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2010年1月

2010年1月30日 (土)

喫茶&パフェ「灯」が、ジャズ喫茶「kanoya」に変わった

■今週は連日連夜の会合で、さすがに疲れた。
明日の日曜日は、久々に「予防接種なし」のフリー日だ。
ありがたいねぇ。


今夜は、伊那中央病院の夜間小児一次救急の当番。
あわよくば読めるかと、『横道世之介』吉田修一(毎日新聞社)
を持って行ったのだが、結局1ページも読めず。今はまだ7月。
9人診て、夜9時半で終了。点滴になった子は、後はお任せ。すみません。


■この間の日曜日のことだ。


忙しく新型インフルエンザのワクチン接種を黙々とこなしていると、
受付スタッフが来て言った。

「先生、お電話です。○○の宇佐見さんからです」

この手の電話はマンション購入の勧誘か、怪しげな先物取引に
決まっている。やたら調子のいい「だみ声」で、彼らは必ずこう言うのだ。
「○○の□□ですが、院長先生お願いしま〜す」と。


やれやれ、まいったなぁ。嫌々電話に出る。


「ベースの宇佐見です。ご無沙汰しちゃっていてすみません」
馴れ馴れしいダミ声で電話の相手は言った。


ぼくは一刻も早く電話を切って診察室に戻ることしか
考えていなかったから、面倒くさそうに「知りません!」それだけ言って
電話を切ろうとした。そしたら相手はあわてて付け加えた。

「ジャズ喫茶 BASE のマスターの宇佐見ですよ!先生」


あ、ホテル・センピア前の「BASE」の宇佐見さんね。
いやはや、失礼いたしました。とんだご無礼、どうかお許し下さい。


このところ、外に飲みに行くことがないから、
「BASE」も半年以上ご無沙汰だったのだ。


マスターの弁によると、今の店は人に譲って、
自分は、桜町の旧「中村歯科医院」南隣、「鍋焼城」向かいの
「喫茶&パフェ・灯(ともしび)」を居抜きで借りて、
12月末から新たに『Kanoya』(前に駒ヶ根でやっていた店の名前)
を始めた、とのこと。


水曜日の夕方、先日のお詫びと移転祝いを兼ねて、
「LAPHROAIG / Quarter Cask 」を一瓶下げてさっそく訪問する。


あ、なかなかいい雰囲気じゃん。不思議と馴染んでいる。


まるで、何十年もやってる、老舗のジャズ喫茶の感じだ。

ここなら、ライブやっても50人は収容できるね、マスター。

帰ってきてから検索したら、

すでに「訪問記」が載っていたぞ。
もっと、宣伝しなきゃ、客はこないよ、マスター。


2010年1月28日 (木)

遅ればせながら、Twitter 始めました

■このブログ、字が小さくて、薄くて実に読みにくい。
書きながら本人がそう思っているのです。

でも、有料バージョンにアップしないと、フォントの大きさも色も、
カスタマイズできないようにできているのだ。


だから、いろいろ考えて、少しでも読みやすくしようと
「ほぼ日」的に、右端はフリーにして、できるだけ
圧迫感をなくすようにしました。


それから、4行以上は続けない。


そうして、必要以上に行間を空ける。


どうです? 少しは読みやすくなったでしょ。

■昨日の水曜日の午後は、例の「伊那ケーブルTV」の番組収録。
「医師会健康アドバイス」という15分番組だ。


今回で3回目の収録なので、段取りはよく判っている。
女性アナウンサーが質問して、それにぼくが答えるといった
パターンで「ノロウイルス感染症」に関して話した。


でも、これもいつものことだが、女性アナウンサーが「噛む」のだ。
ぼくの書いた質問文が読みにくいのか、
噛むんだな、これが。その度に収録し直し。

ところが、ぼくが噛んでも「先生、大丈夫ですよ!いいですいいです」
と軽く流されてしまうのだ。これって、不公平じゃないの?


