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2016年11月

2016年11月27日 (日)

トランプが大統領になるアメリカは、本当に大丈夫なんだろうか?

■今日の日曜日は、午前9時から午後5時まで「インフルエンザ・ワクチン」の集中接種の日。嘔吐下痢症や発熱で来れなかった子供たちを除いて、131人が来院した。疲れたな。

思考を停止して、ひたすら注射するだけの一日は、ただただ疲れる。休診にしている水曜日の午後や、土曜日の午後にも接種しているのだけれど、日曜日を2回潰さないと接種ノルマが果たせないのだ。

貴重な日曜日を無にして、出勤してくれた当院の優秀なスタッフ4人には、感謝しても感謝しきれないのであった。

■ようやっとワクチン接種が終わって、お疲れさま。スタッフも疲れたが、ぼくだって疲れた。特に午後の部は、13時〜17時までの4時間ぶっ通しだった。

ただ、接種中からずっと考えていたのは、終了次第、伊那の「TSUTAYA」へ行って、『MUSIC MAGAZIN 特集:文学としてのボブ・ディラン』を買うことと、『AERA』最新号「テレビはスマホに勝つ」を買うことだった。で、実際にそうした。

■「AERA」今週の巻頭言は、内田樹先生。フランス貴族のアレクシス・トクヴィルは、1831年にアメリカを訪問し『アメリカの民主政治』という本を書いた。その中で、民衆がどんなトンデモナイ大統領を選んでしまっても「そのリスク」を勘案して定められた「アメリカ民主制」の合理的な機構に、大いに感心したという話。

アメリカのデモクラシーにおいて、民衆はしばしば権力を託する人物の選択を誤る。だから、不適切な権力者がもたらすリスクを軽減するために、アメリカでは統治者に権力が託される期間は限定的であり、かつ統治者が民衆の意向に反する政策を強行できないようにいくつもの抑制が課せられている。

そして、統治者の「腐敗や無能」あるいは「非行」は個人のレベルにとどまって、制度として恒久化することを防いでいる。

ホントかなぁ。そこまでアメリカ国民を信じてもいいのか?

2016年11月24日 (木)

伊那のパパス絵本ライヴ(その127)飯島町:子育て支援課の主催の会

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■水曜日は、勤労感謝の日でお休み。この日は午前10時半から、上伊那郡飯島町「飯島成人大学センター」で「パパズ」。町の子育て支援課が主催した会だからか、ちっちゃい子供が多かったな。

<本日のメニュー>

1)『はじめまして』新沢としひこ(鈴木出版)

2)『でてくる でてくる』岩田明子(ひかりのくに)→伊東

3)『かわ(絵巻物版)』かこさとし(福音館書店)→北原

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4)『うみやまがっせん』長谷川摂子:再話(福音館書店)→坂本

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5)『かごからとびだした』(アリス館)→全員

6)『へんしんマラソン』あきやまただし(金の星社)→宮脇

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7)『うんこしりとり』tuperatupera(白泉社)→全員

8)『かみなりどんが やってきた』中川ひろたか・文、あおきひろえ・絵(世界文化社)→倉科

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9)『ふうせん』湯浅とんぼ(アリス館)

10)『世界中のこどもたちが』(ポプラ社)


2016年11月18日 (金)

姜泰煥(カン・テーファン)つづき

■姜泰煥さんに関して詳しく書かれたサイトは、ほとんどない。「CDコレクターは止められない!」くらいか。あとは、ヨーロッパのアヴァンギャルド・ジャズに精通した横井一江さんの「JAZZ TOKYO」でのコラム

その「人となり」を表す文章を、最近CDで再発された「ちゃぷちゃぷレコード埋蔵音源発掘シリーズ」のCD『姜泰煥 KAN TAE HWAN "Solo Duo Trio"』に再録されたライナーノーツの中に見つけたので、例によって勝手に転載させていただきます。ごめんなさい。

〜 佐藤允彦 〜

 フリー・インプロヴィゼイションに欠かせない能力のひとつは、相手の呼吸を読むことである。

 応答、同調、反撃、どのような立場をとるにせよ、まず呼吸を測ればさまざまな手段が見えてくる。逆に言えば、呼吸を読めなかったらなにも成立しない。聴くに耐えない音楽になってしまうのだ。

 姜泰煥氏との最初のセッションがあやうくそうなるところだった。予備知識なしに鎖鎌と立ち会った剣術使いさながら、一瞬なすすべもなく立ちすくんでしまったのだ。しかし、心を鎮めてよく聴いていると、途方もなく長い一音のなかで連続して変化する豊かな色彩が見えてきた。その変化こそ、姜さんの音楽上の、あるいは精神の呼吸なのだと悟ったとき、今まで経験したことのない、全く別次元の対応をしている自分を発見したのである。

