちへいせんて何?」と訊かれた。僕はニコッと笑って、その問いには答えず、絵本を読み始めた。質問した彼は、たぶん「ちへいせん」を理解してくれたと思う。


4冊目『どうぶつサーカスはじまるよ』(福音館書店)。この絵本は何度も読んでもらってるんだって。でもみんな拍手して「ぶたくん!、ぶたくん!」て大声でシュプレヒコールして、楽しんでたよ。



10月28日(日)今日は午前10時半から箕輪町木下北保育園で「伊那のパパズ」公演。息子からギターを返してもらって、さて、なに読もうかな? 『しろくまのパンツ』か『きょうのごはん』か。



11月14日(水)今日の午後は高遠第一保育園の内科健診。ここの子たちはホント元気がいいなあ。うれしいなあ。健診後に皆の前で読ませていただいた絵本。『ぼうしをとったら』ツペラツペラ(学研)『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)『ちへいせんのみえるところ』長新太(ビリケン出版)『しろくまのパンツ』の4冊。



『絵本をよむこと「絵本学」入門』香曽我部秀幸・鈴木穂波・編著 ¥1800 を購入した。なかなかの力作。前半はカラーで絵本を紹介。後半はおすすめ絵本、海外絵本50冊、日本の絵本50冊を丁寧に紹介している。この100冊のうち、当院に置いてない絵本は、海外が7冊、日本のが7冊のみが自慢。



11月21日(水)今日の午後は伊那保育園の内科健診。少人数の私立保育園だけれど、伊那市では一番古くからある保育園。みんな元気で活発だが、お行儀がいいなあ。感心感心。絵本を読んで子供たちみんながハイタッチ。「またきてね!」だって。うれしいなあ。


今日読んだ絵本『ぼうしとったら』ツペラツペラ(学研)『おんなじおんなじ』多田ヒロシ(こぐま社)『すっぽんぽんのすけ』もとしたいづみ作、荒井良二・絵(すずき出版)『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)『しろくまのパンツ』ツペラツペラ(ブロンズ新社)『どん』元永定正(こどもとも年中向き・2012年12月号)



■ 例の、松山→羽田の飛行機内で激しく泣き続けた乳児。たぶん、飛行機の急激な上昇による機内気圧低下によって鼓膜内圧が高まり耳が酷く痛くなったのだろう。大人なら、唾をゴクンと飲み込んで耳管を開き、中耳内圧を減圧できるのだが、その子はたぶん風邪気味だったか、耳管狭窄状態でダメだったのかな
 



11月22日(木)の昼休みは、竜東保育園年少組と未満児さんの内科健診。『きょうのごはん』加藤休ミ(偕成社)は扉に描かれたブロック塀上の猫を指さして「この猫が絵の中のどこかに居るから見つけてね!」と言って読み始める。そうすると子供たちはみな一生懸命ネコを探して、美味しそうな「ごはん」はそっちのけ。


赤木かん子さんも書いていたが、『きょうのごはん』を読み終わると、子供たちは直ちに絵本の表紙と裏表紙を広げて見せてと言う。でも、秋刀魚の頭と尾っぽはつながらないのだ。残念! だから、読む前に外したカバーの裏を表紙に合わせると、サンマも無事1本になるのです。


昨日、可笑しかったのは、おじいちゃんのお祝いのお寿司の見開きページを見た1人の男の子。「その赤いの、赤いの好き!」って大きな声で言った。ぼくは「この鉄火巻きかい?」て指差したが違う。イクラ? 違う。マグロ? 違う。「えぇ〜、じゃどれ?」ってその子の目の前で絵本を広げたら、



その男の子は得意げに、寿司桶の横に添えられた「おじいちゃんおめでとう」の花束の中のカーネーション(もしかして赤い薔薇かも?)
を指差した。なぁんだ、お寿司じゃないのかよ (^^;;

2012年11月23日 (金)

ゴーイングマイホーム(その3)

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■それにしても「ラーメンサラダ」なる食べ物が北海道にあるとは知らなんだ。いや、フジTV、火曜日よる10時『ゴーイングマイホーム』(第6話)のはなし。


宮崎あおいが、彼女と息子が暮らす町営住宅で阿部寛にご馳走するのが、この「ラーメンサラダ」。とにかく、このドラマに登場する料理は、どれもこれも旨そうで見ていて堪らなくなるな。