今回の一番の山場は、ぼくが「ビオレU・あわあわ手洗いのうた」
歌うシーンだった。この収録のために、ぼくはわざわざ「花王」
お客様お問い合わせ室にメールした。「地域のケーブルTV」の自主番組で
ノロウイルスの話をすることになったのですが、つきましては

「ビオレ手洗いのうた」を紹介したい。著作権があるから、
勝手にぼくが歌ったら問題あるかもしれません。
歌ってもいいですか? って。


そしたら、次の日に医院に電話がきた。花王お客様相談室の担当女性
からだった。「どうぞ、先生。歌って下さい!」電話の向こうで彼女は
そう言ってくれた。


だから、歌ってしまいましたよ。でも、最後のフレーズの歌詞を間違えてしまった。

歌詞が違うのは、やっぱまずいでしょ。


だから、ここは無理言って、取り直ししてもらいました。


放送は、2月17日の夜7時からです。

ぼくは見ないけどね。

■で、なんとか収録が終わったので、自分へのご褒美に
欲しかった『ユングのサウンドトラック』菊地成孔を買った。
ついでに、『Twitter 使いこなし術』も買ってきて読んだ。


Twitter はね、半年くらい前から気にはなっていたんだ。
ツール・ド・フランスに出場していた、別府史之が
Twitterやってて、ランス・アームストロングがレスして
くれたとか、別府史之のブログに書いてあったからね。


でも、このプラットホームは俺向きじゃないな。
iPhone みたいなモバイル持ってないし。

その時はそう判断して、あまり興味はなかった。


もしかして、これで世界が変わるのかな?って
思ったのは、大森望さんのTwitterまとめ記事を
最近フォローするようになってからだ。


で、『Twitter 使いこなし術』を読みながら、さっそく登録して
昨日から始めたというわけです。

■ところで、ぼくのフォロワーはまだ一人もいません。
始めたばかりだから無理もないか。


https://twitter.com/shirokumakita


です。よろしくお願いいたします。

2010年1月26日 (火)

伊那のパパズ(その63) 松川町上片桐保育園

■一昨日の日曜日は、朝8時半〜夕方6時まで、当院にて新型インフルエンザのワクチン接種。疲れました。


■1月24日(日)は、下伊那郡松川町・上片桐保育園にて、われわれ伊那のパパズ「絵本ライヴ」が行われた。ぼくと、いまモーレツに忙しい伊東パパは欠席。坂本・宮脇・倉科の3人で出演し、がんばってくれた。


以下、倉科さんからの報告メールを転載します。


今日、松川、無事終わりました。
主催は松川町で、保護者会連合会との共催で
町の子供たちみんなに声をかけてくださったようです。


お父さん達も結構来ていましたよ。
町の保育士さんたちもいっぱい来てました。
会場は、上片桐保育園。とても綺麗なとこでした。


ふうせんは大変だったので、町のこども課の課長さんや、保護者会の会長さんにも手伝ってもらいました。
何と、最後は園長先生からお願いされて、アンコールまでやっちゃいました。


はじめまして
どうぶつサーカスはじまるよ(坂本)
スモウマン(宮脇)
ぶきゃぶきゃぶー(倉科)
かごからとびだした
もっとおおきなたいほうを(坂本)
ふくはうちおにもうち(宮脇)
うなぎにきいて 長谷川義史(紙芝居)(倉科)
ふうせん
せかいじゅうのこどもたちが
(アンコール)
パンツのはきかた


こんな感じです。
次回は2月11日ですね。
久し振りに全員で楽しくやりましょう。
以上、報告まで・・・。

倉科


2010年1月23日 (土)

『流星の絆』と『黄色い部屋の秘密』(その2)

『黄色い部屋の秘密』を読んでみようと思ったのは、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で、三津田信三さんのインタビュー記事を読んだからだ。何だか面白そうじゃないか。