 以来、姜泰煥氏と演奏するたびに新しい地平が拓けるように思えるのだが、実の所は壮大な姜マジックにからめとられて白昼夢を見ているだけなのかもしれない。たとえそうであっても、私にとっては大変有意義なことである。とにかく氏の音楽と接したあとは、脳細胞が蘇生するのだから。

〜副島輝人〜

 姜泰煥 - いや、親しみを込めて姜さんと書かせてもらおう - は、ステージに座って、つまり胡座をかいた姿勢で演奏する。これが姜さん独特のスタイルで、決して立って吹くことをしない。それは5年前、ソロでツアーした時から始まった。

旭川で、ステージの床が木造りだった時、胡座をかいてリハーサルしていた姜さんが、アルトサックスの底部を床に付けたり離したりしていて、突然「今日は座って演奏してもいいだろうか?」と云いだしたのである。響き方が違うということだった。後で知ったが、自宅で練習する時は、いつも胡座をかいて吹いていたらしい。

 最近、ネッド・ローゼンバーグとのツアーの時、珍しく一曲だけ立って演奏したことがある。それは共演するネッドへの配慮と共に、広い会場の後方に座っている観客にには演奏する姜さんの姿が全く見えないことを考えたものだった。この優しさが、姜さんの音楽の底を流れている。

 姜さんは、独自のライフ・スタイルを持っている。夜中の12時頃から祈りと瞑想、明け方から3時間くらいがサックスの練習時間、それから眠るのである。練習は毎日絶対に欠かさない。寝台車の中でも、早朝ベッドに胡座をかいて、音を出さないようにしながらマウスピースをくわえ、指を動かしている。

 寝る時は、必ず聖書を枕許に置く。ドイツのホテルに泊まった時、うっかりそれを忘れ、仁王立ちになった悪魔大王に、ベッドをギシギシと揺さぶられることがあった。

 菜食主義者の姜さんは、肉と魚は食べない。野菜も火を通したものでないといけない。しかし、竹輪や薩摩揚げのような、魚の練り物なら食べる。卵や乳製品も大丈夫。鶏の姿煮のようなサンゲタンという料理に、私が箸をつけようとした瞬間、隣に座っていた姜さんが「鶏さん、ゴメンナサイ。」と日本語で呟くのを聞いて、ガックリきたことがある。

「肉食者は瞬発力が強く、菜食者は持久力がある。」と姜さんは云う。昔、オリンピックの1500メートル自由形競泳で金メダルを取ったマレー・ローズは凄い選手だったが、当時としては数少ないベジタリアンだと聞いたことがあるから、姜さんの云う通りなのかもしれない。それに、なによりも、あの姜さんのノン・ブレスが朗々、延々と続けば、納得せざるを得ない。

 そんな姜さんも、2年前のロシア・ツアーでは、かなりこたえていた。ロシアの食事事情がひどく悪い時期で、食事は総てあてがいぶち。小売店の棚は空っぽで、欲しいものは全く手に入らない。出された肉団子を食べなければ、食事は抜きとなる。姜さんは、持参した米の粉に熱湯を注いで -- そのお湯も自由には貰えなかった。-- 何やら重湯のようなものを啜って飢えをしのいでいた。しかし、そういう状況の中で、一言のボヤキもコボシも云わずに、18日間のロング・ツアーを耐え抜いたのだから、これもまた一つの持久力なのかもしれない。

 奥さんの話によると、姜さんは映画を観ていてよく泣くそうである。あのクールな姜さんが? と思われるだろうが、人並み以上に感受性が強いのに違いない。姜泰煥芸術の隠れた一面が知られるように思うのだ。

 そういえば、いつか姜さんが云ったことがある。

「芸術家とは、心の中に<愛>を沢山持っている人々のことだ。」と。

ちゃぷちゃぷレコード埋蔵音源発掘シリーズ」CD『姜泰煥 KAN TAE HWAN "Solo Duo Trio"』ライナーノーツより

2016年11月 7日 (月)

ヒグチユウコ & 姜泰煥(カン・テーファン)

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■ワニが登場する絵本が好きだ。『わにわにのおふろ』小風さち・文、山口マオ・版画(福音館書店)『バルボンさんのおでかけ』とよたかずひこ(アリス館)『ワニぼうのこいのぼり』内田麟太郎・文、高畠純・絵(文溪堂)。中でも一番好きなのは、木葉井悦子『一まいのえ』(フレーベル館)。ところが最近、驚異のワニ絵本が登場した。『すきになったら』ヒグチユウコ(ブロンズ新社)だ。

めちゃくちゃリアルな「ワニ」に、ある日幼気な少女が恋してしまう。だって、好きになってしまったのだから、仕方ないじゃない? 恋とは、そういうものさ。

オジサンにはわかる。その気持ち。でも、今どきの少女やヤングアダルトに、この「切ない気持ち」がはたして解るのだろうか?