それもそのはず、山口智子が演じる、売れっ子「フードスタイリスト」のモデルになっているのが、実はこの飯島奈美さんで、彼女自身が「このドラマ」のフードスタイリストなのだった。そう、あのフィンランド・オールロケの映画『かもめ食堂』や『南極料理人』の料理を手がけた人ね。


イトイさんの「ほぼ日」で、初めて彼女のレシピが載ったのは、たしか「おとうさんの、ナポリタン」だったよな。これ、自分で作ってみたんだ。そしたらね、本当に美味しかったんだよ。たまげたね。

以来すっかり飯島さんのファンで、本もこのとおり4冊ある。


第6話で、確か山口智子が「焼きみそ」とか何とか言ってたような気がしたが、もしかして 10月24日の午後、伊那市上牧の「天竜みそ」でロケしていた話につながるのかな? 

当日、我が家の長男がそのロケ情報を仕入れてきて、夕方上牧の「元・セブンイレブン」まで行ったのだけれど、すでにロケ隊は撤収したあとだったとのこと。残念。


■ところで、このドラマの「ロケハン」をコーディネートしたのが、「伊那谷フイルムコミッション」と「諏訪圏フィルムコミッション」だ。


伊那・高遠・辰野だけでなく、諏訪・富士見でも重要なシーンがたくさん撮影されていて、そのロケ地に関しては「富士見高原ペンション・ラクーン」さんの報告が詳しいです。

ぼくも富士見には3年間住んでいたけれど、稗の底(稗之底)自然探索路 東出口湧水地」は知らなかったなぁ。すぐ近くまでは何度も行ってるのにね。

近頃の、我が家の「れおん君」

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■生後7ヵ月になるが、最近ちょっと反抗期なのだ。

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2012年11月 9日 (金)

『ゴーイングマイホーム』(つづき)

■今週火曜日の『ゴーイングマイホーム』(第4話)は、面白かったなぁ。

毎週見ているうちに、あの映像のリズムとテンポに身体がすっかり慣れてきたんだね。ゆったりとした流れに身を委ねる感じ。温泉の露天風呂に浸かった時の心地よさとでも言うか。


ちょうど、NHKBSで毎朝7時半から見ている、予想もつかない不穏な展開の『純と愛』が終わって、7:45から自転車に乗った火野正平が画面に映った時の「ほっ」となごむ、何とも言えない安堵感に似てるかな。

この番組、以前は視聴者の葉書に書かれたゴールに到着してから、その風景をバックに火野正平さんがもう一度葉書を読む構成だったのだが、最近は、AM 7:59 過ぎてもゴールに着くかどうかぎりぎりの状況で終わってしまう。

つまり、視聴者も制作サイドも、火野正平がゴールしたシーンを見るのは既に飽きていて、むしろ、極度の高所恐怖症の彼が、はたして瀬戸大橋を渡ることができるのか? っていうハラハラドキドキや、峠にさしかかる急な登り坂の途中で、火野正平が今にもギブアップする場面が見たいのだ。残酷なものだね。

それから、昼食と休憩の時間が好きだ。毎回タバコを吸うのは嫌だが、香川県での昼飯のシーンは良かった。讃岐うどんの製麺所。また行きたいなぁ、讃岐うどんツアー。


■おっと、話を戻そう。『ゴーイングマイホーム』第4話では、初っ端に「クーナ家族」が登場した。「風な? 的な? よぅ、よぅ、ラップ的な?」あはは! いいな、いいよ!阿部サダヲ。何気に、常田富士男さんや、双子の姉妹。それに看護師役だった江口のり子さん、中村靖日さんに、山中崇さんもいる。そうして、阿部寛の父親も目を醒まし、物語はようやく動き始めた。

あと、期待のヤスケン(安田顕)が再登場して、本当に期待通りの芝居を見せてくれていた。義父を見舞いに来た山口智子が差し出した「おみやげ」を受け取り、しきりと袋の中を確認している。中身を開けたくて仕方ないのだ。でもガマンしている。別のシーンでは、ヒマに任せて義母が持ってきた本『俳句歳時記』をしみじみ眺めながら「ソバガキもか。うんうん」って言うシーンが変。「さくらホテル」でのマッサージの場面(カメラはベッド上の夫婦を真後ろから捕らえていて、これまた画像が変。)がまたでて、この夫婦、毎晩夫がマッサージするのが日課なんだね。


それから、CMが終わっても暗転したままの画面(音は少し聞こえる)に「あれ?」っと不安になるのだが、程なくしてスッと明るくなり、電車に乗った山口智子が映る。あ、トンネル抜けたんだ。このシーンが好き。