WEB本の雑誌には、『8・1・3の謎―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)』の紹介が載ってるぞ。小学性の頃読んだはずだが、全く憶えていない。こちらも読まなきゃ。


ところで、『黄色い部屋の秘密』には『黒衣夫人の香り』という続編があって、ミステリーのトリックとしては大したことないが、『黄色い部屋の秘密』では未解決だった驚愕の事実が明らかにされているらしい。どうも『ミレニアム1』と『ミレニアム2』の関係みたいなのだ。うーむ、何だか気になるではないか。2008年に出た「創元推理文庫(新版)」の巻末には、戸川安宣氏による「『黄色い部屋の謎』解説(表版)」が載っているのだそうだ。本篇はともかく、この解説だけは読んでみたいぞ。


■さて、『流星の絆』のはなし。そもそもの始まりは、中1の長男がクラス担任の先生から「この本」を借りてきてたことに始まる。先生があまりに面白そうに読んでいたので貸してもらったのだという。彼は夢中で一気に読み終わり「東野圭吾、すごいよー、おかあさんも読んでみなよ!」というワケで、今度は妻が「その本」を一気に読むこととなった。


長男は、TSUTAYA から TBSでドラマ化されたDVD版『流星の絆』(嵐の二宮クンが主演)を借りてきた。原作を読み終わった妻と二人して、イメージが違うだの「あーだこーだ」言いながら楽しそうに見ている。面白くないのは僕と次男だ。クドカン脚本のドラマは、それなりによく出来ているのだが、やはり原作のほうが気になる。小5の次男は言った。「ぼくも本を読む!」と。


本は先生に返してしまったので、伊那図書館手良分館にあるのを本館に取り寄せてもらって借りてきた。長男と違ってふだんあまり本は読まない彼だったが、読めない漢字、判らない言葉は無視しながら、めずらしく熱中して3日で読み終わった。そして、ドラマ終盤のDVDを3人して楽しそうに見ている。ぼくが見ようとすると、「おとうさんは見ちゃダメ! 犯人ばれちゃうから」と、家族の中で一人きり仲間はずれの状態に陥ってしまったのだ。


そんなぼくを不憫に思ったのか、次男がやって来て言った。「おとうさんも読んでみなよ」


長男から薦められた本を読んだことはあったが(クロニクル太古の闇シリーズとか)、次男から読むように薦められたのは、この『流星の絆』が初めて。そりゃぁ読まなきゃね。というワケだったのだ。


遅ればせながら、ぼくも DVD(vol.5) で第9話・最終話を見た。確かに、ドラマ版は軽いな。行成役の要潤は、もう少し何とかならなかったのか? あの小説の中では一番いい役なのだから。

2010年1月20日 (水)

『流星の絆』と『黄色い部屋の秘密』

■今週から来週にかけてが忙しさのピークか。先だっての 17日(日)と今度の 24日(日)は、まる一日新型インフルエンザ・ワクチン接種。今週は、休診にしている水曜日の午後と、土曜日の午後も新型インフルエンザ・ワクチンの接種で休日がぜんぜんないのだ。それに加えて、金曜日の昼休みには「いなっせ」7Fちびっこ広場で「ノロウイルス感染症」の話をすることになっていて、新ネタの仕込みがまだできていない。


来週の火曜日の夜には、小中学校養護教諭と学校医との懇談会があって、養護教諭からの要望事項の一つ「新型インフルエンザの概要を教えて欲しい」に、ぼくが答えるよう委員長の先生から指示されている。もちろん、まだ何も準備ができていない。さらに、来週の水曜日の午後には、伊那ケーブルテレビの番組「医師会健康アドバイス」の録画撮りがある。内容は「ノロウイルス感染症」と決めてあるのだが、女性アナウンサーの質問内容も含め、全てこちらで台本を作っておかないとならないから大変だ。


