2011年8月13日 (土)

『子どもにかかわる仕事』汐見稔幸・編(岩波ジュニア新書)

■小児科医として「子供とかかわる仕事」をしていながら、案外「その他の子供とかかわる仕事」に就いている人たちが、具体的にどのような仕事をしているのか、どういう思いで子供たちと向き合っているのかが、ぜんぜん分かっていないことに気付いたのは、「伊那のパパズ」という父親による絵本の読み聞かせ隊活動を通じて、小学校の先生、幼稚園の先生、こどもの本屋さん、市役所の学校教育課職員という、職種は違いながらも「子供とかかわる仕事」に携わるお父さん方とお付き合いさせていただくようになってからのことだ。


もう7年以上いっしょにやっているけれど、いまだに子供に関して新たに教えてもらうことが多々あり、仕事に対してマンネリ化しつつある自分の態度に毎度「喝」を入れてもらっているのだった。


「この本」は、これから自分の将来の職業を考える中学生・高校生を対象に書かれたものではあるのだが、本当は、現在「子供と係わる仕事に就くわれわれ」こそが読むべき本なのではないかと思った。

図らずも、編者の汐見稔幸先生は「はじめに」の中でこう言っている。

 執筆者はみんな、子どもを相手にする仕事をしてきたことに喜びを感じ、そうしたことを可能にしてくれた子どもに感謝しています。すぐれた指導者と出会って感謝することは誰にでもできます。偉い人にお世話になったことを感謝することも当然です。でも患者さんに医師が感謝すること、クライアントにカウンセラーが感謝すること、幼児に保育者が感謝すること等々は、一般的ではありません。私は、生徒に謝ったり感謝する喬師がたくさんいれば、日本の教育はもっともっとよくなると思うのです。


そうなのだ。ぼくらは子どもたちがいてくれるおかげで、生かされているのだ。そういう本質的なこと、根本的なことを「この本」は改めて知らしめてくれるように思う。だから、大人こそ必読本なんじゃないか?


■以下、13人の執筆者の文章から少しだけ引用させていただきます。


 ・鈴木せい子さん(助産師)

助産師は、新しいいのちを迎えるたびに、こうした胎児の ””生命力のすごさ”” に圧倒されます。お母さんもがんばった、でもあなたもがんばった。さらにすごいことは、あなたがいるだけで、周りのみんなにも生きる希望を与え、多くの喜びと幸せをもたらしているということです。だから、あなたは「生きているだけで百点満点」。(p15)


 ・細谷亮太先生(小児科医)

病棟の子に亡くなられるたびに、誰もいない非常階段で声を上げて泣きました。どうしてこんな理屈にあわないことがあるのかと、心の底から悲しく、医者をやめたいと思ったこともありました。  子どもたちの死はあまりに不条理でした。子どもは、死んではいけない人たちなのです。今もそう思っています。(p23)


 ・井桁容子さん(保育士)

たとえば、年齢が同じなら、同じことができて当たり前、同じ量だけ食べ、何をやるにも同じ時間で動く、そんなことはまずありません。ですから「同じ」を子どもたちに求めるような保育、また保育者であってはダメだということを、まず理解する必要があります。そのうえで、一人ひとりが違っていることを大事にはぐくみ生かしあえる関係づくりができる保育および保育者であろうとすることがとても重要です。(p47)


 ・渡辺恵津子さん(小学校教員)

この本を手に取ったあなたは、「先生の仕事」をどんなものだと想像しますか? 成長段階にいる子どもたちを「教え導くこと」と思う人も多いかもしれません。私も教員になりたての頃は、そう考える気持ちが少なからずありました。しかし今は、「教え導くこと」が必ずしも喬師の仕事ではない、と実感しています。

むしろ今は、自らの力で人生を切り拓いていこうとする子どもたちに伴走し、励まし支え、それぞれの「持ち味を十二分に引き出してあげること」ではないかと思っています。

たくさんの子どもたちと出会って思うのは、一人ひとりが本当にかけがえのない存在であり、いのちであり、可能性をいっぱい秘めた発展途上人だということです。(p65)

2011年8月10日 (水)

最近読んだ本

■このところバタバタしていて、本は読んでいるのだけれど読後の感想をブログにアップする気力がわかないのだった。

ツイッターやフェイスブックにはちょっとした感想を呟いてきたのだが、自分でも何を読んだのか忘れてしまっているので、健忘録としてこの場にリストアップだけしておきたい(読了の日付は順不同。思い出した順です)

1)『原発はいらない』小出裕章・著(幻冬舎ルネッサンス新書)★★★☆ 
   基本的な事項の再確認として必読!

2)『<映画の見方>がわかる本』町山智浩・著(洋泉社)★★★★☆
   映画ファン必読!

