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2016年1月

2016年1月25日 (月)

ハチドリの物語『私にできること』

■2016年1月13日(水)の信濃毎日新聞夕刊のコラム『今日の視角』。担当は落合恵子さん。ネットでは読めないので、一部転載させていただきます。

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          「ハチドリ」

 年下の友人が亡くなった。自転車にぶつけられて、その痛みがなかなかとれないと言っていたのだが、痛みの原因はほかにあったのだ。(中略)

少女の面影が残る彼女だが、口癖は「ハチドリは踏ん張るからね」。

 「ハチドリのひとしずく」の話はご存知と思う。

 森が燃えさかっていた。森の生き物たちは必死で逃げていく。自然の逃走本能が彼らを急がせる。

 しかし、クリキンディという名前の小さなハチドリだけは逃げることはなかった。クチバシに水を含んでは往復して、燃えさかる炎の上に落とすのだ。そんなことをしてもどうにもならない、と逃げることを促すほかの動物たちに、ハチドリは答える。「自分にできることをしているだけ」。彼女はこの話が好きで、自分をハチドリにたとえもした。鳥類の中でも身体が最も小さなグループであるハチドリである。

 さまざまな未決の問題が、わたしたちの目の前に山積みになっている2016年。新しい年、といった晴れやかな気分にはなれずにすでに1月は半分近くたってしまった。それでも、と彼女のきれいな遺影に手を合わせながら誓う。

 時に忍び寄る「わたしひとりがやったところで」という意識。それに自分を明け渡すことは、わたしたち自身の生存権、「自分が紛れもなく自分自身であること」を諦めることでもあるのだ、と。

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■この「ハチドリの物語」を、恥ずかしながらぼくは知らなかった。検索してみたら、『私にできること 地球の冷やしかた』(ゆっくり堂)が見つかった。この本のことを、落合恵子さんは 2005年6月1日の信毎夕刊『今日の視角』で取り上げていたのだ。

この小冊子自体を手にしてないので分からないのだが、本が出版された本来の意味は「地球温暖化防止」だったようだ。

■TBSテレビで、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』をドラマ化し、現在放送中だ。この小説は読んだ。ずしりと心に残った。調べてみたら( 2006/11/15,  11/23,  11/25 )に感想が書いてある。おぉ、ここにも落合恵子さんの「今日の視角」の話が。

この小説では、自分の意志とは関係なく、あらかじめ決められた運命を静かにただ受け入れる若者たちの諦観が描かれている。もちろん、わずかな望みに全てを託す努力はする。それがまた、あまりにも切ない。

■先だってのSMAP独立・解散騒動を見ていて、なんともやるせない気分になってしまったのだけれど、この『わたしを離さないで』や、先日観てきたお芝居『消失』のこと、それに菊地成孔氏が『時事ネタ嫌い』の「あとがき」で言っていた「炭鉱のカナリア」の話が妙にシンクロして、このところずっと暗く落ち込んでいたのだ。そうは言っても、「炭鉱のカナリア」でもあることも大切だが、ぼくも「ハチドリ」になりたい。そう思い直して、明日からまた、諦めずに生きて行こうと思いを新にするのだった。

2016年1月20日 (水)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その123)山梨県北杜市「須玉ふれあい館ホール」

■山梨県峡北地区保育所保護者会(北杜市・韮崎市)主催「絵本ライブ☆百聞は一見に如かず! 〜絵本を通じてもっと子育てを楽しく〜」1月17日(日)午後1時半〜3時:北杜市須玉町「須玉ふれあい館ホール」

       <本日のメニュー:第一部>

 1)『はじめまして』新沢としひこ(ひさかたチャイルド)

 2)『でんしゃはうたう』三宮麻由子(福音館書店)→伊東

 3)『ぐるぐるぐるーん』のむらさやか文、サイトウマサミツ絵(こどものとも 0.1.2. 9月号)→北原

 4)『かごからとびだした』(アリス館)

 5)『かえるをのんだととさん』(福音館書店)→坂本

 6)『おーいかばくん』中川ひろたか

 7)『へんしんレストラン』あきやまただし(金の星社)→宮脇

 8)『くろずみ小太郎旅日記 その1』飯野和好(クレヨンハウス)→倉科

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      <第二部>(プロジェクターに映して読む)