■そういう、のっぴきならない時に限ってついつい読書に逃避してしまうのは昔からの悪い癖。


『流星の絆』東野圭吾(講談社)は、先週の土曜日の夜一晩で一気読みした。途中で止められなくなってしまったからだ。素直に面白かった。ただ、個人的には『白夜行』の暗い路線のほうが好きだ。何故この本を読むことになったかについては、また別の話があるので、詳しくは次回に。


今日先ほど読了したのは、『黄色い部屋の秘密』ルルー著、榊原晃三訳(春陽堂少年少女文庫・推理名作シリーズ2)。小学生の頃、学校の図書館に岩崎書店やあかね書房の推理名作シリーズやジュブナイルSFシリーズがあって、エラリー・クイーン『エジプト十字架の謎』とか『宇宙大作戦』『ドゥエル博士の首』とか、いろいろと読んだ記憶がある。もちろん、ポプラ社のルパン・シリーズや江戸川乱歩の少年探偵団、名探偵ホームズものも少しは読んだ。


あの頃のぼくは、それほど読書好きではなかったけれど、当時の小学生はみんな本格推理小説やSFを読んでいたな。でも、最近の小中学生は「そういうの」をぜんぜん読まないんだね。うちの子はそう。だから、お父さんが昔読んだジュブナイル版の本格推理小説を息子たちにも読ませようと思って、ブックオフの100円コーナーで見つけた『黄色い部屋の秘密』を買ってきたのだ。「完全密室もの」の古典的傑作とされているミステリーだが、ストーリーをぜんぜん憶えていない。もちろん真犯人も。


もしかすると読んでなかったのかもしれないね。息子に薦めるには、自分で読んでみないと父親としては無責任だ。そういう訳で『黄色い部屋の秘密』を読んだ。完訳本でなく、児童向け短縮訳本だったので読みやすかった。さっと読めた。ただ、いまの時代に子供たちが読んで面白いのかどうかは、ぜんぜん自信はない。


個人的には、100年も前に書かれた推理小説にしては、後半の展開なんかスピーディーでサスペンスフルで、いまのエンターテインメント小説に通じるものが既にあって感心した。でも、息子に薦めるのはやめとこう。息子たちも『流星の絆』を読み終わっているからね。

2010年1月18日 (月)

浅川マキ 死去

Maki

■浅川マキが死んだ。名古屋でのライヴが始まる前に、宿泊先のホテルの浴室で倒れているところを発見されたという。ちょっと前に「内澤旬子さんのブログ」で知った。そしたら、「菊地成孔さんのブログ」にも載っていた。読んで思わずふき出しちゃったよ。浅川マキさんらしいなぁ。

■追悼の意を込めて、1984年のライブ・ビデオ『幻の男たち』を20数年ぶりに見ているところ。新宿蠍座は既になかったが、池袋文芸地下とか、新宿ピットインとかで彼女のライブを見ることができたはずなのに、結局一度もライブには行かなかった。レコードは写真の2枚と、あと最初のLP『MAKI I 』(見つからないが)を持っていた。最近の活動はまったくフォローしていなかったな。CDも持っていない。

■30年前の当時、次兄は目蒲線・西小山に住んでいて、ぼくは週末東京に出ては、よく泊めてもらいに行った。西小山の駅の階段を下りると、左右に商店街が続いていて、その左側のアーケード商店街をしばらく行くと、右手にレコード屋さんがあった。イシガミレコード店だ。調べたらなんと今もあるらしい。下町風情の陽気で元気のいいオバチャンが店をやっていた。ある時、聞くともなしにオバチャンが言った。「あのね、昔、この店の2階に浅川マキが住んでたのよ!」まだ無名だった彼女に部屋を貸していたのが、このオバチャンの1番の自慢らしい。兄貴は何度もその話を聞かされたと言っていたな。そんなことをふと思い出した。

ぼくはタバコを止めてもうずいぶん経っちゃったけど、浅川マキさんは最後までタバコ吸ってたのかな?


