絵本 Feed

2010年3月 8日 (月)

伊那のパパズ(番外編)「ながのこどもの城」

■先週土曜日(3月6日)は、12時で外来を終わりにして雨の中高速道路を飛ばし一路長野へ。「ながのこどもの城」主催のイベント『楽しく子育て』で絵本を読んでほしいと頼まれていたからだ。


今回はパパズの他のメンバーは都合がつかず、ぼく一人のソロ公演。


イベントの第一部は、大日向雅美先生の講演会「本当にほしい子育て支援ってなあに?」
第二部は、女性コーラスグループ「ヴィ・ヴォーチェ」のコンサートが 30分。
ぼくはその後の 15:10 から登場して 15:50 まで絵本を読むという手はず。

遅刻したら大変だから、午前中診療しながら気が気じゃなかった。
やっぱり土曜日の午後に講演依頼を請けるのは無理だな。

それでも、受付スタッフの努力で正午ちょうどに最後の患者さんを診終わり、
午後2時過ぎには無事会場の長野市若里市民文化ホールに到着することができた。
やれやれ。

■大日向先生の講演は、終盤しか聴けなかったが、説得力のある素晴らしいお話だった。
続く「ヴィ・ヴォーチェ」は、総勢20名近くの本格的な女性合唱団で、こころ洗われるような澄んだ清らかな歌声だった。高尚な余韻を会場に残して終了。


その後に登場したのが、このぼく。
会場は700人収容の大きなホールで、最初から僕の力不足は見え見え。
ただ、幸い聴衆が100余名と少なめだったので、なんとか引き込めたか。


1)「あわあわ手洗いのうた」 花王ビオレU より
2)『うんこ』 サトシン・文、西村敏雄・絵(文溪堂)
3)『おおきい ちいさい』 元永貞正さく(こどものとも012 / 福音館書店)
4)『これがほんとの大きさ!』 S・ジェンキンズ(評論社)

【以下・プロジェクター使用】

5)『だじゃれしょくぶつえん』中川ひろたか・文、高畠純・絵(絵本館)
6)『かあさんになったあーちゃん』 ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社)
7)『やこうれっしゃ』 西村繁男さく(福音館書店)
8)『おどります』 高畠純・作絵(絵本館)


それにしてもなぁ、心洗われる女性コーラスのあとに『うんこ』か。
でも、最初から決めてあったからな、それでいいのだ。


ほんとは、『うんこ』をやるなら、
『おしっこ』谷川俊太郎・作詞、小室等・作曲
も歌おうと思って練習していったのだが、時間オーバーで断念した。
ま、歌わなくてよかったか。


舞台裏のスタッフとして、保育士を目指している男子学生さんたち5人が
手伝ってくれたのだが、ぼくが持って行った絵本にすごく興味を持ってくれたみたいで
うれしかったな。がんばってね。


2010年2月25日 (木)

伊那のパパズ(その65)上伊那郡飯島町・子育てサークル

■2月21日(日)は、午前10時半から「飯島町成人大学センター」で「伊那のパパズ絵本ライヴ(その65)」。

忙しい伊那のパパたちが、珍しく5人フルメンバーでそろった。
おぉ、気が付いたら「嵐」と同じ構成だったのだね。誰がリーダー(大野くん)なんだ?

呼んでくれたのは、上伊那郡飯島町の子育て支援サークルのおかあさん方。
ほんと、ありがとうございました。
おとな、こども合わせて90人近く集まってくれたよ。
うれしいなぁ。


3歳児未満の小さな子が多かったかな。


【本日のメニュー】


1)『はじめまして』
2)『またまたぶたのたね』 佐々木マキ(絵本館) → 伊東
3)『もけらもけら』 山下洋輔・元永貞正(福音館書店) → 北原
4)『タンゲくん』 片山健・作絵(福音館書店) → 坂本


5)『かごからとびだした』(アリス館)