3)『I【アイ】』いがらしみきお・著(小学館)★★★★★
   いがらしみきおファン必読!

4)『発達障害のいま』杉山登志郎・著(講談社現代新書)★★★★★
   小児科医は必読!

5)『福島原発の真実』佐藤栄佐久・著(平凡社新書)★★★★★ 
   村木厚子元厚労省局長に対する特捜部のでっち上げ事件と同じ構図がここにも! 


6)『「もううんざりだ!」自暴自棄の精神病理』春日武彦・著(角川SSC新書)
   ★★★★

7)『おおきなかぶ、むずかしいアボガド』村上春樹・著(マガジンハウス)
   ★★☆ う〜む。

8)『世界一やさしい精神科の本』齋藤環・山登敬之・共著(河出書房新社) 
   ★★★★☆ 今までありそうでなかった共著。すごく分かりやすいぞ!

9)『明治・父・アメリカ』星新一・著(新潮文庫)★★★★☆
   福島県民は明治時代から疎外されていたのだ。

10) 『どうで死ぬ身の一踊り』西村賢太・著(講談社文庫)★★★★ 
   あはは! 最低な奴だな、こいつ。

11) 『知られざる魯山人』山田和・著(文春文庫)p224 まで途中挫折中。
12) 『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹・著(文春文庫)途中。
13) 『小津ごのみ』中野翠・著(ちくま文庫)p34まで。途中。
14) 『花なら紅く』片岡義男・著(角川文庫)
15) 『彼女が演じた役』片岡義男・著(中公文庫)


16) 『作家の遊び方』伊集院静・著(双葉社)
17) 『この国の「問題点」』上杉隆(大和書房)
18) 『トラウマ映画館』町山智浩・著(集英社)


19) 『不思議のひと触れ』シオドア・スタージョン著(河出書房新社)途中。
   「雷と薔薇」「孤独の円盤」「不思議のひと触れ」のみ読了


2011年8月 7日 (日)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その82)菓匠しみず2Fホール

「伊那まつり」がある8月最初の土日は、毎年天候不順で急の夕立や雷の襲来を覚悟しなければならないことになっている。でも、今年は例年以上の凄さだった。特に、天竜川の東側在住の者たちにとっては。今日の午後も、局地的ゲリラ豪雨と集中的な落雷で、伊那市境区の一部の地域(わが家を含む)は午後3時前から5時半まで停電が続いた。こんなに長い停電は、この地に住んで初めてのことだ。


三峰川の水量も増し、このぶんでは今夜の花火大会も中止かと思われたのだが、夕方5時前にはついさっきまで土砂降りだったのが嘘のように雨は上がった。そして、予定通りに花火大会は開催されたのだった。


■さて、そんな今日の夕方を迎える前は、久々に夏らしい暑い暑い午後だったのだ。


そんな夏の日の午後1時から、伊那で一番有名なケーキ屋さん「菓匠しみず」の2階で「伊那のパパズ絵本ライヴ(その82)」は始まった。


1)『はじめまして』新沢としひこ(すずき出版)
2)『くだもの なんだ』きうちかつ・作(福音館書店) →伊東
3)『こわくない こわくない』内田麟太郎・文、大島妙子・絵(童心社)→北原
4)『かごからとびだした』(アリス館) → 全員


5)『じいちゃんのよる』きむらよしお・作(福音館書店) →坂本
6)『かあさんのパンツ2』『かあさんのパンツ3』(絵本館)→宮脇


7)『すてきなぼうしさん』ますだゆうこ、市居みか(そうえん社) →全員


8)『8月6日のこと』中川ひろたか・文、長谷川義史・絵(河出書房新社)→倉科
9)『ふうせん』(アリス館) →全員
10)『世界中のこどもたちが』 →全員


■今日は「南信こどものとも社」の坂本さんが事務所の隣に開店した新店舗「やまめ堂」の「さかな釣りをするクマ」をイラストした特製Tシャツを全員で着て、そろいの衣装での登場とあいなった。我々としてはクリスマス以来のユニフォームだったね(^^;; 


ちなみに絵本屋「やまめ堂」が何処にあるかというと、伊那市民劇場の事務所がある「白いビル」をご存知の方は、そこの左隣です。竜西地区在住で場所が分からない人は、旧田中病院の角で飯田線の線路を渡って、倉科洋品店を通り過ぎ、えびす神社を左に見て右に行くと、左手に例の「白いビル」があります。その真ん中です。


竜東地区から行くには、中村クリニックと敬愛幼稚園の前を過ぎて「毛見橋」から天竜川を渡り、信号を右折して「伊那ケーブルテレビ」横をすぐ左折して春日町の道をまっすぐ行くと、右手に例の「白いビル」があります。もう少し北から行くには、仁愛病院の手前で右折して、小松眼科を通り過ぎたあたりで左折、そから少し行けば「白いビル」が左手に出現します。