淋しさには名前がない
………誰がいったの
何もいらない これからは
扉を開けたら 朝の光が
また ひとりよ 私


ご冥福をお祈りいたします。

2010年1月17日 (日)

伊那のパパズ(その62)上伊那PTA連合会父親母親委員会研修会

■昨日の土曜日(1月16日)の午後は、伊那市役所1階多目的ホールで行われた上伊那PTA連合会父親母親委員会研修会の講師として、われわれ伊那のパパズが呼ばれたのだった。坂本さんと宮脇さんは都合で来られなかったので、伊東・北原・倉科の3人で出向く。上伊那郡下の小中学校 PTA父親母親部会に所属する親御さんが140人も参加しているとの説明を受ける。


大人だけ140人の前でいつもやってるように「絵本ライヴ」を行う。ふだんとぜんぜん様子が違って相手が大人だとやりにくいし、3人だけでパワー不足ではあったが、頑張って一人で普段の 1.5倍増しのパワーを出したから、声が枯れてしまったよ。そしたら、思ったより聴衆の反応がよかった。よく笑ってくれたんだ。うれしかったな。

1)『はじめまして』
2)『だから』 ウィリアム・ビー作、田中尚人・訳(セーラー出版) → 伊東
3)『かあさんになったあーちゃん』ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社) → 北原
4)『かごからとびだした』

5)『おでんおんせんにいく』中川ひろたか・作、長谷川義史・絵(佼成出版社) → 倉科
6)『給食番長』よしなが こうたく・作(長崎出版) → 伊東

7)『ねこのおいしゃさん』増田裕子・作、あべ弘士・絵
8)『いろいろおんせん』増田裕子・作、長谷川義史・絵

9)『これがほんとの大きさ!』S・ジェンキンス作(評論社) → 北原
10)『大阪うまいもんのうた』長谷川義史・絵(佼成出版社) → 倉科

11)『世界中のこどもたちが』


そのあと、3グループに分かれて「質問・意見交換会」。なんと、僕らがそれぞれに司会進行を仰せ使う。緊張しました、疲れました。でも、みなさん熱心に討論に加わってくれた。ありがたかったな。上伊那PTA連合会父親母親委員会のみなさま、ほんとうにお世話になりました。

2010年1月13日 (水)

映画『グラン・トリノ』

「キネ旬」ベストテンが発表になった。日本映画では西川美和監督作品『ディア・ドクター』(映画館で見たかったが未見)が、外国映画では、クリント・イーストウッド監督作品『グラン・トリノ』がベストワンになった。


何よりも残念だったことは、『グラン・トリノ』を映画館でちゃんと見れなかったことだ。松本まで見に行くつもりだったのだけれど、気が付いたら上映終了になっていた。『チェンジリング』は山形村アイシティ・シネマで見たのに。小林信彦氏も「週刊文春」のコラムで書いていたが、『グラン・トリノ』は映画館で見ないとダメだ。スクリーンと対峙して、緊張感を維持し一気に集中して鑑賞しないとダメなんだ。


ぼくは、元旦の夜にレンタルDVDで見た。その日が返却日だったからね。でも、泡盛「久米仙」のソーダ割りを飲みながら、家族が寝静まった深夜に見始めたので、途中でテレビも照明も付けっぱなしで眠ってしまった。前日から寝不足だったんだ。記憶に残っているシーンは、イーストウッドがモン族の不良グループの一人に、問答無用の圧倒的な暴力で報復した場面までだった。

気が付いたら、夜が明けていた。どうにも眠たいのでそのまま2階に上がって二度寝。再び起きたら午前9時過ぎ。しまった! TSUTAYA伊那店が開店する午前10時までに返却ポストに返さないと延滞金が発生する。慌てて映画の後半を見る。子供らは「New Super Mario Bros.Wii」を早いとこやろうとコントローラー片手にテレビの前で待ち構えている。そんな状態だったから、画面にぜんぜん集中できなかったし、ラストシーンは早送りで見てお終い。これじゃぁダメだな。


