2013年9月18日 (水)

『あまちゃん』の夏が終わろうとしている。

■大阪のFMラジオ「FM80.2 BINTAN GARDEN あまちゃん特番」前編・後編で放送された、宮藤官九郎ロング・インタビューが聴き所満載で、ちょっと驚く。クドカン、よく喋るなぁ。YouTube にアップされた前編、後編それぞれの後半30分が宮藤官九郎のインタビューに割かれている。

 

なお、前編では「ピエール瀧」が、後編では「マキタスポーツ」が、出演者としてコメントしていて、これまたなかなかに面白い。

あまちゃん 特番 FM80.2 BINTAN GARDEN 前編 あまちゃんナイト~おら、このままじゃ終われねぇ!じぇじぇじぇギョギョギョな1時間!
YouTube: あまちゃん 特番 FM80.2 BINTAN GARDEN 前編 あまちゃんナイト~おら、このままじゃ終われねぇ!じぇじぇじぇギョギョギョな1時間!

あまちゃん 特番 FM80.2 BINTAN GARDEN 後編 あまちゃんナイト~おら、このままじゃ終われねぇ!じぇじぇじぇギョギョギョな1時間!
YouTube: あまちゃん 特番 FM80.2 BINTAN GARDEN 後編 あまちゃんナイト~おら、このままじゃ終われねぇ!じぇじぇじぇギョギョギョな1時間!

■『TV Bros. / 9.14〜9.27』の、「あまちゃん」総力特集! の力の入り方が尋常じゃない。読みどころ満載だ。

 

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見開き4ページに渡って載っている、大友良英&細馬宏通・対談【音楽から考える「あまちゃん」と、「あまちゃん」から考える音楽。】が、何と言っても一番の注目記事だが、こちらの「オリジナル音源」を「大友良英 JAMJAMラジオ」で聴くことができる。

 

細馬宏通さんのブログで、少し前に書かれていたことに、『TV Bros.』に載った、井上剛チーフディレクター・インタビューの後半に出てくる、1シーン撮るのにカメラ5台を同時に回して、さらにカメラ・ポジションを変えて同じシーンを撮るという話。

 

今週火曜日の「腹黒ユイちゃん完全復活のシーン」は、なるほどそうやって撮ってるからテンポよく、ビビッドに視聴者に伝わるんだ! と、しみじみ思った。

 

それにしても、この回の「あまちゃん」はよかったなぁ。本放送4回(BSで2回、地上波で2回)と、録画で2回(息子たちといっしょに)見た。そうそう、ここ。ここがよかったなぁ。ストーブさんと勉さんが、じつにいい仕事をしている。

 

「やりたいよ!……やんないよ!でもやんないよ」「やりなよ」「やればいいのに」「やんないよ」「やれよ!」「やるよ!」「やったーーー!」

2013年9月15日 (日)

『夢幻諸島から』クリストファー・プリースト(早川書房)

 

■イギリスのSF作家、クリストファー・プリーストの新作『夢幻諸島から』古沢嘉通=訳(早川書房)を読了した。8月24日から読み始めて、少しずつ、ゆっくりと味わいながら読んだ。じわじわと来る独特の面白さ。堪能したなぁ。

 

『限りなき夏』の中から、後半の「ドリーム・アーキペラゴ」のシリーズも再読。(以下、ツイートから)

 

■クリストファー・プリーストの新作『夢幻諸島から』古沢嘉通・訳(早川書房)を読んでいる。今はまだ、52ページだ。でも、何かもう堪らなくなって、『限りなき夏』クリストファー・プリースト(国書刊行会)の p179から始まる『火葬』をまた読み始めたところ。いろいろ想い出してきて気分悪いぞ。

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■クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』(早川書房)を漸く読み終わった。なんか、くらくらする。時間がかかったのは、少しずつゆっくり読んでたことと、途中で『限りなき夏』(国書刊行会)から「赤道の時」「火葬」「奇跡の石塚」「ディスチャージ」も再読していたため。