午後2時過ぎに無事終了。帰りにメンバーそれぞれ「大きなお土産」を頂いた。家に帰って開けてみたら驚いた! 直径20cm のイチゴクリームパイと、ロールケーキーと、生クリーム大福が6個も入っていたのだ。shimizuさん、本当にありがとうございました。

2011年8月 6日 (土)

伊那のパパズ番外勝負(中沢小学校親子文庫)7月13日

先月の7月13日(水)の夜、駒ヶ根市中沢小学校の親子文庫のみなさんに呼ばれて、絵本と児童書、そして福島の話をさせてもらってきた。中沢小学校には、伊那養護学校駒ヶ根分校が併設されていて、パパズのメンバーである伊東先生が赴任しているのだった。その縁で昨年に続いて再び呼んでもらえたのだ。


当日は、伊東先生はもちろん、親子文庫所属のお父さんお母さん方(中沢小学校では、何故か父親の絵本の読み手が何人もいるのだ!凄いね)に加えて、図書館司書の先生、それにPTA会長さん、校長先生まで待っていてくださった。有り難いじゃありませんか。


・まずは、伊東先生と二人で代わり番こに絵本を読む。


1)『でんしゃはうたう』三宮麻由子・作(福音館書店) →伊東
2)『ひまわり』 和歌山静子・作画(福音館書店)   →北原
3)『かあちゃんのせんたくキック』(文化出版局)   →伊東
4)『ぜつぼうの濁点』原田宗典・作(教育画劇)    →北原


・つづいて、ぼくがパワーポイントを使って絵本『やこうれっしゃ』西村繁男(福音館書店)を解説。この絵本のパスティーシュである『がたごとがたごと』内田麟太郎・作、西村繁男・画(童心社)さらにその続編『おばけでんしゃ』も紹介した。


「字のない絵本」を、子供たちとどう読み合えばいいのか? そういう話をしてみたかったのだ。

・そうして、おもむろに僕がとりだした絵本が『アライバル』ショーン・タン(河出書房新社)だった。この厚いモノクロの絵本には「文字」が全く載っていない。でも読者には、それぞれの個人的な思いに触発されながら、同じ絵を見ながらも微妙に別々のストーリーが浮かび上がってくるような仕掛けがしてある絵本なのだ。


ぼく自身がこの絵本を購入したのは2月のうちだったが、その後何度も目を通すうちに、この絵本は福島県に長年暮らしてきて、ある日突然故郷を強制的に退去させられ、しかもたぶん一生、わが家にには帰ることができない人たちのことを思った。

どうか、どうか、この絵本の主人公家族のように新天地で新たな幸せな暮らしができますように。そう祈るしかない。


・つぎに紹介したのはマンガだ。『月刊フラワーズ8月号』(小学館)に載った、萩尾望都『なのはな』のこと。それから、『小説新潮5月号』に載った、綾瀬まる『川と星』のはなしに移った。(つづく)



2011年8月 5日 (金)

最近のこと(健忘録としての覚え書き)

■医学書院の看護師のためのWebサイト「かんかん」で連載されている平川克美氏の『俺に似た人について知っていること ---- 老人の発見』が、しみじみ読ませる。


平川克美氏は 1950年生まれで、内田樹先生とは小学校で同級生になった時からずっと親友なのだそうで『東京ファイティングキッズ』を読んでから、ぼくは平川氏の事を知った。『東京ファイティングキッズ・リターンズ』も買ったし、『ビジネスに「戦略」なんていらない』も買った。『移行期的混乱―経済成長神話の終わり』(筑摩書房)も、少しだけ読んだが積ん読中。あと、平川氏がやっている『ラジオデイズ』からもよく落語をダウンロードさせてもらっているのだった。


そんな訳で、彼のブログやツイッターは暫く前からずっとフォローさせてもらっていて、ご母堂が亡くなられた後くらいからの様子は、断片的にではあるがリアルタイムで聞いてきてはいた。しかし、こうして「団塊世代・後期」である人が自分の父親を介護する話を読むと、二番手である我々にもあまりに身近で普遍的で、近々我が身(1950年代後半生まれ)に迫る必然的な問題であるだけに、こんなふうに淡々と語られるとかえって、リアルに迫ってくるのだと思う。

実際、ぼくの同級生にも最近親を看取った友人が何人かいる。子育てもまだ終わらないというのにだ。平川氏のこの連載は、「そういう」覚悟を、ぼくらの世代にどうしようもなく確認させる、強い力がある文章なのだだと思った。


ぼくは父親を16年前に、母親を2年前に亡くした。しかし、父も母もその看病と介護に当たったのは、昭和24年1月生まれの兄貴(平川氏より学年は2つ上)に任せっきりだった。仙台市在住の平川氏の弟さんと違って、ぼくはすぐそばに住んでいたにもかかわらずにだ。その点に忸怩たる思いがある。兄貴、本当にごめんなさい。


いや、もちろんぼくの妻は嫁として彼女のできる限りの最善を尽くしてくれたよ。ぼくの父や、母に対して。本当によく看病と介護をしてくれたと思う。素直に本当に感謝している。よくやってくれたと。

でもだ。実の息子であるぼく自身はどうだったのか?