■菊地成孔氏の新しい本が出た。初めての「映画本」だ。「ユングのサウンドトラック~菊地成孔の、映画と映画音楽の本~」イースト・プレス)これは買うつもりでいた。今日の夕方、「いなっせ」1階の西澤書店新刊コーナーで「この本」を発見。中身も確認せずに、そのままレジへ直行する予定だったのだが、どうにも我慢できなくて、この本に収録されている菊池氏の『グラン・トリノ』映画評を立ち読みする。そっかぁ、やっぱりなぁ。イーストウッド自身が歌った主題歌をちゃんと聴かないと、この映画のことを語ってはいけないんだ。


そのことが確認できたので、結局「この本」は買わずに帰る。ごめんなさい。もう一度ちゃんと見よう。

■さて、最後にこの映画の「ネタバレ」をするので、未見の方は読まないように。


ぼくは映画を見ながら「まるで、小津安二郎の映画じゃん!」そう思った。だって、葬式のシーンに始まって、再び葬式のシーンで終わっているからだ。小津の映画でいうと、『秋日和』が葬式のシーンで始まる。原節子と司葉子が艶めかしい?喪服姿で登場するのだ。(いま調べたら、葬式ではなくて、七回忌の法事だったようだ。すみません)。葬式のシーンで終わるのは、言わずと知れた『東京物語』だ。正確には、葬式のあとの精進落としと、実の息子(山村聡)と実の娘(杉村春子)が東京へ帰ったあとも、戦死した次男の嫁である原節子が尾道に残って、義父の笠智衆を気遣うシーンが続くワケだが。


『グラン・トリノ』では、イーストウッドの妻の葬式の場面から始まる。葬式の特徴は、その日に家族・知人が必ず集結することにある。普段疎遠の親戚も来る。この映画では、実の息子たちとその孫娘(グラン・トリノを形見受けしようと狙っている)が、イーストウッドと仲が悪いことが直ちに観客に理解できるようにできていた。


『東京物語』でいえば、原節子の役回りが、モン族の心優しい青年タオ(北島康介にそっくり!)ということになる。彼とその姉、母親、祖母の演技が良かった。すっごく自然で。それから、とっつぁん坊やの神父さんもよかったな。イーストウッドの映画は、どれもキャスティングが絶妙だ。『チェンジリング』で言えば、殺人犯とその従兄弟。『硫黄島からの手紙』で言えば、二宮クンの友人兵士役の野崎一等兵(松崎ユウキ)かな。


好きなシーンは「床屋」の場面だ。あれはいいな。笑っちゃったよ。メチャクチャ毒舌なんだけど、信頼関係があるんだね。


それにしても、あのラストは……


そういう落とし前しかないのか? それで、アメリカ人は納得するのか? この映画は、イーストウッドの映画の中ではアメリカで一番ヒットしたという。だとすれば、アメリカは再生できるのかも。イーストウッドって、熱心な共和党支持者だよね。その彼が最後に主演する映画を『グラン・トリノ』に選んだってことが、もの凄いことだと思った。


2010年1月11日 (月)

博多『一風堂』諏訪インター店

東京からの帰り、茅野駅横駐車場に駐めておいた車に乗って夕飯どうしようか? ということになった。元旦の夜に開店している食物屋は伊那にはまずないから、茅野〜諏訪インターの間で見つけないとまずいことになる。妻が言った。「ねぇ、あれ、博多ラーメンの有名店が諏訪インターの近くに開店したって、FM長野で言ってたよ。えっとね、そう!一風堂ってお店」 一風堂? 有名じゃん。行こう行こう! 店は、スポーツ用品店「ゼビオ」の東側(茅野より)に確かにあった。小さな店だ。でも、さすがに元旦の夜にはやってなかった。