この回の看護師「江口のり子」さんもよかったな。「わたし、いま、悲しいんです」。


今回のポイントは、「最初は『た!』」のシーンだな。録画した映像を何度も再生してはその度に笑ってしまう。あれはホント可笑しい。

そして、目を醒ました父親と阿部寛との会話。

 父「ほら、何だったかな。古事記の……」
 子「あ、スクナヒコナ。」
 父「あぁ、それだ。オオクニヌシノミコトを助けるんだ。」
 父「あいつらは、死んでる奴と生きてる奴をつないでくれる。だから……   死んだ人に会いたくなった時に……」
 子「会いたい人がいるの?」
 父「でも、あいつら警戒心が強いからな。めったなことでは見つからな    い…… でも、いるんだ。」

 父「いいか、世界は目にみえるものだけで出来てるんじゃないんだ。」


ただ今回は、飯島奈美さんの美味しそうな料理が登場しなかったことが残念。山口智子はキッチンでゴボウを削って、茹で上がった「うどん?」をザルに上げるシーンまでは出てくるのだが。なに作ってんだろう?


西田敏行が「クーナの森」で食べる「カップ焼きそば」が、なぜか美味そうだった。(つづく)

2012年11月 4日 (日)

テレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』火曜日よる10時

■8月お盆過ぎの一時期と、10月22日から今日11月4日までの2週間、当地(伊那・高遠・辰野・諏訪・富士見)で長期ロケが行われた、関西テレビ制作テレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』が、とにかく面白い。


主演の阿部寛は、映画『テルマエ・ロマエ』を見た時にも思ったけど、真面目な顔してすっとぼけたコメディを演じさせると、ほんと可笑しい。


■初回オンエアーを見ながら、「これって、もしかして是枝裕和監督による『東京物語』なんじゃないか?」って思った。


YOUは、そのまんま「杉村春子」だし、長男役の阿部寛は「山村聰」。その妻、山口智子は「三宅邦子」で、吉行和子は「東山千枝子」。夏八木勲が「笠智衆」だから、ここは『東京物語』と夫婦で役割が逆転している。西田敏行は、そうだなあ「佐分利信」か「東野英治郎」。


そうすると、もちろん宮崎あおいは「原節子」っていう訳だな。


映画では「中村伸郎」が演じた髪結の亭主役を、大泉洋が所属する演劇集団 TEAM NACS のメンバー安田顕(ヤスケン。昔は『水曜どうでしょう』でしか見たことなかったが、最近はピンでNHKを始めいろんなドラマに出ているねぇ)がやっていて、これまた「そんまんま」のいい味だしていて笑ってしまった。

買い物行ってレジ袋から歯ブラシが出てきたり、奥さんのYOUをベッドの上で丁寧にマッサージしたり、妻の実家で庭の水まいてたり。それから、倒れた義父が社長を務める会社の本社に出向いて「マツケンいるかな?」と本気で期待したり。なんか、そこはかとなく可笑しいのだ。第2話、第3話には登場しなかったのが淋しいぞ。今週の第4話に期待。


あと、阿部寛と彼の娘(蒔田彩珠ちゃん)が朝食をキッチンテーブルで食べずに、なぜかリビングのソファーに座って低いテーブルに並べたおかずを食べているのが妙で「あれっ?」と思ったのだが、じつはキッチンテーブルは「妻:山口智子の仕事場」であることが次のシーンで明かされる。


山口智子は売れっ子の「フードスタイリスト」で、今朝作った娘のお弁当も大切な商売道具の「作品」だったんだね。で、出来上がりをテーブルに載せて写真を撮る。


カメラは、山口智子のオシャレなエプロンを撮すようなふりをして、大胆にも山口智子の「大きなおしり」を正面から捕らえる。これって、小津安二郎が得意とした画面構成じゃん。女優の「おしり」を平気で映すのって。ちなみに、YOUの「おしり」もやっぱり撮している。



■このドラマ、すでに3話までオンエア済みだ。「ロンバケ」の山口智子と「篤姫」宮崎あおい共演なのに、視聴率は芳しくないらしい。ちなみに視聴率って、録画しておいて後から見る人も数に入ってるんだろうか?