今となっては仕方ないことではあるが、9月にある母親の三回忌の時には、ちゃんと兄貴に謝ろうと思っている。


  (閑話休題)


■■ 落語の演題『替り目』は、寄席に行くと結構頻回にかかるネタだ。


時間が押していて、持ち時間が7分ぐらいしかなく、トリの2つ前とか、中入り前に上がった大御所、中堅の噺家がよくやっている印象がある。ぼく自身、新宿末廣亭で柳家さん喬師の「替り目」を聴いたし、浅草演芸ホールで古今亭菊之丞の「替り目」を聴いた記憶がある。いや待てよ。「片棒」だったかもしれないなぁ。「片棒」はさん喬師の十八番だしね。


「替り目」はサラッと流せて、いくらでも時間調整ができる噺で、しかも落ちでしんみりさせることができるという、寄席ではたいへん重宝する噺なのだな。


ま、ぼくは「この噺」を、その程度に理解していたのだ。


ところが先日、偶然にも「古今亭志ん生の『替り目』」を初めて聴いたのだ。
驚いた! 前半を聴きながら、大笑いの連続で、自分自身が「この噺」の主人公とまったく同じ酔っぱらいのダメダメ亭主だから、余計に心情移入してしまうのだな。

外で飲んで帰って、どんなに酔っぱらっていたとしても、仕上げに家でもうちょっと飲みたい。でも女房は言う。「あんた! それだけ飲んできたのに、まだ飲むの? 今まで何度も約束したでしょ。ダメよ!」って。


志ん生の落語を聴いていたら、なんだわが家の日常「そのまま」じゃん! って思ってしまって大笑いしたあと、例のサゲまできて何だか急に泣けてきてしまったのだ。


いや、本当に泣けるのだ、志ん生の『替り目』は。ダメな亭主はしっかり者の女房のことを本当に愛しているのだよ。でも、志ん生の『替り目』は特別なんだろうなぁ。この噺がこんなにイイとは思わなかった。

でも、この落語を女房に聴かせても、絶対に判ってはくれないのだろうなぁ。酔っぱらいの気持ちは。悲しいなぁ。しみじみ。

 
(閑話休題)

■■ なんだろうあやしげ氏のツイッターで知ったのだが、四コマ漫画「根暗トピア」以来大好きで、「ぼのぼの」も「Sink」もフォローしてきた天才漫画家、いがらしみきお氏の新作漫画単行本が7月末に発売されたのだという。


この漫画は、現在も月刊漫画雑誌「IKKI」(小学館)連載中だ。


昨日の晩、伊那のTSUTAYA へ行って『 i【アイ】』いがらしみきお(小学館)を買って帰った。で、その「第1回」を読んだ。おったまげた!! すんげぇ〜じゃないか!!

でも、いがらしみきお氏は「この漫画の連載中」に、「3.11」を迎えたのだな。いったいどうするんだこの後。心配してしまうよ。物語はどう展開してゆくのだろうか?


で、久々に「いがらしみきお氏のブログ」を見にいった。


なんか、読んでマジでしみじみしちゃったじゃないか。

がんばれ! いがらし先生。

2011年7月30日 (土)

連日の訃報は悲しすぎる

■原田芳雄さん

・原田芳雄さんと言えばぼくはやっぱり、TBSラジオの深夜放送「林美雄ミドリブタ・パック」で聴いた「リンゴ追分」や「プカプカ」だ。松田優作さん(歌声がよく似ていた)とのデュオも聴いた。好きなのは『祭りの準備』『竜馬暗殺』。テレビで最後に見たのは、日テレ『高校生レストラン』か。『赤い鳥逃げた』は未見だが、何故かCDは持っている。


・おっと忘れちゃいけない『ツィゴイネルワイゼン』があった。鈴木清順監督の。映画館で見てLDも持ってる。幽玄で妖艶で何故か懐かしい不思議な感覚の映画であった。

『大鹿村騒動記』は映画館へ見にいきたいな。合掌。


■中村とうよう氏

・初めて読んだのは、矢崎泰久編集長の『話の特集』でだったと記憶している。ジャンルにこだわらず、ワールド・ワイドにいろんな音楽をぼくが聴くようになったのは、間違いなく中村とうよう氏の影響だ。