 

■■こちらは、「牧眞司氏の紹介文」。ネタバレなしで、これだけ詳しく内容紹介ができるとは、さすがだなあ。ぼくにはとても無理。

 

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 ■続き)『夢幻諸島から』の読み方として、ぼくがオススメしたいことは、個人名が出てきたらメモ用紙に書き出して、そのページを記載していくこと。人によっては7〜8つの話に登場するので、後半に行くに従って「このメモ」が便利に使える。

 

■続き)「この本」ほど、他の人の読後感想・解説が気になる本はないんじゃないか? 早速いま検索している訳だけれど、「この方」の解説が、なるほどスルドイと思う。

 

■■■ この本は、ドリーム・アーキペラゴ(夢幻諸島)の点在する島々と島の住民に関する「ガイドブック」であるから当然なのだが、読み終わって確かに、すっごく行ってみたくなった。旅してみたくなったのだ。

フェリーに乗って島めぐりをしながら、美術館でドリッド・バーサーストの代表的な絵画を見て廻ったり、「トンネルくぐり」も是非体験したい。ちょっと怖いけれど、シーヴル島に立つ「黒い塔」も見てみたいな。

不思議だな。時空がひん曲がった変な世界を舞台とした幻想小説なのに、妙にリアリティがあるんだよ。スライムが潜む、赤道直下のジャングル。極地に近いフィヨルドの暗く寒々とした風景。

 

■当初、以前に読んだ『限りなき夏』の中の「アーキペラゴ・シリーズ」も、この『夢幻諸島から』に収録されているものと勘違いしていた。でも違った。ただ、『限りなき夏』の「火葬」は、p41「ジェイム・オーブラック」の後日談だし、「赤道の時」は「リーヴァー」(p311)と並置できる話だ。あと、「奇跡の石塚(ケルン)」も「死せる塔/ガラス」(p316)の後日談で、トームの兄夫婦の子供が主人公の話だ。

それぞれの島の紹介の最後には必ず「脱走兵保護法」の適用の有無が載っているが、なぜ脱走兵が重要かと言うと、それは『限りなき夏』のラストに収録された「ディスチャージ」を読めば分かるようにできている。

 

という訳で、『夢幻諸島から』を読んで気に入った人は、『限りなき夏』も是非読むべきだと思うぞ。

 

 

■■ぼくは、プリーストの『魔法』をハードカバーで読んでビックリ仰天した時からのファンなのだが、『逆転世界』とか『魔法』とか『奇術師』みたいに、最後で「あっ!」と驚く展開をこの小説『夢幻諸島から』に期待すると、肩すかしを食らうことになります。そこは注意点ですかね。

変な話、大事なネタは最初の「序文」で全て明かされているのだ。読み始めの時には「何をワケ分からん、まどろっこしい奥歯に物が挟まったような表現しかしないんだろう?」って思ったのだけれど、いやいや、読了後にもう一度最初の「序文」を読んでみると、「なるほどそのとおり!」と納得してしまうのだから奇妙なものだ。

 

よく、プリーストのことを「語り/騙り」の作家と言うが、ぼくは「この本」に載っている「36個の話」それぞれ一つ一つは、書いた人にとっては嘘偽りのない紛れのない真実が書かれていると思った。

だって、われわれが住む「この現実世界」だって、人それぞれ感じている世界観はぜんぜん違うし(毎日ツイッターのタイムラインを眺めていると、つくづくそう思う)人間同士の関係性だって、お互いに感じていることは違う。そういうものだ。ちょうど、黒澤明の映画『羅生門』と同じで、結局は何が真実かなんてどうでもよくなってしまうのだな。

 

そんなようなことを、読み終わってしみじみと考えています。(おわり)

2013年8月30日 (金)

映画『八月の濡れた砂』藤田敏八監督作品(日活1971年)

