中川五郎ライヴ at The 仙醸蔵(高遠ブックフェスティバル)
■先だっての 9月19日(日)は、母の一周忌だった。
午前11時から建福寺本堂で法要をしていただき、その後、みんなでお墓参り。
お昼は、新町の四季亭「もりた」へ。
早いものだ。あれからもう一年が経つのか。
本当は飲まないつもりだったのだが、高遠の兄に「まぁ、付き合え」と言われてビールを注いでもらう。あぁ、うまいな。料理もみな美味かった。なんと、大きな生の松茸もでたよ。〆は稲庭うどんだった。
■この日は「高遠ブックフェスティバル」の2日目で、町中は人にあふれて妙に賑やかだった。息子たちが高遠町図書館へ行きたいと言うので、一休みしたあと、まずは旧北條ストアーで開催されている古書市へ。SF本が妙に充実していて『百億の昼と千億の夜』光瀬龍(ハヤカワ文庫)をオール300円コーナーで見つけ、中2の長男に「お前はこの本を読むべきだ。絶対に気に入るはず」と、勝手に購入。それから『SFの時代』石川喬司(日本推理作家協会受賞作全集36・双葉文庫)も300円で入手。あと、『すぺるむ・さいえんすの冒険 小松左京コレクション』(ボクラノエスエフ 福音館書店 ¥1890 )を500円で購入。この本は本日一番の戦勝品だったかな。
図書館へ行くと、2階への階段を上がったところで「南信こどものとも社」の坂本さんが月刊誌「こどものとも」のバックナンバーを販売していた。フェスティバルの期間中ずっと店番をしてなきゃならないので大変だな。『とうだいのひまわり』『くいしんぼうのあおむしくん』『たいこたたきのパチャリントくん』など7冊購入。フリー・ペーパーのコーナーには、わざわざ遠く屋久島からやって来た人もいたよ。
午後4時からは、図書館2階の和室で書評家・豊崎由美さんが「古今東西の古典名作に関するブックトーク」を行うとのことだったが、すでに予約がいっぱいで聴けなかった。でも、この日の夜7時から仙醸蔵で開催される「中川五郎&良原リエ・ライヴ」を事前にメールで予約が取れていたので、妻と子供らには先に伊那へ帰ってもらってぼくだけ高遠に残り、ライヴ終了後にバスで帰ることにしたのだ。すでにアルコールが入っていたからね。
ところが、日曜祭日のJRバス時刻表を確認したら、伊那市行きの最終便は午後6時発で、その後は1本もない。ええっ! ぼくが高校生だった頃には、夜10時発くらいの便があったじゃん。信じられないな。仕方ないので、高遠の実家に泊めてもらって翌朝妻に迎えに来てもらうことにした。そうなったらまた気が大きくなって、にんべん酒店へ行って缶ビールとワインを仕入れ、ライヴの時間までもう少し兄と飲む。
この日の早朝、成田を出て渋滞の中央道を車でやって来た次兄は、泊まらずに日帰りしなければならず、ビールは飲めず。ごめんなさいね、兄貴。
■夜7時の時間が近づいたので、歩いて仙醸蔵へ。もう40〜50人近い聴衆であふれているんじゃないかとイメージして行ったら、まだ数人しか来ていない。そうか、この時間だと伊那へは帰れないからね。高遠ブックフェスティバルへ1泊2日でやって来た人でも、ホテルが伊那市街地だったらライヴを聴くことは無理なんだな、自家用車かつノン・アルコールでなければ。
しばらくして、辰野町在住のシンガー・ソング・ライターで、豊南女子短大教授でもある三浦久氏が、奥さんといっしょにやって来て、ぼくのテーブルの後ろに座った。バンジョーのチューニングをしていた中川五郎氏は直ぐに三浦氏に気付き、客席に来て歓談。旧知の仲なんだね。三浦氏は、さかんにレナード・コーエンのロンドン・ライヴのCDの話を五郎さんにしている。ぼくのすぐ後ろでね。あ、その「レナード・コーエンのライヴDVD」ぼくも持ってます! 振り返って、よっぽどそう言おうかと思ったが、じっと我慢した。
そうして始まった中川五郎氏のライヴは、本当にすばらしかった。
若いなぁ、五郎さん。それに、昔よりもずっと、唄が上手くなっている。それに、歌声がすごく力強いのだ。
ぼくが生で彼のライヴを聴いたのは、今から30年以上前の都内のとあるカフェで行われた、友部正人とのジョイント・ライヴ以来だと思う。中川五郎さんと言えば「色男、金と力はなかりけり」といった風情で、何となく自信なさそうに、か弱く唄っている印象があったのだが、今回は違った。なんかすっごく説得力と自信にあふれていたのだ。それには、良原リエさんのアコーディオンによる絶妙の伴奏の影響も大きかったかもしれない。
「主婦のブルース」とかは聴いたことあったが、懐かしい名前の、ピート・シーガーとか、ボブ・ディランとかの曲も、この日初めて聴いた。みないい曲じゃないか。
そうこうするうちにライヴも終板となり、聞き覚えのある伴奏が流れ出した。
あ! 「ミー・アンド・ボビー・マギー」だ!
中川五郎さんの唄の中で、ぼくが一番好きな曲だ。
ぼくは知らずといっしょに歌っていたよ。
「自由っていうのは失うものが、なにもないことさ〜」
「いい気持ちになるのは かんたんなこと〜」
「ボビーがブルースを唄えば〜、それだけで俺たちゃご機嫌ん〜」
うれしかったなぁ。今日のこの日、高遠の仙醸蔵にいれて、本当によかった。心からそう思ったよ。
ありがとう! 中川五郎さん。
「ミー・アンド・ボビー・マギー」は YouTube にはなかったので、彼の「もうひとつ」の大好きな曲を紹介しようか。これだ。
「ミー・アンド・ボビー・マギー」のあと唄ってくれたのが、この「ビッグ・スカイ」。
この曲もよかったなぁ。会場は大盛り上がりで、五郎さんはテーブルに上ってギターをかき鳴らし熱唱したよ。
もう、めちゃくちゃパワフルで感動してしまったなぁ。
この話は、もう少し続く予定だが、
中川五郎氏は、自身のブログで「こう」書いているのでご紹介しておこう。あぁ、そうだったのか。知らなかったな。
しばらくはリンクがつながっているんじゃないかと思う。
■前述の三浦久先生のホームページにも「9月19日の日記」に写真入りで当日のライヴの様子がかかれているよ。
(つづく)
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