・『なんだかんだでルンバにマンボ』『大衆音楽の真実』『ポピュラー音楽の世紀』を読んで、キューバ音楽やブラジル音楽の勉強をしたっけ。キャブ・キャロウェイや、アストル・ピアソラ。それに、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのことを教えてくれたのも中村とうよう氏だった。あと、ナイジェリアのサニー・アデや、パンクジャズのギタリスト、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーを絶賛していたっけ。


・ジャズもサンバもキューバ音楽も、アフリカの強烈なリズムと西洋音楽とが「混血」して新たな生命力を持った音楽となったのだなぁ。もう一度『ポピュラー音楽の世紀』(岩波新書)を読み直してみよう。

  とうようさん、本当にありがとうございました。


■小松左京氏

・最初に読んだのが『継ぐのは誰か』で、次が『果てしなき流れの果に』だった。中学生のときだったか。どこか、想像もつかないような遙か遠くへ連れて行かれたような感覚を初めて味わった。短篇では『くだんのはは』は怖かったなあ。


・小松左京氏は京都大学の学生時代、『わが解体』の高橋和巳氏と親友であった。天国で再会して、いったいどんな話をしているのだろうか?  合掌。


■大阪の有名なジャズ専門店「ミムラ」店主、三村晃夫さん


SF作家の堀晃氏のサイトによく登場するジャズ専門店「ミムラ」。一度も行ったことないのだが、こまめにブログが更新されていて、独特のノリの良さから最近よくチェックしていた。そして、今日も見にいったら、えっ! うそでしょ?


三村さんは昭和34年の早生まれだから、山口百恵といっしょで、ぼくと同学年じゃないか。ショックだ。本当にショックだ。つつしんでご冥福をお祈りいたします。

2011年7月24日 (日)

「子どもたちの脳は疲れている」三池輝久先生の講演会

■毎年7月恒例のツール・ド・フランス。3週間の熱戦を繰り広げて今日が最終日。いまパリ・シャンゼリゼの周回コースに入ったところ。今年は最後まで混戦続きで面白かったな。あぁ、今日で終わってしまうのか。


■そんな訳で、ここ3週間はツールTV観戦に忙しくてブログの更新がおろそかになってしまった。すみません。


忘れないうちに、覚え書きとして、先だって7月16日(土)の午後、伊那文化会館小ホールで開催された「子ども・若者支援地域ネットワーク形成のための研修会・第1回公開講座」での、「「子どもたちの脳は疲れている」と題された、「小児慢性疲労症候群」に関する日本における第一人者、兵庫県子供の睡眠と発達医療センター長、三池輝久先生の講演会を聴いてきたことを書いておかねばならない。

「上伊那子どもサポートセンター」代表の戸枝さんから、今回の連続講座開催のことを、この5月下旬にメールと電話でお話をうかがった際、戸枝さんから「最近話題になっている、小児慢性疲労症候群のことについて北原先生に連続講座の中で話して欲しい」との依頼があった。ちょうどその時、ぼくも所属する「外来小児科フリートーク・メーリングリスト」で、三池輝久先生が「小児慢性疲労症候群」の子供たちを治療した報告が話題になっていて、三池先生が提唱する「その疾患」と、われわれ一般小児科医がこの時期(春から夏にかけての)よく遭遇する「起立性調節障害」との異動が、メーリングリストで議論されていたのだった。

だから正にタイムリーな話題であったのだが、専門知識に欠けるぼくには到底「小児慢性疲労症候群」の話はできません、無理です。と、戸枝さんにお断りしたのだった。でも、戸枝さんは凄かった! 「小児慢性疲労症候群」と「小児の睡眠障害」に関するエキスパートの、三池輝久先生に直接講演依頼をし、なんと、三池先生の講演会が伊那市で実現することになってしまったのだから。いやはや驚いた。


■そんな訳で、当日ぼくは外来を午後1時で終了して伊那文化会館へと向かったのだ。

三池輝久先生は大変才気溢れる先生で、頭が良すぎる上に言いたいことがいっぱいありすぎて、われわれ一般的聴衆の理解度の低さを最初から諦めているような感じさえあったが、いやいやどうして、大変示唆に富む面白いご講演であった。

■「人はなぜ眠る必要があるのか?」「睡眠は子供の脳の発達にどう係わっているのか?」 という話から講演は始まった。


・睡眠は子供の脳の発達に必要欠くべからずものだ。睡眠は「脳を創り、育て、そして守っている」のだと。REM睡眠は覚醒を促す。眠っている間に海馬が働き記憶を整理する(長期記憶)。そして、眠っている間にシナプスの点検整備(メインテナンス)が行われている。


・人はなぜ眠る必要があるのか? それは、ヒトの脳内のシナプスを守る3つの重要な働きがあるから。

1)活動している時に使用した、神経伝達物質残渣をクリーンにする(シナプスの清掃とメインテナンス)
2)神経突起からミトコンドリアが細胞内に移動しそこで複製がおこる(エネルギー生産を守る)
3)神経伝達物質の脳幹調節機構やその他の部位での再分配がおこる。(神経伝達物質の供給)


だから、脳が発展途上にある子供たちにとって「睡眠」はとっても大事!


