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2014年4月

2014年4月28日 (月)

『今月のこの一曲』。「I Like You,You're Nice」ブロッサム・ディアリー

I Like You, You're Nice - Irene Kral
YouTube: I Like You, You're Nice - Irene Kral

■「今月のこの一曲」は、ブロッサム・ディアリーが作曲した『I Like You,You're Nice』。大好きな曲で、アイリーン・クラールの歌でさんざん聴いた。小品ながらも小粋な佳曲。

とある女性が、イケメン男に一目惚れしてしまう歌。オリジナルは、『BLOSSOM DEARIE SINGS』5曲目に入っている。先日、名古屋市大須の中古CD店でようやく入手できた。コイツはよかった! ずっと探していたのだよ。うれしかったなぁ、見つけたとき。このところ毎日ずっと聴いている。じつに良い。

Blossom Dearie - I Like You, You're Nice / Saving My Feeling For You (Parkinson, 1972)
YouTube: Blossom Dearie - I Like You, You're Nice / Saving My Feeling For You (Parkinson, 1972)

■この曲を唄うアイリーン・クラールのCDは3枚持っていて『Irene Kral LIVE』では9曲目に入っている。ラストの「コーヒーを一杯」のくだりで客席に笑いが起こる。何故だ? その理由がよくわからない。歌詞カードがなかったから尚更だ。ところで、オリジナル盤にはちゃんと英語の歌詞カードが載っていた。

で、例の「コーヒー1杯」のくだり。 " I'll make you a marvelous, wondrous and quite notorious cup of Costa Rican coffee " と、ある。

よくわからないのは「quite notorious」。

直訳すれば、「極めて悪名高き」となる。コスタリカのコーヒー豆に、血に塗られた暗黒の歴史でもあったのか? 単に「有名」なら、famous とか、well known を使うはずなのに、何故「quite notorious」なのか? 未だに、わからないのだ。

でも、ここで笑いが起こるのはたぶん、すっごく期待させておいて、なんだコーヒー1杯だけかよ!

っていう落ちに対してなんだろうなぁ。

Photo

■納戸を整理していたら、「I Like You,You're Nice」をA面5曲目で唄っている、アン・バートンのレコードが見つかった。ボサノバ・タッチで、アイリーン・クラールほど「しっとり」しすぎず、小粋に軽く唄っている。1983〜84年の録音だから、晩年のレコードか? ベースは、セシル・マクビー。渋いぞ!

2014年4月24日 (木)

伊那のパパズ、結成10周年。

■今から10年前の、平成16年(2004年)4月24日(土)。

北原こどもクリニック待合室で、われわれ「伊那のパパズ」は産声を上げた。

この時が「第1回」だった。

 

■それから、みんなで長野に行った夜だったか、倉科さんがしみじみこう言ったのだ。

「ぼくら、今まで 100回以上やってきたけれど、そのほとんどが依頼を受けて出向いていったものでしょ。自分らで企画して主催したのは、最初の回(平成16年4月24日)だけなんじゃないの? この4月で、われわれも結成満10周年を迎えることだし、その記念ライヴを僕らで主催するのはどう?」

と、いう訳で、「伊那のパパズ」結成10周年記念ライヴが決定いたしました。

下のポスターのように、

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日時)平成26年5月10日、午後3時開演

場所)「いなっせ」7階「会議室1、2」

入場)無料。予約は必要ありません。

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見て下さい、このポスター。

宮脇さんの奥さんが描いてくれました。

もう、プロ以上に「われわれ5人」(宮脇・坂本・伊東・倉科・北原)がそっくりに描かれていてビックリです。

10周年だからといって、特別な試みはありません。特別ゲストも出ません。

いつも通りの歌と踊りと、絵本の読み聞かせをご披露いたします。

ぜひ皆様、ご近所お誘いの上、「いなっせ7階」までおいで下さいませ。

10th2

2014年4月23日 (水)

『酒とつまみと男と女』BSジャパン(毎週火曜日夜9時〜10時)

Photo

■上の写真をクリックすると、もう少し大きくなります。

写真は、『週刊朝日』4月25日号の、116ページ。嵐山光三郎氏の連載エッセイ『コンセント抜いたか』の見開きだ。イラストは、南伸坊さん。少しだけ引用する。

 坂崎重盛著『ぼくのおかしなステッキ生活』(求龍堂)が増刷となった。そんなめでたい日に、東京堂書店の六階ホールにて 重盛 vs. 嵐山公開対談<ぼくたちはステッキ仲間>が行われた。(中略)