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■夏の終わりが近づくと、見たくなる映画が2本ある。1本は、フランス映画『冒険者たち』。それから、もう1本がこの『八月の濡れた砂』だ。

そのことに関しては、ずいぶん前に書いた。「2007/08/31 の日記」

ここには、高校生になってから、新宿「蠍座」で見たと書いてあるけれど、よくよく考えてみたら、中学3年生の夏休み、「中央ゼミナール」の高校受験夏期講習に西小山の兄貴のマンションから高円寺まで数日間通った記憶があって、確かその時に新宿で見たんじゃないか。

ずいぶんとマセた中坊だった訳だ。


いや、待てよ。蠍座が閉館したのは、1974年の大晦日だ。ということは、高校1年生の夏休みに上京して見た可能性もありだな。親には夏期講習を口実にして、渋谷「全線座」とか、新宿「蠍座」とか、大塚「鈴本キネマ」とか見て歩いたんじゃなかったっけ? あぁ、よく憶えていないんだなこれが。


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■例の「シングル盤」も見つかった。名曲だね!


今週は、BS「日本映画専門チャンネル」で『八月の濡れた砂』をやっているんだ。鮮烈な青春映画の傑作。

2013年8月28日 (水)

『牛乳の作法』宮沢章夫(筑摩書房)を読んでいる

■数年前に、ようやくファンになった「宮沢章夫氏のエッセイ」。でも、主な作品は、もう大方読んでしまった。仕方ないので、『牛への道』を繰り返し読んでいる。で、そのたびに大笑いだ。「笑いのポイント」を憶えていないから、何度でも楽しめるのだ。これは、宮沢氏の稀有な才能だと思う。


■宮沢さんの本職は、演劇の演出家&脚本家だ。正直に告白すると、僕は遅れてきたファンなので、宮沢さんの「芝居」を1本も観たことがない。ごめんなさい。それは、平田オリザ「青年団」の芝居を(想田監督の映画以外では)1本も観てないことと同じ後ろめたさを感じる。


■先日、伊那の「ブックオフ」で『牛乳の作法』宮沢章夫(筑摩書房)が美本なのに 100円売られているのを見つけて入手した。ラッキーだった。早速トイレに置いて、毎日少しずつ読み進めている。


まず有権者に訴えたいのは……。あっ、『マツコ有吉の怒り新党』を見ながら書いているからね。ごめんなさい。


『牛乳の作法』での宮沢氏は、とことん真面目だ。決して脱力していない。こういう宮沢さんも好きだ。ふだんのツイートそのままの雰囲気じゃないか。


読んでいて「これは!」と思った部分を以下にいくつか抜粋してみます。


 「ゆっくりと立ちあらわれる野蛮な力 太田省吾」(p54)


 太田さんの前に出ると私は言葉を失うのだが、それはべつに、太田さんの背が高くて上から見下されるからではなく、なにか口にすればその嘘を見抜かれるように感じるかれで、できるだけ近寄らないようにし、もし偶然でも会ってしまったら沈黙したまま逃げることばかり考えてしまう。

 いつも作品に圧倒される。『水の駅』を見たあの瞬間と同様のものだ。いまでも私はあの一瞬を畏怖している。あれはなんだっただろう。「畏怖」がなんであったのか考えることは、つまり、「美しい」という言葉をいまどうとらえるかを意味する。(中略)


 かつて私は、『水の駅』について次のように書いた。

「客席を闇が支配していく。少女はゆっくり歩む。それは、『2mを5分で歩くほど』の速度だ。舞台の中央には栓の壊れた水道が糸のように細く水を流し続けていた。水の音とゆったりした時間のなかを、少女は水道へと進む。どれほど時間が経過したかわからない。時間の感覚も麻痺してゆく。