6)『うんこ』 サトシン・文、西村敏雄・絵(文溪堂) → 宮脇
7)『じごくのそうべえ』(童心社) → 倉科

8)『ふうせん』(アリス館)
9)『世界中のこどもたちが』(講談社)


忙しい伊那のパパたちは、絵本ライヴが終わってすぐに解散。
倉科パパは、勤福体育館で開催されていた「親子フットサル大会」へ。
見事優勝を果たしたとのメールが、その日の夜に来ました。


 


2010年2月 7日 (日)

『ちいさなまち』ふじたしんさく(そうえん社)

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■藤田新策さんの表紙イラストを初めて見たのは、たぶん『火車』宮部みゆき(双葉社)だったと思う。

その次は、スティーヴン・キングの『ペット・セマタリー』(文春文庫)かな。いや、逆だったかも?
ねっとりと緻密な筆でもって、黄昏どきの薄暗い風景が描かれると、イラストには描かれていないはずの「もののけ」が確かに「そこ」にいるかのように感じられるから不思議だ。


以来、本屋さんで見覚えのある表紙イラストの本を見つけると、「おっ!」と手に取ったものだ。


■その大好きな藤田さんが、はじめて絵本を描いた。

それがこの、『ちいさなまち』ふじたしんさく(そうえん社)だ。


これがいい。じつにいい。


水辺の街が舞台だから、画面の下 2/3 を水面が占める。
その水面に、さまざまな波紋が広がる。
実際に水面が動いているかのようだ。


そして、はっとするページがある。
風がやんで、波紋も消え、鏡のように静まりかえった水面に
色とりどりの落ち葉が浮かんでいる場面。
なんという美しさ!


雨が降り出すシーンもいい。
静止画なのに、まるでアニメーションのように動いて見えるのだから
ほんとうに不思議だ。


ストーリー自体も、ちょっとしたミステリーになっているので、
おたのしみに。


「作者自身のブログ」で、絵本制作の裏話が語られているので、こちらも要注目。

2010年1月 6日 (水)

『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』高野文子・作絵(こどものとも年少版2月号)

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■これは以前にも書いたことがあるが、当時、陸奥A子とか読んで喜んでいたぼくに、一条さゆりや倉多江美、それから、清原なつののことを教えてくれたのは、林竜介くんだった。そうして、椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』と、高野文子『絶対安全剃刀』を、「おい北原、これ面白れぇぜ!」って薦めてくれたのが、山登敬之くんだったのだ。

あの頃、男子大学生の癖して月刊誌『りぼん』を定期購読していたぼくも、高野文子の漫画は見たことがなかったし、名前もぜんぜん知らなかった。だから、『絶対安全剃刀』を手にした時は本当にビックリしたな。「田辺のつる」とか、あと「玄関」。この人は絵が上手い! それに、小津安二郎の映画でも見ているようなローアングルの構図やカット割り。光と影の使い方も映画の「それ」だ。当時ぼくは全学の映画研究会に一応属していたからね、幽霊部員ではあったけど、映画にはうるさい。だから余計にたまげたのだ。この人すげ〜!

彼女が現役の看護婦さんだと知って、なおさら驚いたものだ。あれから30年経つが、高野文子さんの絵を見ると直ちに反応する体質は変わらない。北村薫のデビュー作も、表紙イラストが高野文子だと分かったから買った。すごく面白かった。結果大正解だったな。

そうは言っても、まさか福音館書店の月刊「こどものとも年少版」で、高野文子さんの新作が読めるとは思いもよらなかった。じつは、月刊「こどものとも年少版1月号」『いしゃがよい』さくらせかい(福音館書店)を買った時に、次号予告として『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』高野文子・作絵(こどものとも年少版2月号)が載っていたから、ビックリしたのだよ。

■ところで、『いしゃがよい』さくらせかい(こどものとも年少版1月号・福音館書店)は傑作だ。ぼくは凄く好き! 何回か声に出してテキストを読んでたら、ふと、劇団「自由劇場」の看板女優、吉田日出子の笑顔と声が思い浮かんだ。エンさんは体の弱いファンファンを自転車に乗せて医者がよい。エンさんは歌います。