岡谷の「イルフ童画館」では、11/14(月)まで『ヒグチユウコ・石黒亜矢子二人展』をやっていて、『すきになったら』の原画が展示されていると知り、今日(11/6)の日曜日、あわてて見に行ってきた。ワニの原画、すばらしかった! 『せかいいちのねこ』(白泉社)に登場する「迷子のアノマロカリス」もよかったよ。

ヒグチユウコ恐るべし! だな。イルフ童画館内は、彼女のファンの若い女の子ばかりで、50歳をとうに過ぎたオジサンは、思いっきり場違いの「およびでない」状態で焦ったぞ。でも、ぼくと同じ気分であろう、彼女に無理矢理連れてこられた、なんとも居心地の悪そうな彼氏(20代前半)を見た。それから、このところずっと機嫌が悪かった奥さんのために、予定していたゴルフをキャンセルして仕方なくやって来たと思ったら、なんだ漫画かよ! とでも思っているに違いない、おもいきり機嫌が悪い雰囲気の40代男性とか、いたな。

でも、思いのほか良かったのが「石黒亜矢子さん」の展示だ。この人は絵が上手い。申し訳ないけれど、彼女の絵本は持っていなかった。京極夏彦氏と組んだ「妖怪もの」で知られた人なのか。最近では、糸井重里さんのツイートの中で「そのお名前」をよく目にした覚えがあるぞ。

売店を物色すると、サイン本は売り切れ。ポストカードもほぼ売り切れ。しまったな。もっと早く見に来るべきだった。仕方なく童画館を出て、いったん駐車場から車を出す。ここの立体駐車場は、なんと!「5時間まで無料」なのだ。じつは、これから甲府まで「あずさ」に乗って行く予定なので、車はこの駐車場に置いて行かなければならない。帰りは夜6時半過ぎの予定だから、午後1時半過ぎに再チェックインすれば、駐車料金は無料のままなのね。

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■車を市営駐車場に置いたまま、岡谷駅から午後2時発のあずさに乗って甲府へ。午後3時過ぎ着。ライヴ・ハウス「桜座」で『TON KLAMI トン・クラミ』佐藤允彦(p)高田みどり(perc)姜泰煥(as)のトリオ演奏を聴くのだ。櫻座は、ガラス工場だった建物を改装して劇場に作り直したという不思議な空間。

むかし、氷川台にあった転形劇場の「T2スタジオ」の雰囲気を、寺山修司の東北下北半島的古来日本のどろどろとしたイメージで掻き回したような、他ではちょっと見たことない空間だったな。毎年年末には「渋さ知らズ」の公演があるそうだが、なるほど、彼らにピッタシの劇場に違いない。

山下洋輔、富樫雅彦、ペーター・ブロッツマン、エヴァン・パーカーは、生で見たことがある。『AKU AKU』でだったかな。でも、佐藤允彦・高田みどり・姜泰煥(カン・テーファン)は初見。

最初にステージに登場したのは、佐藤允彦さんだ。おもむろにピアノを弾き始める。左手で繰り返される基礎音に右手が自由に乱舞する。ダラー・ブランドの『アフリカン・ピアノ』を、もっと知的に研ぎ澄まされた緊張感を維持した、素晴らしいソロ・ピアノだった。それにしても、佐藤允彦さんは超ベテランなのに、繊細な指使いを駆使する一方、山下洋輔ばりの体育会系超パワフル演奏で、めちゃくちゃ若々しいかった。凄い人だ。

暫くして、舞台下手から高田みどりさんが鈴を鳴らしながら登場。マリンバとピアノのデュオが始まる。お互いに音を探り合う感じが、ビシビシと客席に伝わってくるぞ。インタープレイというのは、こういう演奏のことをいうのか。

そして満を持して姜泰煥の登場だ。音がデカイぞ! 驚いたな。アルト・サックスなのに、図太い音が朗々と劇場空間を占拠して、一瞬にして姜泰煥の世界へ引き込まれてしまったよ。とにかく、スケールの大きさが尋常ではなかった。大地の鼓動、マグマの唸り。地球そのものが僕に語りかけているような感じだった。