・小学4年生までは、最低10時間の睡眠が必要。
・小学5〜6年生では9時間の睡眠。
・中学生でも、7〜8時間は睡眠が必要。


子供が起床しなければならない時間、そこから逆算して、ベッドに入る時間を決めればよい。例えば、朝6時には起きなければならない中学1年生は、夜10時台には入眠する必要があるということ。


しかし、今の日本の子供たちは、大人の都合でどんどん「夜更かし」となり、「慢性的睡眠不足状態」に陥っているのだった。そうなるとヒトの体はどうなるか?


・ミトコンドリアの機能が低下する
・糖代謝が落ちる → 肥満
・脳幹部にある「視床下部」の機能が落ちる
・そうすると、認知機能が落ちる(集中力・持久力・意欲の低下)
・朝はテンションが上がらず、疲労度は増すばかり。でも夕方になって急に元気がでてくる(別人28号)
・そうなると、逆に10時間以上の過眠状態に逆転してくる
・つまりは、脳内にある「体内時計」が壊れてしまうのだ
・体内時計が壊れると、体温・血圧調節(自律神経機能)が壊れ、
 ホルモン分泌バランスが崩れる。

これらの症状が「小児慢性疲労症候群」なのだった。
その結果、朝起きられず、何時しか昼夜逆転した子供たちは不登校となってしまう。


■こうなってしまったら、どうしたらよいか?


このことに関して、三池先生は決してバラ色の話はしなかった。


焦らず、不足した睡眠時間を十分に確保して(平日不足した睡眠時間を土日で補充するなど)、無理せず然るべき時期が来るまで、できる範囲で学業の準備しつつ「じっとチャンスを待つ」その時期とは、高校入学の頃のことが多い。とのことでした。

2011年7月18日 (月)

『ニッケル・オデオン』ハンバートハンバート

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50年以上も生きてくると、大好きなミュージシャンがいっぱいいる。加川良、泉谷しげる、吉田拓郎、友部正人、高田渡、浅川マキ、たま、荒井由実、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズ、アート・ペッパー、エリック・ドルフィー、ウディ・ショウ、ファラオ・サンダース。などなど。


みんな、ずいぶんと追っかけてきた。でも、いつしか知らないうちに彼らの「最新CD」を買わなくなってしまうのだ。何故なら、僕のテンションをずっと継続して最先端の楽曲を提供してくれるミュージシャンはそうはいないのだから。


そんな中で、唯一ぼくが「最新CD」が常に「彼らの最高傑作」であると思い続けていて、しかも、その思いが決して裏切られたことがないグループがいる。それが「ハンバートハンバート」なのだ。50すぎのオヤジがね、ホレてしまったのだよ。

■「北原こどもクリニック」のHP内を探したら、2008年11月22日に書いた「ハンバートハンバート」に関する文章が見つかったので、ここに再録しておきます。

■「ハンバートハンバート」は、男女デュオのフォークグループだ。いまの若い世代から、1970年代初頭を中学生・高校生で過ごした僕らのようなオリジナル・フォーク世代まで、ファン層はじつに広い。作詞・作曲は全て佐藤良成が担当する。ギターも上手いがフィドルも巧い。野武士のような風貌で、ちょっとぶっきらぼうで泥臭い、でも不思議と暖かな歌声を聴かせる。佐野遊穂は、ヴォーカルとハーモニカを担当。彼女の声も独特だ。どこまでも澄んで高く清らかなんだけど、決して、か細く弱い声ではない。凛とした気高さがある。そういう女性の声だ。

男女デュオのグループは難しい。男と女で、声の音域がぜんぜん違うからだ。これから年末に入ると、忘年会のカラオケでは男女デュエット曲が目白押しだ。先だって亡くなった、三笑亭可楽ファンのフランク永井「有楽町で合いましょう」とか、平尾正章&畑中葉子 の「カナダからの手紙」とか、石川優子&チャゲ「ふたりの愛ランド」かな。あとは、チェリッシュ「てんとう虫のサンバ」もあるし、ヒデとロザンナやトワ・エ・モアもいたね。ちょっと古すぎたかな(^^;;

