伊那のパパズ番外勝負(中沢小学校親子文庫)7月13日
■先月の7月13日(水)の夜、駒ヶ根市中沢小学校の親子文庫のみなさんに呼ばれて、絵本と児童書、そして福島の話をさせてもらってきた。中沢小学校には、伊那養護学校駒ヶ根分校が併設されていて、パパズのメンバーである伊東先生が赴任しているのだった。その縁で昨年に続いて再び呼んでもらえたのだ。
当日は、伊東先生はもちろん、親子文庫所属のお父さんお母さん方(中沢小学校では、何故か父親の絵本の読み手が何人もいるのだ!凄いね)に加えて、図書館司書の先生、それにPTA会長さん、校長先生まで待っていてくださった。有り難いじゃありませんか。
・まずは、伊東先生と二人で代わり番こに絵本を読む。
1)『でんしゃはうたう』三宮麻由子・作(福音館書店) →伊東
2)『ひまわり』 和歌山静子・作画(福音館書店) →北原
3)『かあちゃんのせんたくキック』(文化出版局) →伊東
4)『ぜつぼうの濁点』原田宗典・作(教育画劇) →北原
・つづいて、ぼくがパワーポイントを使って絵本『やこうれっしゃ』西村繁男(福音館書店)を解説。この絵本のパスティーシュである『がたごとがたごと』内田麟太郎・作、西村繁男・画(童心社)さらにその続編『おばけでんしゃ』も紹介した。
「字のない絵本」を、子供たちとどう読み合えばいいのか? そういう話をしてみたかったのだ。
・そうして、おもむろに僕がとりだした絵本が『アライバル』ショーン・タン(河出書房新社)だった。この厚いモノクロの絵本には「文字」が全く載っていない。でも読者には、それぞれの個人的な思いに触発されながら、同じ絵を見ながらも微妙に別々のストーリーが浮かび上がってくるような仕掛けがしてある絵本なのだ。
ぼく自身がこの絵本を購入したのは2月のうちだったが、その後何度も目を通すうちに、この絵本は福島県に長年暮らしてきて、ある日突然故郷を強制的に退去させられ、しかもたぶん一生、わが家にには帰ることができない人たちのことを思った。
どうか、どうか、この絵本の主人公家族のように新天地で新たな幸せな暮らしができますように。そう祈るしかない。
・つぎに紹介したのはマンガだ。『月刊フラワーズ8月号』(小学館)に載った、萩尾望都『なのはな』のこと。それから、『小説新潮5月号』に載った、綾瀬まる『川と星』のはなしに移った。(つづく)
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