水道にただりついた彼女は水を飲もうと欲したのだろう、持っていたバスケットからコップを取り出す。そして、糸のように流れる水にそのコップを差し出した。水の音が消えた。サティの『ジムノペティ』がすうっと、少女と水道をめぐるあたりの空間を包んだ。


私にはこの瞬間が、この数年間に観たどんな舞台のなかでも、もっとも美しい瞬間だと感じられた。」(『牛乳の作法』p54〜55)


という文章は、ぼくがここ最近読んだ数々の文章のなかでも、最も「美しい」輝きを放つ文章だと思う。


と言うのも、宮沢氏より少し遅れて、ぼくもまた、転形劇場の『水の駅』をナマで観て、同じ場面で圧倒されたからだ。


■もう少し宮沢氏の文章を抜粋しようかと思ったのだが、気になった文章のタイトルを以下に挙げます。どれも興味の尽きない深い思索に溢れている。


 「死刑囚は短歌を作る」
 「荒木一郎」
 「銃を持つ身体」
 「新宿のサウナで中上健次を見る」
 「六本木WAVEが消えた」

2013年8月25日 (日)

ドン・ロス 2013年ジャパン・ツアー at the 高遠福祉センター

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■今夜の高遠福祉センター「やますそ」での「ドン・ロス with 亀工房」本当に素晴らしかった。聴きに行ってよかった。最近ギターを始めて、押尾コータローや斉藤和義が大好きな中3の息子と妻との3人で聴いた。チラシを見た息子は、ハリー・ポッターのハグリットみたいだねと言った。実際でかい。


■最初に登場した「亀工房」。オープニングは「ジャーニー」だった。大好きなんなんだ、この曲。何故か前澤さんのギター・イントロが始まっただけで涙が出て来てしまうのだ。いつもそう。いい曲だなぁ。続いてアイルランド民謡3曲。曲名は不明。その次は『コーヒー・ルンバ』で『しゃぼんだま』。


続いて『ウイズ・ユー』。この曲も好き。CDは持っているからね。ラストは『ショー・マスト・ゴー・オン』。亀工房という、知る人ぞ知る、トラディショナル〜ルーツ・ミュージックのネオ・アコースティック・ユニットが、高遠を拠点としていることを、本当に誇りに思う

ぞ!


■さて、登場したドン・ロスは本当にデカかった。まさに、髪を切ったハグリットだ。抱えたギターが小さく見えた。演者との距離が10m未満だったからね。最初の曲は知らない曲だった。でもイイ曲だ。2曲目はボーカル入り。新曲だったので、カポし忘れてやり直し。でも、ドン・ロスほんといい声。

ぼくが知ってる曲もやってくれたよ。「Dracula and Friend part 1」とか「Michael, Michael, Michael,」とか。

あと2004年にドン・ロスが来日した際、再婚した美人で金髪の奥さんを同伴したのだが、彼女のことを曲にしたのが、

「Brooke's walz」で、この曲は実は、高遠の前澤さん家にドン・ロスと彼女が泊まった時にできた曲なのだそうだ。CDも持っているが、この曲はほんと

しみじみ良い曲だと思うぞ。



中3の息子に感想を訊いたら「無言」だった。想像以上にショックを受けたようだ。目の前で、世界最高峰のアコギ奏者を見ることができたのだからな。そりゃ、そうだろう。うらやましいぞ!

だって、僕が生まれて初めて「外タレ」のコンサートに行ったのは、大学生
になってからだった。しかも、冬の青森。弘前市民会館で「マービン・ピーターソン・カルテット」を旅の途中で見たのが初めてだ。国内では、中1の時に長野市民会館で、加川良&中川イサトを見たのが最初。次が「赤い鳥」伊那市民会館だったな。

2013年8月22日 (木)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その99)伊那市図書館

■このあいだの日曜日の午後、伊那市図書館でやった「伊那のパパズ絵本ライヴ」(その 99 回目)。


暑さのせいでボーッとしてたのか、宮脇さんが読んだ絵本が何だったのか、どうしても思い出せず、ブログを更新できずにいたのだが、ついさっき思い出した。あぶないあぶない。年のせいか? 大丈夫か?



