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2011年9月28日 (水)

NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』いよいよ最終週

■2011年9月も、あっという間に最終週を迎えた。


と言うことは、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』も今週土曜日で最終回なのだな。


ぼくは基本的に、アバウトな構成を勢いだけで半年間突っ走る感じの、NHK大阪制作の朝ドラ(『ちりとてちん』『てっぱん』『ふたりっ子』『てるてる家族』など)が好きなのだが、この春は珍しく東京局制作の『おひさま』をずっと見てきた。


長野県松本市と安曇野市が舞台だったからね、それが見始めた動機。
だから、長野県での『おひさま』視聴率は平均して30%近くもあったのだそうだ。


ところが驚くべきことに、そんな信州以上に、福島県をはじめとする東北6県での『おひさま』視聴率が高いのだという。連日30%以上。その理由が「ここ」に載っているが、本当だろうか?


ぼくは案外「こんなところ」にその理由があるような気がする。


でも、何なんだろうなぁ。このドラマの魅力とは?


ヒロイン陽子の「おひさま」に照らされる周りの人々がみな、幸せになってゆくってことなんだろうなぁ。見ているぼくらも、その「おすそわけ」を毎日もらって、朝から何となくのほほんと幸せな気分になって、日々なんとか生きて来れたように思う。特にドラマ後半は、ほとんど東日本大震災とシンクロしていったから、福島県をはじめとする東北・北関東の人々は、ほとんど「我が身」のごとく「このドラマ」を見入ったのではないか。


このドラマには「悪人」が一人も登場しない。みんな「いい人」。


そのあたりの設定に、例えば名古屋の大矢さんなんかはすっごく違和感、嫌悪感を感じるらしいのだが、それはね、このドラマを最初からちゃんと見てないからです。違うんです。


悪人は何人も登場した。特に憎らしかったのが「ピエール瀧」演じる軍事教練担当の代用教員だ。これでもか、これでもかとヒロイン陽子をいじめまくったのだよ。それでも、ピエール瀧は最後の出演場面で「いい人」として散華してゆくのだ。この回の放送はもう、ボロボロ泣いてしまったよ。


あとは、そうだなぁ。平泉成。陽子の親友「真知子」の父親で、安曇野の帝王と言われた成金趣味の男。ところが、彼にも人には言えない苦労に満ちた人間ドラマがあったのだ。ぼくは「かあさん。星がきれいだなぁ!」そう、思わずしゃがれ声で声色をものまねしてしまうのだった。


それから、陽子の父親役の寺脇康文がとってもよかった。背筋をしゃんと伸ばして、いっつも正坐。とにかく姿勢がいい。それでいて、情けない「オヤジギャグ」を毎回かましてくれる。あはは! ほんと愛すべきキャラクターだ。


その、寺脇康文が毎夜松本の映画館に通って、とある映画を見続けたのだという。若くして亡くなった妻(原田知世)にそっくりな女優が出ていたからだ。


あれ? どこかで見たシーンだぞ。あ、そうだ。ビクトル・エリセ監督作品『エル・スール』じゃないか。スペイン北部に住む、一人の少女の物語だ。彼女の父親は、スペイン内戦の時はアンダルシアにいて人民戦線軍だった。この時彼は一人の女優と実らぬ恋に落ちた。今は北部地方で妻と一人娘と暮らす。そんな父が毎夜町に行き1本の映画を見ている。主演はあの女優だ。謎に満ちた父親の行動の真意を理解すべく少女は南(スール)へと旅立つ。(つづく)

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