しかたないので、もう少し行ってドライブイン「釜めし・おぎのや」の中に入っていたラーメン店「一気通貫」で食べることになった。しかし、失敗だったな。京都の「天下一品ラーメン」を真似したかのような、コテコテ濃厚スープ。麺にも主張はなかった。これじゃぁダメだ。この日我々はリベンジを誓ったのだった。

そして、早くもその日がやって来た。1月の日曜日は31日以外すべて新型インフルエンザ・ワクチン接種の予定が入っている。だから、今日の11日を逃すと、もしかしてこの冬、家族でスキーには一度も行けないかもしれない。「よし、明日はスキーに行くぞ!」父親がそう宣言したので、妻は10日の夜に慌ててスキー行きの準備を始めた。しかし、中学生になって急に背が伸びてきた長男は、去年まで着ていたウエアーが小さくて着られない。急に足が大きくなった次男もスキー靴が入らない。というワケで、諏訪のアルペンに寄ってから「白樺高原スキー場」を目指すこととなった。


なんやかやと買い物に時間が掛かって、アルペンを後にしたのが午前11時半前。ずいぶん遅くなっちゃったから、午後券を買って3時過ぎくらいまでちょっと滑れればいいか、初回だし、と思ったが、問題は「昼飯どうしようか?」だった。ふと、「一風堂」のことを思い出した。で、店の駐車場に車を駐めたのは、その5分後。既に店の外には既に5〜6人の行列ができていた。さすが人気店だな。リベンジだからね、今日は諦めなかった。11時開店だから、入店第1陣が食べ終わるのはもうじきのはず。


結局15分くらい待って入店できた。長男は赤いヤツ、次男は辛味噌なんとか。ぼくと妻は白いヤツ(古典的博多ラーメンの味だね) いやぁ、たしかに旨い。すっごく美味い。高菜と紅ショウガ、それに生ニンニクを潰してトッピング。辛い「もやし」も美味かった。なるほど、並ぶ価値はあるな。長野県下では、ここが初出店なんだそうだ。この次は、スープを残しておいて替え玉してみよう!

その後「白樺高原スキー場」へ。午後1時から夕方5時まで滑りまくる。さらさら雪がきゅっきゅっ鳴って、アイスバーンもなくとても滑りやすい。スピードに乗ってがんがん斜面を攻めた。すっごく気持いいぞ。スキー場もすきすき。ゴンドラも待ち時間なしで乗り放題だ。今までは、午前10時過ぎに着いて1日券を買い、午前中ちょっと滑ってすぐ昼飯。午後もちょっと滑って3時の休憩、その後2本滑っただけで疲れて帰宅、というパターンが多かったが、今回はそれよりも集中して数多く滑ったように思う。子供たちもずいぶん上手くなった。忙しいけれど、なんとかまた来ようね。


2010年1月10日 (日)

『黄色い涙』永島慎二

昨日の夜、「嵐」の5人がそろって出演したドラマを家族全員で見た。
我が家の次男が、熱烈な「嵐」ファンで、いつしか家族全員が嵐ファンになってしまったからだ。それは、3年前から家族全員で中日ドラゴンズ・ファンになってしまった経緯とまったく同じ。彼の影響力は絶大なのだ。

昨年末、「おとうさんだけ忘年会がいっぱいあっていいな」って言うから、家族忘年会をしようということになり、初めて家族で近くのカラオケ・ボックスへ行った。寒い夜道を歩いてね。夕食後の寝る前の1時間(よる9時まで)がリミットと決めてあったから、彼は最初からエンジン全開で「嵐メドレー」を熱唱した。もうマイクをぜんぜん離さない。最初は遠慮していた長男も、後半は遅れまいと一緒になって盛り上がって歌った。おとうさんがマイクを握ったのは結局30秒くらいしかなかったな。瞬く間に過ぎ去った1時間、彼はぜんぜん歌い足りなくてこう言った。「おとうさん、楽しかったね。これから毎週来ようよ」