<伊那のパパズ絵本ライヴ(その99)伊那市図書館:平成25年8月18日>


1)『はじめまして』新沢としひこ(ひさかたチャイルド)

2)『へんなかお』大森裕子(白泉社) →伊東
3)『でんしゃはうたう』三宮麻由子・みねおみつ(福音館書店)→伊東
4)『おどります』高畠純(絵本館) →北原
5)『かとりせんこう』田島征三(福音館書店) →坂本

6)『かごからとびだした』(アリス館)

7)『あつさのせい』スズキコージ(福音館書店) →宮脇
8)『ぞうのみずあそび』いとうひろし(絵本館) →倉科

9)『ふうせん』(アリス館)
10)  『世界中のこどもたちが』新沢としひこ(ポプラ社)


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■うちのクリニックの「中待合本棚」をチェックしたら、なんと! どんぴしゃで、『ぞうのみずあそび』と『あつさのせい』が展示されていた。うちの看護師、熊谷さんの選書。いつもスルドイ!

2013年8月17日 (土)

映画『パシフィック・リム』には、ほんと興奮したぜ! 傑作だ

■8月16日のツイートから。


岡谷スカラ座で、話題の『パシフィック・リム』を観てきた。2D字幕版。夫婦割引で、1000円。でも妻は、次男といっしょに『モンスターズ・ユニバーシティ』の方を見た。それでもOKなんだって。いやぁ、往年の東宝怪獣映画好きには堪らない映画だ。とにかくデカい。無駄にでかい。怪獣も人型ロボットもね。


格納庫のシーンが好きだ。メカゴジラと鉄人28号を思い出した。あと、人型巨大ロボット「イェーガー」を、基地から目的地へ移動させる手段が懐かしい。『怪獣大戦争』か? それから、映画を見ながら不思議な既視感をずっと感じていたのだけれど、あ、そうか!『かめくん』北野勇作(河出文庫)と設定がいっしょなんだ。

あと、音楽がめちゃくちゃイイ!


『パシフィック・リム』どうして菊地凛子がヒロインに選ばれたのか? ぼくには判る。デル・トロ監督が『怪獣大戦争』本多猪四郎監督作品(東宝 1965)をリスペクトしているからだ。X星人役の水野久美。このコスチューム・髪型を見よ。

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■『パシフィック・リム』の感想を読んでいると、「エヴァ」とか「ガンダム」とか「マジンガーZ」とか、みんな言ってるが、そうじゃないだろう!
「東宝怪獣映画」がベースさ。


映画館のスクリーンで『怪獣大戦争』や『南海の大決闘』、『フランケンシュタイン 対 地底怪獣』、『ゴジラ対モスラ』をリアルタイムで見たことがあるか?


俺はあるぞ。「フランケンシュタイン」の映画では、冒頭のUボートの場面で、手首から先だけが床を這うシーンが怖ろしくて、しばらく毎夜うなされたものだ。


『ゴジラ対モスラ』は、今は中華料理店「萬月」の駐車場になっている所にかつてあった高遠の映画館で見た。当時、50円で見れた。小学生はね。日曜日の朝、子供会で町内の清掃が終わると、皆で50円玉(昔の大きいヤツ)握って、朝一番の回を見に行ったのだ。


そして『怪獣大戦争』は、兄貴に連れて行ってもらって、伊那旭座で見た。確か、この時が初めてだった。いまも「そのまま」の伊那旭座。当時ぼくは小学1年生。でも、この映画の中で一番印象に残っているのは、ゴジラでもキングギドラでもなく「水野久美」なのだった。

『南海の大決闘』は、ソノシートも買って、何度も何度も聴いた。この映画にも水野久美が出ていた。『マタンゴ』は見たことなかったが、最近「日本映画専門チャンネル」で放送されたのを見た。