それから、初回「2時間スペシャル」ってのが正直失敗だったな。

次の週にサッカー「日本 × ブラジル戦」生中継が入ってしまったために、こういう無理な編成になってしまったのだ。本来なら、第一話の最後で宮崎あおいが登場して、彼女は誰? って謎を残して次週の第二話をお楽しみに!っていう脚本だったんじゃないかな。


いま、録画しておいた初回『ゴーイング マイ ホーム』を見直しているところだが、前回見て気が付かなかったセリフやカットが、第二話、第三話を見てから初めて気が付く「伏線」になっていて、このドラマは録画で何度見ても、その度に新たな発見がある、まるで噛めば噛むほど味わいが増すスルメみたいなドラマだ。

その点でも小津安二郎の映画に似ている。


■ところで、このドラマは「ちょい役」でありながら毎回短時間だけ画面に登場し、主役を食う曲者の役者がいっぱい登場していて、そこも楽しみ。


富士見町「信濃境」駅前でいつも待っているタクシー運転手の阿部サダヲ。CMプロダクションの後輩、新井浩文。長野日報記者役の中村靖日と、JTのCMでタバコ吸ってる、巡査役の山中崇。あと、町立辰野病院の病棟看護婦役の「野田と申します」の人、江口のりこさん。それから、同じマンションに住むバカリズム。あの、バス停のシーンは好きだな。


長身の阿部寛の横に小柄なバカリズム。彼らの頭の先端を結んだ線の先に子供がいる。見事な幾何学的相似形だ。


■先だって、つい最近フォローした中村靖日さんのツイートを読んでたら、10月31日にこんなツイートがあった。

↓才能あるキムチを撮影中の新井浩文くん。と、山中崇くんの『松ヶ根』兄弟と呑んでるよー。殺されんように気をつけんと。

 この元ツイートは、新井浩文さんで、これです。

 https://twitter.com/araihirofumi/status/263585956823699457

 

 

2012年10月28日 (日)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その93)箕輪町・木下北保育園

■今日は、午前10時半から上伊那郡箕輪町「木下北保育園」で伊那のパパズ絵本ライヴ。


木下北保育園の園庭南端には、宮崎アニメ『となりのトトロ』に登場する、あの巨木そっくりの「木下のケヤキ」がある。樹齢1000年。それはそれは見事だ。この日は保育園の参観日。おとうさんがいっぱい来てくれたよ。


<本日のメニュー>

1)『はじめまして』新沢としひこ(すずき出版)

2)『でんしゃはうたう』三宮麻由子(福音館書店)→ 伊東

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3)『しろくまのパンツ』tupera tupera(ブロンズ新社)→ 北原

4)『かごからとびだした』(アリス館)→ 全員の手あそび歌

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5)『パパのしごとはわるものです』板橋雅弘・作、吉田尚令・絵(岩崎書店)→ 坂本

6)『へんしんおんせん』あきやまただし・作(金の星社)→ 宮脇

7)『ねこのおいしゃさん』ますだゆうこ・作(そうえん社)

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8)『山んばあさんとむじな』いとうじゅんいち(徳間書店)→ 倉科

9)『ふうせん』(アリス館)→ 全員

10)『世界中のこどもたちが』(ポプラ社)→ 全員

2012年10月24日 (水)

土岐麻子『CASSETTEFUL DAYS』のCDを買った

■土岐麻子『CASSETTEFUL DAYS』のCDを買った。

以前「こう」言ってたし、この夏の終わり頃からラジオで流れていた、TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」のカヴァーが、すっごく良かったからね。土岐麻子が歌うと、まるで秋の運動会の青空みたいなさわやかな雰囲気の曲に変身してしまうんだから、ほんと不思議だ。



■EPO「くちびるヌード」や、ユーミン「Hello, my friend」がいいのは、聴く前から予想がついたのだが、これはちょっと合わないだろうって思ったのが、オフコース「 I Love You」。

ところが、土岐麻子の歌声が思いのほか「ピタッ」とはまっていて驚いた。いや、ほんといいじゃないか。あと、1曲目の奥田民生も。

原曲はよく知っているのだが、こうして聴いているうちに、最初から土岐麻子の「持ち歌」だったような錯覚に陥ってしまうから不思議だ。


■「カルアミルク」って曲は知らなかったな。歌詞も軽妙で洒落た曲。気に入ったぞ。そしたら、高1の長男が自分の iPod から岡村靖幸のオリジナルを聴かせてくれた。おぉ、原曲はこういう雰囲気なのか。

キューバ音楽の、ルンバかサルサに変身した薬師丸ひろ子の「メイン・テーマ」も面白いなあ。この曲、松本隆:作詞、南佳孝:作曲だったんだね。知らなかったなあ。

しばらく全曲リピートで、連日聴き続ける予定。

2012年10月20日 (土)