ハンバートハンバートにも、男女デュエット曲の基本を踏襲した楽曲がある。いわゆる男と女の掛け合いで展開する曲だ。名曲「おなじ話」がそうだし、『まっくらやみのにらめっこ』の1曲目に収録された「バビロン」が、まさにそう。しかし、こういう男女のボーカルのからみが可能だとは、思いもよらなかったな。新しい試みだ。この曲を聴いて感じたことだが、佐野遊穂のボーカルが変わった。何か、ふっきれたように力強く唄っている。突き放したような、圧倒的なパワーを、その歌声に感じたのだ。「白夜」や「おいらの船」を聴くに及んで、その思いは確信に至った。

今を生きる「ふてぶしさ」と「したたかさ」を。


■ YouTube を見ていたら、ぼくが中学生のころ大好きだった加川良と、ハンバートハンバートが共演している映像を発見した。「フォークの達人」 だ。これは2年前、ぼくもBS2で録画したはず。HDDレコーダーを確認してみると、あったあった。な~んだ、ハンバートハンバートのことは、意識下で既に2年前から知っていたんだ。加川良、そして高田渡。彼らの正統な継承者は「ハンバートハンバート」しかいまい。うん、きっとそうだ。

■ Amazon の『まっくらやみのにらめっこ』カスタマー評に、以下のように書く評者がいた。まったく巧いことを言うものだ。本当にその通りだと思うよ。

★★★★★  どこかで聞こえた唄, 2008/9/15 By wab

ハンバートハンバートのことは、随分前から知っていた。
知っていたけど、ちゃんと聴いてなかった。

勝手に「癒し系」とか「ゆるい」とか想像してた。

このアルバムを、たまたま聴いたんだ。
うわー。なに、これ。すごい。


独特の視点の歌詞が素晴らしい。
ハーモニーも美しい。
トラッド感が良い具合の演奏も○。


ただ、僕の心に引っかかったのは、もっと本質的な点だ。
この唄たちは、どこかで聴いた、どこかから聞こえた、そんな気がしたのだ。
ひっかかる感じ。思い出せるようで思い出せない、あの。。。。
ノスタルジックともちょっと違う感覚。
優しい思い出感覚じゃない。

この感じって何て言うんだろう。

悲しいわけでも嬉しいわけでもないのに、涙が出てくる感じ。

あなたたちの音楽は、そんなかんじ。



ついこの間まで、前作の『さすらい記』が一番のお気に入りで、繰り返し繰り返し聴いてきた。

でも今は、発売されたばかりの『ニッケル・オデオン』
例によって、処置室に置いたラジカセで繰り返し一日中聴いているが、ちっとも飽きない。さりげないのだけれど、すごくいい。

■少し前に、ツイッター上で僕が呟いた感想を、少し修正して以下に載せます。
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ハンバートハンバートの新譜が届いた。まずは金沢「もっきりや」でのライヴDVDを見る。「もっきりや」はね、学生の頃一度行ったことがあるんだ。香林坊近くのジャズ喫茶。「慚愧」「虎」「おなじ話」「罪の味/アセロラ体操のうた」&金沢の素敵な古本屋さんや雑貨屋さんとかを収録。いいじゃん。


あぁやっぱり「虎」はいいなぁ。泣ける歌だなあ。「人の胸に届くような そんな歌がつくれたら だめだ、だめだ、今日はやめだ メロディひとつできやしない 酒だ、酒だ、同じことさ 昼間からつぶれて眠る」


さて、ハンバートハンバート『ニッケル・オデオン』を聴こう。いい意味で、新境地とか何もない、いつもどおりの彼らが変に力まず「のほほん」と、ぼくらのありふれた日常の歌を唄っていた。ありがとう。ほんとに。


最初に1回聴いてまず好きになった曲は、2曲目の「ゆうべはおれが悪かった」だ。あはは! これ、夫婦喧嘩に負けた夫が翌朝「奥さん」に謝る唄じゃん。変にフレンチ・ポップスかブロッサム・ディアリーのお洒落なアレンジがされてるし、取って付けたような「愛してるぜ」は、心こもってないぞ!


その次に気に入ったのは、5曲目「好きになったころ」だ。わかるなぁ、すっごく分かる。ぼくが中坊だった頃、加川良のLPを買って何度も何度も聴いた。そして我慢できなくなって、中古のフォーク・ギターを買ってもらったんだ。左手の指がスチール弦を押さえてマメになった。痛かったなぁ。


6曲目「おじさんと酒」は、ハンバートハンバートの王道を行く曲だ。最近気に入っている星野源の曲とも共通する、何とも言えない「ほのぼの感」がよいな。ノコギリの音も入ってるし。


6曲聴いて驚いたことは、「波羅蜜」みたいな毒のある暗い曲がないことだ。でも震災の後だしね、彼らはあの日、仙台にいたのだから。


で、このCDで一番チカラが入った曲、1曲目「みじかいお別れ」のこと。聴き込むほどに、味わいが増す名曲だ。言葉をひとつずつ確かめるように歌う佐野遊穂さんの歌声は、静かで優しいんだけれど、じわじわと力強さが伝わってくるのだった。ポイントは、ベースが基調となってリードしていることか? もしかして、全ての曲で?