ぼくは、姜泰煥さんの日本で初めて出たレコードを持っている。ずっと前から、ぜひ一度、彼の演奏を生で見たかったのだ。

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■ピアノにマリンバ、太鼓に銅鑼も打楽器だから、音は断続的に短いパッセージで連なる。ところが、姜泰煥のアルト・サックスは音が途切れることがない。まるで他の二人の対極を悠々自適に大河がとうとうとと流れる如く勝手にリードしてゆく。これが「サーキュラー・ブリージング(循環奏法)」だ。圧倒された。

今回、サーキュラー・ブリージング奏法を初めて詳細に目の前で見た。ほっぺたを膨らませたり縮めたり。じつに不思議な光景だったな。

姜泰煥さん。特殊な奏法を駆使し続けるためか、アルト・サックス管内に貯まった唾液を、何度か管を外して排していたのが印象的だった。それから、頻回にリードを交換していたぞ。他のサックス奏者では見たことがない光景だった。リードを換えることで、サックスの音色が変わるのだろうか? 

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■演奏は、ソロ、デュオ、トリオと臨機応変に自由に変化し、ファースト・セットのラストでは3人が一丸となった異様な高揚感を体感した。姜泰煥さんのこの日一番の激しい演奏で、思わず身震いしてしまったよ。あぁ、来てよかった。第二部が終わって、これでおしまいかと思ったら、思いがけずアンコール演奏をしてくれた。この曲がメチャクチャよかったのだが、なんていう曲目なんだろう?

■佐藤允彦さんも是非一度ナマで見たかったピアニストだ。今日は長年の夢が叶って本当にシアワセだ。終了後、無理を言ってサインもしてもらった。佐藤さんには持参した『YATAGARASU』「珍しいの持ってるね」って言われたけど、佐藤さんのCD・LPは、『パラジウム』など古いものしかないのです。ゴメンナサイ。

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姜泰煥さんは、座ったままサックスを演奏する。そのことは以前から知っていたから、別に驚かなかったのだけれど、胡座をかいてサックス・ソロを吹く姜泰煥さんが、おもむろに左足を伸ばした。足が吊ったのか? いや、そうじゃなかった。彼はサックスの「あさがお」を伸ばした左足の太腿に押しつけ、アルトサックスを演奏しだしたのだ。まるで、トランペッターがミュート演奏するみたいにね。でも、聴いていて音がどう変化したのか、いまひとつ判らなかった。

■エリントン楽団みたいな重層的なハーモニーを、たった一人で再現しようとした盲目のジャズマンがいた。そう、ローランド・カークだ。ソロで演奏しているのに、何本ものサックスが同時に鳴っている演奏を再現するために彼が考え出したことは、一度にサックスを3本くわえて吹けばよいということだった。

それから「サーキュラー・ブリーシング」。息継ぎせずに、延々とサックスを吹き続ける手法。この奏法を確立したのが、エリントン楽団の重鎮、ハーリー・カーネイ(バリトン・サックス)だ。その後継者が前述のローランド・カーク。ただ彼の演奏は、見世物的でグロテスクなものとして聴衆には受け取られた。

そうは言っても、息継ぎせずにサックスを吹き続けることは大変な修練と体力とテクニックが必要だ。だから、この特殊技法を完璧にマスターしたミュージシャンはそうはいない。その、数少ないジャズマンが、イギリス人のエヴァン・パーカーだった。

エヴァン・パーカーのソプラノ・サックスのソロ演奏を記録したダイレクト・カッティング盤『モノセロス』を初めて聴いた時の驚きといったらなかったな。上手くは言えないのだけれど「サーキュラー・ブリーシング奏法」に加え、ソロ演奏なのに、同時に3人も4人も演奏しているように聞こえる「マルチ・フォニック奏法」を完璧にマスターして演奏しているのだ。ほんと、たまげた。だって、一度も息継ぎせずに、30分間ソプラノ・サックスを吹き続けるんだよ。信じられないよね。

■そしたら、エヴァン・パーカーと同い年の韓国のジャズ・ミュージシャンが、遙か遠く極東の地で、誰にも知られず理解されずに、まったく同じ「奏法」を開発したのだった。それが姜泰煥だ。

彼が「この奏法」を確立するまえには、エヴァン・パーカーを聴いたことがなかったんだって。信じられないよね。でも、同じ奏法でのサックス・ソロ(エヴァン・パーカーはソプラノ・サックス、姜泰煥はアルト・サックス)でも、聞こえてくる音がぜんぜん違っているのが不思議だ。

