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2013年7月22日 (月)

『小説すばる 8月号』林美雄とパックインミュージックの時代

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『長野医報7月号』特集「心に残る一冊」に載せてもらった『想像ラジオ』いとうせいこう著(河出書房新社)のノーカット版を「こちら」にアップしてあります。

絶対に芥川賞を取ると思って、このタイミングで書いたのに。本当に残念。


『長野医報7月号』のこの特集記事で面白かったのが、松本市多田内科医院、多田久也先生の文章だ。『わが青春とアントニオ猪木「1976年のアントニオ猪木」柳澤健(文藝春秋)

僕はプロレスに疎いのでダメだが、プロレス愛好家のあいだでは『1985年のクラッシュ・ギャルズ』と共に「この本」は名著らしい。

著者の柳澤健氏はどうも「○○○○年の○○」というタイトルが好みなのか?


いや実は、先日発売になったばかりの『小説すばる8月号』に、「ノンフィクション新連載」として始まったのが、柳澤健氏による『1974年のサマークリスマス -- 林美雄とパックインミュージックの時代』だったからだ。

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■今年の2月上旬だったか、佐久市在住の放送作家、加瀬清志さんが「ぼくの昔のHP」を見てメールをくれたのだ。

当時、林美雄パックの常連だった加瀬さんは、それが縁で放送作家になったのだそうだ。その彼のもとに近日柳澤健氏が取材に来るとのことだった。林美雄さんのこを取材しているのだそうだ。


そのあと、加瀬清志さんと電話で直接お話する機会を得たのだが、柳澤健氏による林美雄のルポルタージュが『小説すばる』に春から連載されると加瀬さんは言っていた。それが「この連載」だったんだね!

予想以上に力が入った文章で泣けてきたよ。そうさ、あの頃ぼくらには林美雄兄貴がいたんだ。


 林美雄が熱く語る音楽もまた、極めて偏向している。

 たとえば、荒井由実「ベルベット・イースター」、石川セリ「遠い海の記憶(つぶやき岩の秘密)」、能登道子の「むらさきの山」、荒木一郎の「僕は君と一緒にロックランドに居るのだ」、桃井かおりの「六本木心中」安田南の「赤い鳥逃げた?」や「愛情砂漠」、頭脳警察の「ふざけんじゃねえよ」等々。(中略)


 もうひとつ、沼辺にとって林パックは特別な存在になった理由は、ユーミンこと荒井由実の出現だった。

 のちのスーパースター松任谷由実は、驚くべきことに、デビューからおよそ一年半もの長きにわたって、林パック以外のメディアで取り上げられることはほとんどなかったのだ。

 ただひとり林美雄だけが、荒井由実のデビューアルバム『ひこうき雲』を一聴して「この人は天才です!」と絶賛。”八王子の歌姫”と命名し、他の番組が無視する中、先週は3曲、今週は4曲、来週は録音したての新曲、と執拗に紹介し続けた。

(『1974年のサマークリスマス』柳澤健・小説すばる8月号 p261〜p265 より抜粋)



1974年に、僕は長野県立伊那北高校に入学した。1年C組だった。
あの頃、荒井由実のことを知っていたのは、中学3年の深夜に、はるばる東京から幾つもの山々を越えて聞こえてきた「TBSラジオ」の電波に耳をそばだていた僕と、赤穂中から来た田中くんの2人だけだった。

まだ 2nd LP『ミスリム』は、発売前だったからね。



■いま盛んに、宮崎駿の新作映画のテレビCMが流れているが、この映画の主題歌は荒井由実「ひこうき雲」だ。

先日、映画館で予告編を見たら、ナレーションは全く入らずただ「ひこうき雲」がフルコーラスで終いまで流れた。スクリーンを見ながら、なんだか無性に泣けて泣けて困った。


ようやく時代が「林美雄」に追いついたのか、ってね。

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