 1)『たいようのおなら』(のら書房)→北原

 2)『ぼうしとったら』tuperatupera (学研)→坂本

 3)『大阪うまいもんのうた』長谷川義史

 4)『にじ』新沢としひこ、中川ひろたか

 5)『すてきな帽子屋さん』増田裕子

 6)『ぶきゃぶきゃぶー』内田麟太郎

 7)『だじゃれしょくぶつえん』中川ひろたか・文、高畠純・絵(絵本館)

 8)『ふうせん』湯浅さんぽ&中川ひろたか

 9)『世界中のこどもたちが』新沢としひこ&中川ひろたか

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■ぼく以外のメンバー4人は、前日の土曜日から山梨入りしていた。

山梨県笛吹市石和町にある「山梨英和プレストンこども園(旧・石和英和幼稚園)」で、1月16日(土)の午前中に、第122回の「絵本ライヴ」を行ってきたのだ。おつかれさまでした。

日曜日は、普段と違ってプロジェクターを使うため、歌に合わせてパワーポイントのスライドを次に変えるタイミングを、ノート・パソコンを操作しながら、あーでもない、こうでもないと、石和温泉の旅館にチェックインした後、お風呂にも行かずに、みなで2時間も練習したんだって。ほんと大変でしたね。

練習の甲斐あって、本番ではばっちり決まってましたよ。

2016年1月14日 (木)

モンティ・パイソンのDVDを買った

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■兄貴から借りたままだった『MONTY PYTHON'S  FLYING CIRCUS / PARROT SKETCH NOT INCLUDED(ベスト・オブ・モンティ・パイソン)』を見る。多くは以前にも見たことのある有名なコントばかりだ。久しぶりに見たが、ほんと面白い。大笑いした。「シリー・ウォーク」とか「スパム」とか「スペイン宗教裁判」とかみんな入っているぞ。

ただし、「PARROT SKETCH NOT INCLUDED」とあるように、あの有名なコント「死んだオウム」だけ、わざと外してある。

あんまり面白かったから、シーズン1〜シーズン4までの全篇を順番にちゃんと見たくなって、アマゾンで廉価版のDVDセット(4枚組+3枚組)を買ってしまった。値引きで約7000円。1枚あたり1000円だ。

■参考文献として、宮沢章夫氏の『東京大学 80年代地下文化論講義:旧版・決定版』を読み、ネット古書店から『モンティ・パイソン大全』と『モンティ・パイソン・スピークス!』それに、ケラさんのエッセイ集を見つけて入手した。

これで準備は完璧だ。

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2016年1月 8日 (金)

詩人、加島祥造さん逝く

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■詩人の加島祥造さんが亡くなった。80代後半になっても精力的に創作活動(詩作・水墨画)を続け、毎年夏になると、バリ島まで泳ぎに行かれるくらいお元気だったのに。謹んでご冥福をお祈りいたします。

■加島さんの本で一番最初に読んだのが『タオ ヒア・ナウ』(PARCO出版)だったように思う。同じころに読んだ『伊那谷の老子』(朝日文庫)も好きだが、やはり繰り返し繰り返し読んだ『タオ ヒア・ナウ』に最も愛着を感じる。

■一度だけ、加島祥造さんとお会いして、直接お話ししたことがある。何かのパーティーだったか、駒ヶ根市中沢の加島さんの自宅「晩晴館」。夏の終わりの夕暮れ、広い庭の片隅には「夕菅」が花を咲かせていた。BBQにワイン、日本酒。地元はもとより、遠く東京からも大勢の人たちが訪れ、華やかな雰囲気の中、みな庭で談笑していた。

場違いな僕が、どうしてその場にいたのかよく思い出せないのだけれど、自宅縁側で招待客と和やかにお話している加島氏の所へ行って、確か、当時昭和伊南総合病院の院長だった宮澤先生に紹介してもらって、ご挨拶した。加島さんは僕に言った。

「イギリス現代詩を訳した『倒影集』はいいよ。イェーツ、エリオットとかね。ぜひ読んでみて。」

■その少し前だったか、「上伊那医師会報」に「この文章」を載せるにあたって、著作権の関係から加島さんに載せてもいいかどうか許可申請の手紙を出した。加島さんはこころよくOKしてくださった。うれしかったな。

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■加島さんには、お元気なうちに是非とも実現して欲しいことがあった。