イントロのフレーズとテンポ。あれ?どこかで聴いたことあるぞ。井上堯之『青春の蹉跌のテーマ』と同じコード進行なんだ。いいな、すごくいい。『青春の蹉跌』は、大好きだったTBSラジオの深夜放送、林美雄パックイン・ミュージックのテーマ曲だから、この曲を聴くと、亡くなった林美雄アナのことを思い出してしまうのだ。






YouTube: 再アップです 林美雄 パックインミュージック最終回


「桶屋」は、風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな曲で、ドラムスの人がいいテンポ、リズムを醸し出している曲だ。「君と暮らせば」は、怪談・牡丹灯籠みたいな話なのだが、ぜんぜん暗くないし怖くはない。佐藤良成のヴォーカルは、いつだって「いま」を振り切って風になっている。


そうか、ハンバートハンバート『ニッケル・オデオン』5曲目「好きになったころ」に出てくるCDって、ボブ・ディラン『追憶のハイウェイ61』だったんだ。そう言えば、この曲の間奏は「Like a Rolling Stone」じゃないか。



2011年7月17日 (日)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その81)箕輪町長岡保育園・夕涼み会

■7月15日金曜日の夜は、箕輪町長岡保育園へ行って絵本を読んできた。保護者会主催?の夏祭り(夕涼み会)に呼ばれたのだ。

平日の夜に「絵本ライヴ」を行うのは初めて。都合で欠席の坂本さん以外のメンバーは、一日の仕事を早めに切り上げて長岡保育園に集結したのだった。開演は夜7時半。園児数が全部で50人未満の小さな保育園だけれど、かえってアットホームで先生方もお父さんおかあさん方も、地域のみんなで子供たちを見守っている雰囲気がよく感じられたよ。


  <本日のメニュー>

 1)『はじめまして』
 2)『かあちゃんのせんたくキック』平田昌広・文、井上洋介・絵(文化出版局)→伊東
 3)『たちねぶたくん』中川ひろたか・文、村上康成・絵(角川学芸出版)→北原
 4)「たちねぶた音頭」

  





YouTube: 中川ひろたか / たちねぶた音頭


 5)『かごからとびだした』(アリス館)

 6)『へんしんオバケ』あきやまただし(金の星社)→宮脇
 7)『うみじじい』菅 瞭三 (こどものとも・1999年8月号)→倉科

 8)『ふうせん』
 9)『世界中のこどもたちが』


2011年7月13日 (水)

今月のこの1曲。キャスリン・ウィリアムス「ハレルヤ」と「These days」と「Birds」

110713テルメの帰りによく寄る、伊那のブックオフで見つけて 400円(サービス券100円分あったのだ)で購入した、洋楽のコンピレーションCD『Beautiful Songs 〜ココロデ キク ウタ〜』が、なかなかによかったのだ。 1曲目2曲目はFMで何度も聴いたことあったし、ラストに収録された、おおはた雄一のこのCDは持っている。でも、その他の曲は初めて聴く曲ばかりだった。いや、正確には 17曲目の「ハレルヤ」は、オリジナルのレナード・コーエンで知っている。しかし、このイギリスの新人女性シンガー・ソングライター「キャスリン・ウィリアムス」がとつとつと静かに歌う「ハレルヤ」が、本家よりも数十倍よくって驚いた。


YouTube: Hallelujah - Kathryn Williams

■で、この曲が収録された彼女カヴァー曲集『relations / kathryn williams』をイギリスの業者から購入し、はるばる海を越えて届いたのだ。いい時代になったものだ。 ちょうど、スザンヌ・ヴェガみたいと言えばよいか。ちょっと根暗で内気な女の子が、自信なさげにぼそぼそって録音スタジオで歌ってる。「Hallelujah」は、ライヴ音源だが、もう1曲同じステージから収録された曲があって、それはCDラストの14曲目に入った「These days」だ。この曲もすっごくいい。オリジナルは、ジャクソン・ブラウンが16歳の時に作ったという名曲。彼女のヴァージョン(歌詞がちょっと違う)はなかったが、ジャクソン・ブラウンの弾き語り映像があった。ホントしみじみいい曲だな。 たかが女に振られたくらいで、16歳にしてこんなにもシブい大人の歌作ったのか!? 老成しすぎてるぜ。


YouTube: Jackson Browne - These Days

このカヴァー曲集は、ぼくの知らない人の知らない曲のカヴァーがほとんどなのだが、2曲目はニール・ヤングの「Birds」だった。こちらも、本家がピアノで弾き語りしている映像があった。


YouTube: NEIL YOUNG / BIRDS (Live)

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