『かめくん』北野勇作(河出文庫)読後感想の追補

■ところで、河出文庫版『かめくん』は、徳間デュアル文庫版『かめくん』とは「全く同じ」ではない。ただ、

旧版のほうを通して読了してないので、確実なことは言えないが、映画でいうところの「ディレクターズ・カット版」的な、新たなエピソードを追加したり、泣く泣くカットしたシーンを復活させたり、といったような文章はなかった。

そうではなくて、文章のきめ細やかなブラッシュ・アップやリファインが随所に施されているのだ。それは、2冊並べて読んでみれば直ちに分かること。微妙な言い回しや、ちょっと不自然で引っかかった表現が変更されている。作者の『かめくん』に対する思い入れの強さを思い知らされた。


■それから、脳の器質的機能障害の一つに「カプグラ症候群」と呼ばれる特異的症状を呈する疾患群が実際にあるのだそうだ。

カプグラ症候群というのは、家族や恋人や親友など自分にとって大事な人が本人そっくりの偽者と入れ替わってしまったという妄想を抱く症候群である。1923年にフランスの精神科医ジョゼフ・カプグラと研修医のルブル・ラショーが初めて論文で報告した。」(『エコー・メイカー』リチャード・パワーズ作、黒原敏行・訳、新潮社、訳者あとがき より)

ビックリした。そうなのか。


■ぼくは読んでいるうちに、読者としての確固たる立脚点が突然揺らいでガラガラと崩れだし、何が本当で何が偽物なのか、何が何だかわからなくなってしまう、という小説が好きだ。いわゆる「現実崩壊感」というヤツ。

僕にとってのその代表的小説は、フィリップ・K・ディックじゃぁなくて、クリストファー・プリーストの『魔法』であり、『奇術師』であり『双生児』なのだな。信用できない一人称の主人公の「語り」を、はたして読者はそのまま受け取ってもいいんだろうか?

そんなふうに不安にさせられる小説。そういうのが僕は好き。

そういう意味で『かめくん』は、僕にとって プリースト『魔法』を読み終わった時の感覚に近かったか。ただ、『かめくん』最終ページの「あの」諦観、寂寥感は特別だな。


■最後に、この小説のキーポイントの部分を引用します(ネタバレか?)


 この宇宙のすべては、たったふたつの要素に分けることができる すなわち、甲羅の内と外。

 カメというものは、自らの甲羅のなかから外界を見るように出来ている。そうすることによって、自らの甲羅のなかに外界のモデルを構築する。それをもとにして、カメは世界を認識するのだ。

 つまり、甲羅の内部に形成された外界のモデルを操作することによってそれを推論し、そして行動を起こす。行動することによって得られた情報によって、甲羅のなかに作られた世界のモデルは更新される。そして、さらにそれを操作することで推論する。

 だから、じつはカメが外側だと感じているのは、自分の甲羅の内側に作られた外側の模型でしかないのではないか。
 かめくんは考える。

   そういう意味で、カメというものは所詮、自分の甲羅から出ることが   出来ないものなのでは ----- 。(p255〜p256)


■追伸。 佐々木敦氏による「かめくんのかいせつ」が素晴らしい。ちょっとだけ引用する。

 かめくんはかめくんである。かめくんはかめくんでしかない。だが、それと同時に、まちがいなくかめくんは、北野勇作自身でもあり、わたしたちのことでもあるのだ。

『かめくんに描かれている、のほほんとした日常のようで、その実、殺伐としていたり酷薄であったりする世界、安穏としているようでいて、じつはただ生きてゆくだけでも、とても大変だったりしんどかったりする世界は、まちがいなく、われわれが生きる、この世界のことでもある。

『かめくん』が少しかなしいのは、「かめくんはかめくんでしかない」ことを、かめくん自身がよくわかっていて、そしてそれを受け入れているからだが、そのかなしみ、そのはかなさは、かめくんだけのものではない。

 北野勇作の描く世界は、どれもこれも不思議ななつかしさに満ちているが、それはいわゆるレトロ・フューチャー的道具立てによるものというものというよりも、そこがいつもどこか、今ここ、に似ているからに他ならない。このような感じは『かめくん』以降の作品群において、着実に、より深められていって、現時点での最新作である、あのすこぶる感動的な「きつねのつき」へと至ることになるだろう。(p291〜292)


■さて、前回挫折した『昔、火星のあった場所』だが、もう一度チャレンジしてみよう。今度は大丈夫。いけると思うぞ。
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