パーカーの演奏は、良い意味でも悪い意味でも、西洋のコンテンポラリー音楽の系譜に収斂される。ところが、姜泰煥の演奏は、たとえモダンなピアニスト佐藤允彦や現代音楽の打楽器奏者の高田みどりといっしょに演奏していても、不思議とジャズは感じない。ましてや現代音楽なんて感じじゃないな。

この感じを、うまくは言えないのだけれど、ジャズとも現代音楽とも違う、アジア文化圏の音が鳴っているのだよ。佐藤允彦さんのピアノ・ソロも、努めて西洋的モダンを隠して、東洋的アジアを感じさせる演奏だった。


YouTube: Kang Tae Hwan 강태환 2013/07/14 @ Yogiga, Seoul part 1


それにしても、25年前にレコードで聴いて驚いた、姜泰煥さんの演奏テクニックは、もっともっと進化(深化)していてた。サーキュラー・ブリーシングも、ポリフォニック奏法(最先端のノイズ・ミュージックみたいにも聞こえたよ)も、必然的表現方法として、孤高の頂を極めた感じだ。目を閉じて聴いていると、風景が見えてくる。大地の息吹、荘厳な宇宙の広がり。能舞台の幽玄の世界観。

公演の終了後、姜泰煥さんの出を待って、購入したCDにサインをしてもらった。ステージ上では異様な神秘のオーラに溢れた姜泰煥さんだが、オフの場では、大阪の新世界にでもいそうな、単なる老齢の地味なオッサンだった。ミュージシャンとしての自信と自負を持っているに違いないのに、そのオーラを消し去る術を知っている人なのだな。

あらためて、その真摯で木訥とした人柄と演奏に感化されてしまったよ。

■帰りは、甲府発18:05分の普通列車松本行きに乗車。19:25分岡谷着。めちゃくちゃ寒い。走って駐車場まで。6時間経つから、さすがに有料だった。ただし、250円。偉いぞ!岡谷市。

2016年11月 3日 (木)

伊那のパパス絵本ライヴ(その126)大町市児童センター

■11月3日(木)文化の日の今日は、パパズで大町まで遠征だ。例によって、午前8時に下春日町?の「やまめ堂」へ坂本・宮脇・北原の3人が集合してから、川北町で倉科さんをピックアップ。今日は僕の運転で、マツダCX5 に皆で同乗し一路大町市へ。多忙の伊東パパは残念ながら欠席。

朝は冷え込んだけれど、秋晴れで天気も良く、約90分で「大町児童センター」に到着。ちょうど1年前に来た会場だ。何となく思い出してきたぞ(^^;; そう言えば、大町へはもっと以前にも来たことがあったな。そうそう、2009年11月23日(勤労感謝の日)だ。そうか、7年も前だったか。

その当時は家庭児童相談員だった主催者の服部さんが、今日はわざわざお土産を持って見に来てくださった。うれしかったなあ。今は中学校の図書館司書をされているとのこと。ありがとうございました。

<本日のメニュー>

1)『はじめまして』新沢としひこ(鈴木出版)

2)『どっちの てに はいってるか?』新井洋行(偕成社)→北原

3)『あかちゃん』tupera tupera(ブロンズ新社)→北原

4)『あたまがいけ』日野十成・再話、斉藤隆夫・絵(こどものとも 2014/3)

  →坂本

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5)『かごからとびだした』(アリス館)

6)『バナナじけん』高畠那生(BL出版)→宮脇

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7)『おーいかばくん』中川ひろたか・曲、あべ弘士・絵(ひさかたチャイルド)

8)『山んばあさん と むじな』いとうじゅんいち(徳間書店)→倉科

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9)『ふうせん』湯浅とんぼ(アリス館)

10)『世界中のこどもたちが』新沢としひこ・中川ひろたか(ポプラ社)

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大町市の「ゆるキャラ」おおまぴょん

カモシカが北アルプスの帽子かぶってんのね

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■終了後には、すいとん(豚汁の肉の代わりに小麦粉の団子入り。美味しくて、思わず2杯目をおかわりしたよ。)に漬け物をご馳走になったので、結構お腹もたまったのだが、1年前に来た時に満員で入れなかった『昭和軒』へ。

駅前商店街は「日曜日休み」の店ばかりなのだが、『昭和軒』は開店中。今回は無事入れた。

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■名物のソースかつ丼。とんかつは「ころも」がカリカリに硬く揚がっていて食感がたのしい。ソースは、伊那・駒ヶ根のソースかつ丼に比べて甘くなく、あっさりすっぱめ。カツをソースに潜らすのではなく、上からかけてある。

ただ、ちょっと塩っぱかったな。





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