 私が2002年に日経新聞文化欄に書いた「欲情すれど執着せず」のコピーを持ってきた客がいた。このエッセイはよく覚えていて、六十歳になって「欲しいモノがなくなった」のは悟りなんぞではなくて、退化現象だと書いた。 モノを買うのは精神力と体力がいる。(中略)

 私の世代は仕事中毒症といわれ、オヤジたちはみんな会社と恋愛関係にあり、ワーカホリックで「いそがしくて遊ぶひまもない」と不満を言いつつ走り廻ることが楽しかったのだ。(中略)

 定年後にいかにして遊ぶか。モノを買う力が弱ったのは、収入が減ったからではなく、欲情する力が衰えたのだ。欲しいモノがあったら迷わず買う。のんびりと遊びつくす。断じて悟らない。受け身にならず。世間に欲情する、と宣言した。

 十二年前に書いたこのエッセイは、重盛先生と浅草の居酒屋さくまで飲んだときに思いたった。(中略)

 で、東京の盛り場を徘徊する重盛先生は、飲み歩く天然記念物として、テレビ番組にデビューすることになった。かねてより重盛先生の居酒屋通いに注目していたテレビプロデューサーがいて、BSジャパン(7チャンネル)で一年間の番組が始まった。毎週火曜、夜九時から十時ちかくまでの一時間番組「酒とつまみと男と女」の案内人。

 ソフト帽をかぶり、ステッキを右手に持ち、丸メガネをかけた俳号露骨の坂崎重盛先生(「アルフィー」坂崎幸之助の叔父・千葉大造園学科卒)こと「のんきなとーさん」が全国ネットのテレビに登場します。 『週刊朝日4月25号 p116,117』

■で、今週の火曜日の夜に放送された、BSジャパンの番組を録画して見たら、春風亭一之輔師に、例の坂崎重盛氏、そしてゲストの料理研究家でエッセイストの平松洋子さんが出ていて、陽がまだ高いうちから飲み始め、2軒目に彼らが向かったのが、その例の浅草寺裏の「さくま」だった。

この店はいいな。牛すじ煮込みがめちゃくちゃ美味しそうだし、コの字型のカウンター内側で忙しく働く女性たちの佇まいが麟としていて、じつに気持ちよい。そして、坂崎氏が特別注文した「ステーキ」。もやしとニンニクがいっぱい乗った一皿。いやぁ、美味そうだったな。ここはぜひ、行ってみたいぞ。

■4月から新しく始まったこの番組、なんだかすっかりファンになってしまった。

特に、4月15日放送の「西荻窪界隈編」は出色だった。ホント面白かった!

雑誌『古典酒場』編集長、倉嶋紀和子さんの豪快な飲みっぷり、凄いな。そして、角田光代さん。この人もすごい。二人して昼間から酎ハイをぐびぐび飲んで、次々とお代わりしてゆく。

この「飲んべえ2人女子会」の、テレビに映って放送されていることをすっかり忘れたかのような素の喋りが、めちゃくちゃ面白かった。 飲めば毎回記憶をなくすのか!? 飲んで家に帰ると、バッグの中から得体の知れない物が次々と出てくるのか!

角田さん。のみ屋に履いてきたジーパン忘れて帰ってしまうって? どういうこと? パンツのまま家へ帰ったの? 謎だ。

■先週土曜日の「中日新聞」文化欄(コラム「大波小波」が載る、前日夕刊版と同じ)に出ていた記事

         「BSでほろ酔い気分を」

 11年目を迎えた BS-TBS「吉田類の酒場放浪記」(月曜夜)。イラストレーターで”酒場詩人”の吉田類が大衆酒場を巡り、酒と料理を楽しみながら紹介する。

 牛久保剣プロデューサーは「吉田さんは自然に常連客に溶け込んでしまう。演出を排除し、日常の楽しさをそのまま伝えたい」。客と乾杯してつまみをもらい、酔っぱらう吉田に「ろれつが怪しい」などと静かに突っ込むナレーションも独特。(中略)

