買った本 Feed

2010年4月21日 (水)

『ダウンタウンに時は流れて』多田富雄(集英社)

■著名な免疫学者であった、多田富雄先生が亡くなった。

先生が公に記した最後の言葉は、たぶん『青春と読書』200912月号(集英社)に載った巻頭エッセイ「回想の不思議な町」ではないかと思う。1964年の初夏、コロラド州デンバーへ留学した多田先生の青春回想録は『青春と読書』に連載され、昨年末『ダウンタウンに時は流れて』多田富雄・著(集英社)として1冊にまとまり出版された。

「回想の不思議な町」は、この本の最後に「跋に代えて」と改題されて収録された。


 私はこの『ダウンタウンに時は流れて』という自伝的エッセイ集の中で、私の「青春の黄金の時」を思い出した。それも、涙でキーボードが何度も見えなくなるまで、切実に思い出した。(p213)


ぼくはこの連載を知らなかったのだが、「吉野仁氏のブログ/ 2009/11/17」で知って居ても立ってもいられなくなり、本屋さんに走って行って即購入した。しかし、買ってきたまま未読本の山に積まれてしまい、ぼくの意識からすっかり忘れ去られてしまったのだった。

で、今日「あっ」と思い出した。
読まなきゃ。


ところで、高遠町図書館には「この本」がちゃんと収蔵されています。
流石だ。

2009年12月25日 (金)

『ブラッド・メリディアン』コーマック・マッカーシー(早川書房)読み始める

■小説『闇の奥』のはなしは、まだまだ続いているのだった。

「荒野(ウィルダネス)」と言えば、現代アメリカ文学を代表する作家、コーマック・マッカーシーが長年追い求めてきた重要なテーマだ。その彼の最高傑作とかねてから噂されていた『ブラッド・メリディアン』(血の子午線)の翻訳本が、知らないうちに早川書房から発刊されていた。これは直ちに読まねば! ぼくは焦って「いなっせ」西澤書店へと走った。新刊棚にひっそりと1冊だけ「その本」はあったよ。


ちょうど今年1年間の医師会理事会交通費が現金で支給されたばかりだったので、「えぃっ、やっ!」と、思い切って購入した。ところで、最近の図書購入のぼくの基準はというと、原則ハードカバーの小説は買わずに「図書館から借りて読む」なのだった。あの『ミレニアム1』『ミレニアム2』も、じつは南箕輪村図書館から借りてきて読んだ。ごめんなさい、早川さん。訳者さん。『ミレニアム3上・下』も、南箕輪村図書館から借りてきて読み始めたのだが、ちょうど母が危篤の時で、無念ながら未読のまま返却し、10月に西澤書店でちゃんと購入した。でも「自分の本」になっちゃうと、安心してしまって読まなくなっちゃうから不思議だ。


■先日から、ウィンズロウ『犬の力・上』を読み始めたところだったのだが、それどころじゃない、というワケで、『ブラッド・メリディアン』。主人公の少年は、1833年の生まれだ。これはある種、象徴的だな。ジョン・ミューアが、1838年4月2l日生まれ。『闇の奥』の作者コンラッドは、1857年12月3日の生まれ。みな同時代人だ。アメリカでも、リアルな「荒野」はこの時代にしか存在しないのだ。アラスカを除けば。(つづくかも)


2009年12月 6日 (日)

『LIFE 2』飯島奈美・著(ほぼ日刊イトイ新聞)

最近いちばん驚いたことは、買った本の「誤植・訂正のおしらせ」が、何と!メールで届いたことだ。オイラが「この本」買ったことを、どうして知ってるの? ビックリしてちょっと怖くなった。でも、よーく考えてみたら、「この本」はたしかに、ネットで購入したな。

あ、そうか! だからメールがきたんだ。ものすごく新鮮な経験! こんなの初めて。


ところで、『LIFE 2』飯島奈美・著(ほぼ日刊イトイ新聞)は、即買うべき本だ。ほぼ日刊イトイ新聞から荷物が届いたその日に、妻は「なつかし蒸しパン」と「少年コロッケ」を作り、翌日(昨日の金曜日ですね)には「ごちそう納豆」を作ってくれた。どれも美味しかった。特に、コロッケは絶品だったな。ジャガイモがぜんぜん「ぱさぱさ」してないのだ。たかが芋コロッケなのに、ふっくらクリーミーなんだよ。信じられるかい?


以前、『LIFE 』を注文して本が届いた時、妻は本を手に取り、ページをめくりながら「わーぁ、美味しそう! これも、これも、そして、これも作ってみたい!」って言って、本当に次々と作ってくれた。うれしかったな。ありがとうね! 『LIFE 2』の「まえがき」で糸井重里さんもこんなことを言っている。


 おいしいものを食べることは、つくった人のこころを受け取ることのようにも思えます。
 どういうものをいいと思っているか、どういうことをうれしいと感じているか、どういう日々を送りたいと考えているのか……なんか、そんなことがお皿やテーブルの上に表現されていくんでしょうね。(中略) 

 さらに、これには続きがあって、『LIFE 』のレシピを家で再現してくれる家内に対しても、いままでよりも親しさがわいてきたような気さえしています。


ところで、ぼく自身が作ってみたレシピは、たったの2つ。


最初に載っている「おとうさんのナポリタン」と、ラストに載っている「クリスマス・チキン」だ。でも、この本のレシピは、おとうさんが出しゃばるよりは、おかあさんと子供たちが協力して作ると楽しいに違いない。最近の子供たちは、とにかく「家のお手伝い」をしない。これは問題だと思う。料理の手伝いを子供たちにしてもらうこと。これって案外大事なことなんじゃないかな。 

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