このこだれのこ パンダのこ

やまのふもとで ないてたこ

エンファン エンファン

ふたりは とってもなかよしよ


『上海バンスキング』の舞台を思い浮かべながら、ヒロイン吉田日出子の気持ちになって『いしゃがよい』を歌うように読むと、なんかすっごく「しんみり」するのでした。こども向きというよりも、母親が読んで「じーん」とくる絵本ではあるな。

■蛇足ではあるけれど、高野文子さんが絵本を出したのは、「この本」がはじめてではありません。フェリシモからでたアンデルセンの絵本『火打ち箱』があるのです。この本で彼女は「絵」を描いているのではない。鋏を持って紙を切り刻み、ペーパー・クラフトに挑戦しているのだ。その潔さといったら! すっごいぜ!! これは傑作。

■ただ、『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』はかがくいひろし『まくらのせんにん さんぽみちの巻』の主人公たちと「キャラがかぶる」な。でも、そんなことぜんぜん危惧する必要はなかった。さすが高野文子。これはいい! シンプルな構図、シックな色使い。今までにない不思議な雰囲気の絵本なのだ。

「入眠導入絵本」には傑作本が多い。例えば、マーガレット・ワイズ・ブラウンの『おやすみなさいお月さま』。こどもたちは眠る前の儀式が必要なのだよ、入眠儀式が。そのための絵本。しかも、徹底して「和式」なのがいいな。ベッドじゃなくて、畳に敷き布団。


しきぶとんさん しきぶとんさん
あさまで ひとつ おたのみします

どうぞ わたしの おしっこが
よなかに でたがりませんように

まかせろ まかせろ おれに まかせろ

もしも おまえの おしっこが
よなかに さわぎそうに なったらば

まてまてまてよ あさまで まてよと
おれが なだめておいてやる


「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」が繰り返されるのだが、これが気持ちいいのだ。なんかすごく安心する。きっと子供たちも「ぬくぬく」と暖まって、朝までぐっすり眠れるに違いない。

2009年12月20日 (日)

パパズ絵本ライヴ(その61)諏訪市親子文庫(諏訪市図書館)

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■今日は、午前11時から諏訪市立図書館2F視聴覚室にて「伊那のパパズ、絵本ライヴ」。主催は諏訪市親子文庫のみなさん。お世話になりました。ありがとうございました。今回は恒例の「クリスマス・スペシャル・コスチューム」での登場。しかし、4年越しの「サンタの衣装」は、あちこちほころびている。穴も開きそうだ。写真は、赤鼻のトナカイの衣装を着た倉科パパ。他のメンバー4人が「サンタの衣装」。写真はなしでしたが、諏訪市図書館司書の茅野さんが写真を送ってくれましたよ。

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<本日の出しもの>

1)『はじめまして』
2)『ぼくのかわいくないいもうと』 → 伊東
3)『クリスマスのふしぎなはこ』 → 北原


4)『もりもりくまさん』長野ヒデ子・作、スズキ・コージ絵(すずき出版)
5)『かごからとびだした』(アリス館)


6)『むかしむかしとらとねこは』 大島英太郎・作(福音館書店) → 坂本
7)『まくらのせんにん さんぽみちの巻』 かがくいひろし( 佼成出版社) → 宮脇


8)『いろいろおんせん』 増田裕子・作、長谷川義史・絵
9)『ねこのおいしゃさん』 増田裕子・作、あべ弘士・絵


10) 『クリスマスにはおひげがいっぱい!?』
→ 倉科

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11) 『ふうせん』(アリス館)
12) 『世界じゅうのこどもたちが』(講談社)

2009年12月16日 (水)