そうだった。東宝怪獣映画といえば、なんてったって「水野久美」なのだ。

2013年8月12日 (月)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その98)中川村図書館

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■2週間も更新するのをサボってしまった。ごめんなさい。だって、暑いんだもの……

■7月28日(日)は、午前10時半から上伊那郡中川村の図書館で「伊那のパパズ絵本ライヴ」この日も朝から暑かったなぁ。ホールでは「大正琴」の発表会があるみたいで、1階はオバチャンたちでいっぱい。子供はいない。


この日は、他にも村のイヴェントが目白押しで、子供らはどうも「そっち」へ行ってしまったようだ。まあ、ぼくらは「売れないお笑い芸人の地方営業」じゃないので、いつでもどこでも、決して手を抜くことなく一生懸命に絵本を読んで、歌を歌って、踊ります。


最前列で笑顔を見せてくれる子供たちの笑い声が「モンスターズ・インク」と同じ、われわれのエネルギー源なのです。


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  <本日のメニュー>

■この日は、中川村図書館の館長さんから「平和に関する絵本」を読んで欲しいというリクエストがあったのだ。8月は「戦争と平和」を親子で考える月間だからね。

でも、伊東パパと僕は、そんなの全く無視して絵本を選んだ。
ごめんなさい。


 1)『はじめまして』新沢としひこ(ひさかたチャイルド)
 2)『かあちゃんのせんたくキック』 (文化出版局)→伊東
 3)『ゆかいなさんぽ』(福音館書店)→北原


正直言って、ぼくなんか「じぇじぇっ!」って、ただただ読みたいがために「この絵本」を選んだのだ。ごめんなさい。


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 4)『もっとおおきなたいほうを』二見正直(福音館書店)→坂本
 5)『かごからとびだした』(アリス館)


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 6)『おばけむら』南部和也・田島征三(教育画劇)→宮脇
 7)『8月6日のこと』中川ひろたか・長谷川義史(河出書房新社)→倉科

 8)『ふうせん』(アリス館)
 9)『世界じゅうのこどもたちが』(ポプラ社)



<本日のおまけ>

■福音館書店のメルマガ「あのねメール通信」6月19日号に、写真入りで「ぐりとぐら」に関するエッセイを書かせていただきました。

編集者さんから2回も「ダメ出し」が出たので、「もう載せてもらわなくていいです」と言ったのだけれど、編集者さんがうまいこと原稿をまとめてくれました。ありがとうございます。



2013年7月28日 (日)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その97)市立岡谷図書館

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■7月21日(日)は、市立岡谷図書館にて「伊那のパパズ絵本ライブ」

ぼくが窓口になってオファーを請け負った会だったのだが、なんと! 当日は「当番医」に当たっていることに、6月9日になって初めて気づいたという衆多落。「ごめんなさい、これから当番医の日程を変更してもらうことは不可能です。誠に申し訳ないのだけれど、ぼく抜きで行ってきて下さい」そう、お願いしたのでした。

当日は、このところメチャクチャ忙しい伊東パパも欠席となり、結局、倉科・宮脇・坂本の3人での「パパズ」と相成った次第。

本当にありがとうございました。

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先週、倉科さんから届いたメールと写真です。

北原先生
 
昨日の岡谷無事終わりました。

久々の3人パパ’Sでしたが、乗り切りました。
親子連れ、いつものようにおじさんおばさんも多かったですが、4,50人といった所でしょうか。
ちょうどよかったです。
 


はじめまして
どうぶつピッタンことば  宮脇
おっきょちゃんとかっぱ  坂本
うちのおばけ
うなぎにきいて  倉科
わがはいはのっぺらぼう  宮脇
かごからとびだした
ねこガム  坂本
すいかとかぼちゃのだいぼうけん  倉科
ふうせん
世界中のこどもたちが
 

