『ゴーイングマイホーム』(つづき)
■今週火曜日の『ゴーイングマイホーム』(第4話)は、面白かったなぁ。
毎週見ているうちに、あの映像のリズムとテンポに身体がすっかり慣れてきたんだね。ゆったりとした流れに身を委ねる感じ。温泉の露天風呂に浸かった時の心地よさとでも言うか。
ちょうど、NHKBSで毎朝7時半から見ている、予想もつかない不穏な展開の『純と愛』が終わって、7:45から自転車に乗った火野正平が画面に映った時の「ほっ」となごむ、何とも言えない安堵感に似てるかな。
この番組、以前は視聴者の葉書に書かれたゴールに到着してから、その風景をバックに火野正平さんがもう一度葉書を読む構成だったのだが、最近は、AM 7:59 過ぎてもゴールに着くかどうかぎりぎりの状況で終わってしまう。
つまり、視聴者も制作サイドも、火野正平がゴールしたシーンを見るのは既に飽きていて、むしろ、極度の高所恐怖症の彼が、はたして瀬戸大橋を渡ることができるのか? っていうハラハラドキドキや、峠にさしかかる急な登り坂の途中で、火野正平が今にもギブアップする場面が見たいのだ。残酷なものだね。
それから、昼食と休憩の時間が好きだ。毎回タバコを吸うのは嫌だが、香川県での昼飯のシーンは良かった。讃岐うどんの製麺所。また行きたいなぁ、讃岐うどんツアー。
■おっと、話を戻そう。『ゴーイングマイホーム』第4話では、初っ端に「クーナ家族」が登場した。「風な? 的な? よぅ、よぅ、ラップ的な?」あはは! いいな、いいよ!阿部サダヲ。何気に、常田富士男さんや、双子の姉妹。それに看護師役だった江口のり子さん、中村靖日さんに、山中崇さんもいる。そうして、阿部寛の父親も目を醒まし、物語はようやく動き始めた。
あと、期待のヤスケン(安田顕)が再登場して、本当に期待通りの芝居を見せてくれていた。義父を見舞いに来た山口智子が差し出した「おみやげ」を受け取り、しきりと袋の中を確認している。中身を開けたくて仕方ないのだ。でもガマンしている。別のシーンでは、ヒマに任せて義母が持ってきた本『俳句歳時記』をしみじみ眺めながら「ソバガキもか。うんうん」って言うシーンが変。「さくらホテル」でのマッサージの場面(カメラはベッド上の夫婦を真後ろから捕らえていて、これまた画像が変。)がまたでて、この夫婦、毎晩夫がマッサージするのが日課なんだね。
それから、CMが終わっても暗転したままの画面(音は少し聞こえる)に「あれ?」っと不安になるのだが、程なくしてスッと明るくなり、電車に乗った山口智子が映る。あ、トンネル抜けたんだ。このシーンが好き。
この回の看護師「江口のり子」さんもよかったな。「わたし、いま、悲しいんです」。
今回のポイントは、「最初は『た!』」のシーンだな。録画した映像を何度も再生してはその度に笑ってしまう。あれはホント可笑しい。
そして、目を醒ました父親と阿部寛との会話。
父「ほら、何だったかな。古事記の……」
子「あ、スクナヒコナ。」
父「あぁ、それだ。オオクニヌシノミコトを助けるんだ。」
父「あいつらは、死んでる奴と生きてる奴をつないでくれる。だから…… 死んだ人に会いたくなった時に……」
子「会いたい人がいるの?」
父「でも、あいつら警戒心が強いからな。めったなことでは見つからな い…… でも、いるんだ。」
父「いいか、世界は目にみえるものだけで出来てるんじゃないんだ。」
ただ今回は、飯島奈美さんの美味しそうな料理が登場しなかったことが残念。山口智子はキッチンでゴボウを削って、茹で上がった「うどん?」をザルに上げるシーンまでは出てくるのだが。なに作ってんだろう?
西田敏行が「クーナの森」で食べる「カップ焼きそば」が、なぜか美味そうだった。(つづく)
コメント