伊那保育園で、内科健診のあと絵本を読む

今日の水曜日は、午後2時から「伊那保育園」で秋の内科健診。ずっと忙しかったから、この時期になってしまったのだ。全員で30人くらいの小さな保育園なので、健診は30分弱で終了。もう一度年長さんと年中さんに遊戯室へ集まってもらって絵本を読む。



1)『どうぶつサーカスはじまるよ』西村俊雄・作(福音館書店)
2)『これがほんとの大きさ!』S・ジェンキンズ作(評論社)
3)『もりのなか』マリー・ホール・エッツ作(福音館書店)
4)『子うさぎましろのお話』佐々木たづ・文、三好碩也・絵(ポプラ社)


5月に来た時も思ったけれど、ここの園児たちはすっごく反応がいい。これはどこで読んでもそうなのだが、『これがほんとの大きさ!』を広げると子供たちは次第に興奮してきて立ち上がり、絵本の周りに群がってしまい収集がつかなくなってしまう。今回もそう。でも、次の『もりのなか』を読み始めると、絵本の雰囲気そのままに「し〜ん」と静かに落ち着いて、絵本の中へ自然と入り込んでいったのには驚いた。本に力があるんだね。

クリスマスの絵本は、本当は『クリスマスの ふしぎな はこ』長谷川摂子・作(福音館書店)を読もうと思っていたのだが、昨年でたハードカバーも、「こどものとも年少版」で当初出た月刊版も両方持っているのに、なぜか探しても見つからない。仕方なく結局また『子うさぎましろのお話』を読む。

絵が線が細くて色合いも淡く目立たないので、こういう集団の場での「読み聞かせ」には向かない絵本だ。しかも文章は長い。お話がなかなか終わらないのだ。だから、年中さんには集中力を維持するのが大変だったかもしれないな。でも、みんな一生懸命集中して聞いてくれたよ。ありがたかったな。

ただ、ちょうど物語の中盤、子ウサギ「ましろ」が別人に変身するために付けた「黒ずみ」が、払っても叩いてもぜんぜん落ちなくて泣いてしまう一番いいシーンで、ぼくの携帯が鳴った。いや、マナーモードになっていたので、振動しただけだったけど、ぼくは焦った。ここで絵本を読むのを中断したら、すべてがぶち壊しだ。だから当然ぼくは無視した。しかし、20回以上鳴り続けたな。後で確認したら、医師会の事務長さんからの電話だった。すぐに出なくてごめんなさい。こちらにも事情があったのですよ。


2009年12月15日 (火)

パパズ絵本ライヴ(その60)美篶小学校親子文庫

■12月13日(日)午前10時〜 「美篶きらめき館」で、美篶小学校親子文庫主催の「伊那のパパズ絵本ライヴ」。ぼくは、新型インフルエンザ・ワクチン接種のため欠席。倉科さんが、メールで当日の様子を報告してくれた。前回の訪問は昨年の10月26日で約一年ぶり。今回も大盛況だったようだ。よかったよかった。


「はじめまして」
「コッケモーモー」ジュリエット・ダラス=コンテ作 (伊東)
「どうぶつサーカスはじまるよ」西村俊雄・作 (坂本)

「いろいろおんせん」増田裕子・作、長谷川義史・絵
「カゴからとびだした」

「まくらのせんにん」かがくいひろし・作 (宮脇)
「ねこのおいしゃさん」増田裕子・作、あべ弘士・絵
「メリークリスマスおおかみさん」宮西達也・作 (倉科)

「ふうせん」
「世界中のこどもたちが」

こんな感じです。
僕はわからなかったのですが、伊東先生が言うには、
リピーターなのか、楽器持参の方がいたそうです。
最後に、ピンクのおもちゃのタンバリンを子どもに渡してたそうですが・・・
初めてですよねぇ。
ありがたいことです・・・。


■YouTube に、スティングの「最新スタジオ・ライヴ」を発見。例の「soul cake」を演奏しているぞ。でも、いろんなテレビ番組(イタリアのテレビとか)に営業で出まくってるんだね。



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