それは、ご自身の若い頃の仲間たちとの日々をつづった「回想録」を執筆することだ。詩人集団『荒地』には、鮎川信夫、北村太郎、黒田三郎、田村隆一、それに加島祥造氏も参加していた。その創造的詩作活動はもとより、『荒地』で有名なのは、そのスキャンダラスな女性関係だ。

その一部は、ねじめ正一氏が『荒地の恋』という小説にしたためてはいるが、加島さん以外はみな故人になってしまったため、本当の経緯は誰も判らない。でも結局、加島さんはあの世まで、口をつぐんだまま秘密を抱えて旅立ってしまった。本当に残念でならない。

2016年1月 6日 (水)

さよなら、ポール・ブレイ。

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■ジャズを聴き始めた頃に知ったピアニスト。それが、ポール・ブレイだった。

初めて聴いたのが『Open To Love』に収録されていた「SEVEN」ていう曲。これだ。オリジナルじゃないけど、痺れたねぇ。今聴いても、たまらないな。


YouTube: Paul Bley - Seven (from "Homage to Carla")

■この曲を作曲した元妻(カーラ・ブレイ)に捧げたこのアルバム『オマージュ・トゥ・カーラ』での演奏も、味わい深くてしみじみよいのだが、オリジナル演奏(ECM盤)を YouTube で探したが、もちっとも見つからないのだ。

思い出したけれど、ぼくが初めて聴いたのは「ECMスペシャル Ⅰ」というサンプラー・レコードに収録されていた「SEVEN」の alternative Take のほうだった。当時、何度も何度も聴いた憶えがある。



2016年1月 3日 (日)

新年、あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

暖かい穏やかな、お正月です。本年もどうぞよろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。

今年も、おせち料理は「弁いち」(浜松市)さんにお願いしました。12月31日の午前中に届きました。ありがとうございました。去年は写真を撮るのも忘れて食べてしまったので、今年はしっかりと記録に残しますよ。でも、iPad で撮ったらフォーカスがイマイチだ。ごめんなさい。

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■ほんとうに一品一品が店主の技と粋と真心の結晶で、どれもこれも、じつに美味しかったです。家族4人で、2日の夜までに完食でした。ごちそうさまでした。


YouTube: MC☆ニガリ a.k.a. 赤い稲妻【MV】「こんばんは」

■高校生ラップ選手権で2連覇を成し遂げた「MC☆ニガリ a.k.a.赤い稲妻」君のことを知ったのは、つい数日前のことだ。

12月29日の午前中、NHKラジオ第一で「すっぴん」を聴いていたら、宮沢章夫さんと高橋源一郎さんが「日本のラップ特集」をやっていて、そこに高校生ラップ選手権2年連続優勝した、MCニガリ赤い稲妻くんが生出演していた。なんと!長野県伊那市出身だって。

続き)ラジオでは、コンビニまでチャリで20分かかる田舎に住んでるって言ってた。年末に帰って来た長男に訊いてみたら、手良在住で伊那東部中の同学年。中学時代は何度も話したことあると言ってて、またビックリ。確かに、竜東線国道沿いのセブンイレブンまでおりてくれば、20分はかかるか。

続き)あ、伊那高遠線のセブンイレブンか。それなら確かにチャリで20分はかかるぞ。MCニガリa.k.a 赤い稲妻。 

■紹介したPVは、長野県伊那市高遠町にある長野県立高遠高校の空撮から始まる。MCニガリの母校だ。ほぼノーカット・ワンシーンで撮られていて、めちゃくちゃカッコイイ。PVの後半は、ニガリの実家がある、伊那市美篶手良の田園風景。これもワンシーン・ノーカットで撮られている。途中でニガリに帽子を渡すのが、HIP HOP 業界では何故か有名な「ニガリのおじいちゃん」だ。

都築さんも言っているが、地方のイケてない男子高校生が女子にモテようとするなら、まずはバンドだ。それには勿論、ギターが上手くなければならないし、他のバンドメンバーを揃えなければ、いくらギターが上手くても一人だけでは地方大会には出場できない。

つまり、いきなしハードルは高いのが現実だった。

ところがどうだ。ラップを始めて3ヵ月のニガリくん。いきなし全国大会出場の名誉を得る。楽器も弾けないし、バンドも組めない「たった一人きり」だったのに。

凄いな。



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