 BSフジ「美しき酒呑みたち」(日曜夜、不定期)は、俳優の新井浩文が友人と二人で全国の居酒屋を旅する。2012年に始まり、俳優の綾野剛や森山未來らが登場した。(中略)

 四月スタートのBSジャパン「酒とつまみと男と女」(火曜夜)。編成担当の柳川美波は「お酒は日常の一部。視聴者ニーズがある」と狙いを話す。

 出演は毎回三人。聞き上手な俳優や落語家を進行役に、知識豊富な作家や雑誌編集長がご意見番で加わり、ゲストを招いて好きなことを語り合う構成で「組み合わせで楽しめる」(柳川)。はしご酒の道中、周辺スポットも紹介する。

 視聴者との垣根を低くしようとナレーションは省いた。山下和晴プロデューサーは「出演者の会話をつまみに、楽に見てほしい」と話している。(中日新聞朝刊 4月19日付) 

■ さて、先日読み終わった『日本の居酒屋文化』マイク・モラスキー著(光文社新書)の話にようやく移るのだが、この本はホント面白かった!

 変な外人さん「マイク・モラスキー」が『青い目で不思議の国ニッポン探訪』するというキャッチを、たぶん彼は最も嫌うに違いない。最近、イギリス人一家が日本に旅行に来て日本食を満喫する本『英国一家、日本を食べる』(ぼくは未読)がヒットしたが、そうじゃないんだ。

1976年に来日後、断続的にのべ20年以上も日本(東京・京都)に住んでいるマイク・モラスキー氏は、日本人以上に、日本の「ジャズ喫茶」「居酒屋」を愛してきたのだ。そして、日本語で数々の著作を書いてきた。何せ大学教授だからね。

で、スミマセンが、「この本」のことは、日をあらためて書くことにいたします。

ごめんなさい。というワケで、タイトルも変えました。

 

2014年4月 6日 (日)

「おかあさんの唄」こどものせかい5月号付録(にじのひろば)至光社

■月刊カトリック保育絵本を出している「至光社」さんから原稿の依頼があった。

「よぶ」というテーマで書いて欲しいという。

案外むずかしいテーマだ。正直困った。

四苦八苦して書き上げたのが以下の文章です。

『こどものせかい5月号:こんにちは マリアさま』牧村慶子/絵、景山あきこ/文(至光社)の折り込み付録「にじのひろば」に載せていただきました。ありがとうございました。

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『おかあさんの唄』           北原文徳(小児科医)

 アン・サリーの歌声が好きだ。ジャズのフィーリングとリズム感が抜群で、英語やポルトガル語の歌詞の発音もネイティブ並にいい。でも、聴いていて一番沁み入るのは、『星影の小径』や『満月の夜』などの日本語で唄った楽曲だ。

 最新CD『森の診療所』は、うれしいことに日本語の歌が多い。中でも映画『おおかみこどもの雨と雪』の主題歌が素晴らしい。ぼくは映画館で聴いて、それまで我慢していた涙が突然止めどなく溢れ出し、照明が点くのが恥ずかしくて本当に困った。映画は、子供の自立と、親の子別れの話だった。

 昨年の夏、児童精神科医佐々木正美先生の講演を聴いた。先生は以前から同じことを繰り返し言っている。子育てで一番大切なことだからだ。

「子供が望んだことをどこまでも満たしてあげる。そうすると子供は安心して、しっかりと自立していきます。ところが、親の考えを押しつけたり、過剰干渉すると、子供はいつまでも自立できません。」

「生後9ヵ月になると、赤ちゃんは安全基地である親元を離れて探索行動の冒険に出ます。母親に見守られていることを確信しているから一人でも安心なんです。ふと振り返り、母親を呼べば、いつでも笑顔の母親と視線が合う。決して見捨てられない自信と安心を得た子供だから、ちゃんと自立できるのです。」  

 アン・サリーの歌にも「おおかみこども」が母親を呼ぶ印象的なパートが挿入されている。優しいアルトの落ち着いた歌声。彼女自身、二人の娘の母親だ。レコーディングやコンサートに、彼女は必ず娘たちを連れて行くそうだ。

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■ついでに、1年前、福音館書店のメルマガ「あのねメール通信:2013年6月19日 Vol.142」に載せていただいた、「ぐりとぐらと私」

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