以上です。
 

使えるか分かりませんが、写真も送りますので見てください。

2013年7月22日 (月)

『小説すばる 8月号』林美雄とパックインミュージックの時代

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『長野医報7月号』特集「心に残る一冊」に載せてもらった『想像ラジオ』いとうせいこう著(河出書房新社)のノーカット版を「こちら」にアップしてあります。

絶対に芥川賞を取ると思って、このタイミングで書いたのに。本当に残念。


『長野医報7月号』のこの特集記事で面白かったのが、松本市多田内科医院、多田久也先生の文章だ。『わが青春とアントニオ猪木「1976年のアントニオ猪木」柳澤健(文藝春秋)

僕はプロレスに疎いのでダメだが、プロレス愛好家のあいだでは『1985年のクラッシュ・ギャルズ』と共に「この本」は名著らしい。

著者の柳澤健氏はどうも「○○○○年の○○」というタイトルが好みなのか?


いや実は、先日発売になったばかりの『小説すばる8月号』に、「ノンフィクション新連載」として始まったのが、柳澤健氏による『1974年のサマークリスマス -- 林美雄とパックインミュージックの時代』だったからだ。

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■今年の2月上旬だったか、佐久市在住の放送作家、加瀬清志さんが「ぼくの昔のHP」を見てメールをくれたのだ。

当時、林美雄パックの常連だった加瀬さんは、それが縁で放送作家になったのだそうだ。その彼のもとに近日柳澤健氏が取材に来るとのことだった。林美雄さんのこを取材しているのだそうだ。


そのあと、加瀬清志さんと電話で直接お話する機会を得たのだが、柳澤健氏による林美雄のルポルタージュが『小説すばる』に春から連載されると加瀬さんは言っていた。それが「この連載」だったんだね!

予想以上に力が入った文章で泣けてきたよ。そうさ、あの頃ぼくらには林美雄兄貴がいたんだ。


 林美雄が熱く語る音楽もまた、極めて偏向している。

 たとえば、荒井由実「ベルベット・イースター」、石川セリ「遠い海の記憶(つぶやき岩の秘密)」、能登道子の「むらさきの山」、荒木一郎の「僕は君と一緒にロックランドに居るのだ」、桃井かおりの「六本木心中」安田南の「赤い鳥逃げた?」や「愛情砂漠」、頭脳警察の「ふざけんじゃねえよ」等々。(中略)


 もうひとつ、沼辺にとって林パックは特別な存在になった理由は、ユーミンこと荒井由実の出現だった。

 のちのスーパースター松任谷由実は、驚くべきことに、デビューからおよそ一年半もの長きにわたって、林パック以外のメディアで取り上げられることはほとんどなかったのだ。

 ただひとり林美雄だけが、荒井由実のデビューアルバム『ひこうき雲』を一聴して「この人は天才です!」と絶賛。”八王子の歌姫”と命名し、他の番組が無視する中、先週は3曲、今週は4曲、来週は録音したての新曲、と執拗に紹介し続けた。

(『1974年のサマークリスマス』柳澤健・小説すばる8月号 p261〜p265 より抜粋)



1974年に、僕は長野県立伊那北高校に入学した。1年C組だった。
あの頃、荒井由実のことを知っていたのは、中学3年の深夜に、はるばる東京から幾つもの山々を越えて聞こえてきた「TBSラジオ」の電波に耳をそばだていた僕と、赤穂中から来た田中くんの2人だけだった。

まだ 2nd LP『ミスリム』は、発売前だったからね。



■いま盛んに、宮崎駿の新作映画のテレビCMが流れているが、この映画の主題歌は荒井由実「ひこうき雲」だ。

先日、映画館で予告編を見たら、ナレーションは全く入らずただ「ひこうき雲」がフルコーラスで終いまで流れた。スクリーンを見ながら、なんだか無性に泣けて泣けて困った。


ようやく時代が「林美雄」に追いついたのか、ってね。

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