■昨年末のNHK紅白歌合戦はすごく面白かったな。それまで、大晦日は除夜の鐘が鳴り出すまで起きていることが出来なかった子供たちも、この日は珍しく眠くならずに最後まで画面を見入っていた。確かに、時代は「嵐」だった。「週刊文春」にも書いてあったが、ジャニーズ・トップの座が、SMAP から嵐へと移行した瞬間を目撃した、時代の証言者にでもなったような気分だった。そして、浜崎あゆみのバックバンドで何気によっちゃん(野村義男)がギターを弾いていたのも凄かった。ジャニーズ恐るべし!

で、昨日のドラマだが、正直たいしたことはなかった。メンバー5人の個性を生かせつつ、サスペンスとサプライズが用意してあり、脚本はなかなかによく考えられていたワケだが、それじゃぁドラマは面白くならないのだよ。はじめにキャストありきだからね。よくある「アイドル映画」といっしょ。


■そこで、映画『黄色い涙』なのだった。1週間前に TSUTAYA から借りてきたこのDVD。今日が返却日だったのだ。

伊那市の新型インフルエンザ集団予防接種から帰って、あわてて午後4時からこの映画を見た。本当は、原作の漫画が大好きだったから、おとうさんも嵐ファンになったついでに借りてきたのだが、そういう感覚で映画を見ると、やっぱり「嵐ファン」の目で映画を見ていて、映画の原作は向こうに押しやられてしまう。そのことが、この映画の悲劇だ。

映画としては、時代考証とかも凝っていてすっごく真面目に原作をリスペクトして作られているのに、観客は皆「嵐」のファンなのだよね。しかも、原作のマンガを知らない。そうして僕はというと、嵐のファンではあるのだが、やっぱり原作と、森本レオ主演のNHKドラマのイメージが強烈だったがために、この映画は最後までしっくりこなかった。嵐の5人に、森本レオや、下条アトム、岸辺シローを演じさせるのは無理だ。大野くんはまぁよかったが、岸辺シロー役の櫻井君は苦しかったな。「ハチクロ」はよかったのに。

ぼくは昔、永島慎二のマンガが大好きだった。特に『フーテン』。それから『若者たち』。映画の中で二宮くんが描いていた『かかしがきいたかえるのはなし』は、兄貴が買ってきた月刊誌「ガロ」のオリジナル掲載誌で読んでいる。今でも忘れられない漫画だ。

この『若者たち』が、NHK銀河小説で『黄色い涙』とタイトルも変わってドラマになった。脚本は、当時新進気鋭の脚本家だった市川森一。当時の画像は残っていないが、ドラマのオープニングを再現した画像が、YouTube にあった。これだ。


そうそう、小椋桂の主題歌だったっけ。当時、あれだけ大切にしていたはずの漫画本だったのに、いまは手元にない。何故だろう? そんなかんなを思い出しながらDVDを見たのだが、見ている間は「単なる嵐ファン」だった。アイドル映画としては失敗かな、そう思った。だって、松潤がほとんど出てこないんだもの。まぁ、原作は4人組で、嵐は5人だから仕方ないか。そして、原作大好き人間としては、漫画の内容を、ほとんど忘れてしまっていたことが一番ショックだったりする。


■「ぼのぼの」で有名な漫画家、いがらしみきお氏が熱烈な永島慎二ファンであることは、一部には有名な話だ。彼の自伝を連載しているブログには、何カ所かで永島慎二に言及している。例えば<ここ>とか、<ここ>とか。それから、嵐の映画『黄色い涙』を見た感想もあったぞ。<ここ>だ。


この漫画は特別なのだ。あと、例えば<こういう人>の発言もある。やまだ紫さん、亡くなっちゃったんだね。心して読んだ。

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