ジャズ Feed

2010年3月 3日 (水)

僕のオーディオ・システム

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■月初めはレセプトチェックの日々。当院では未だ旧態然で、オンライン・レセプト提出ができずに、事務スタッフがプリンタで打ち出して、カルテと一枚一枚照合して箱に入れ、それを僕が病名チェックしている。今どき無駄な時間なようだけれど、ぼくは深夜のこの時間帯が好きだ。いつも大音量でジャズをかけることができる、至福の時間帯なのだから。

■とは言え、当院に高級オーディオ・システムはないから、ご覧の通り、SONY のラジカセ(ヤマダ電機で2万円で購入)を iPod Hi-Fi(確か4万円くらいしたな。現在は製造中止)に繋いで聴いているのだ。でも、自慢じゃないが、結構いい音がしてる(と思っていた)。

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■ホンモノを知らなければ、たぶん「それ」で十分満足していたのに、じつは先日、禁断の果実をかじってしまったのだ。

あれは、先月の2月21日(日)午後のことだった。飯島町から下伊那郡高森町へと移動したぼくは、午後2時から「高森町子育て支援センター」で「気をつけましょう! メディア漬け子育て」の講演会。同じ時間帯に、高森町体育館でプロのVリーグのバレーボールの試合があったので、ぼくの話を聴きにきてくれた人は12人だけだった。

でも、挫けずに最後まで手を抜かず話しましたよ!


時間オーバーして話していたら、どこかで携帯がコールしている。うるさいなぁ、講演中くらい携帯の電源オフしろよなぁ、と思ったら、鳴っていたのは僕の携帯だった(^^;;


困ってそのまま無視したら、どうも飯田市で開業している先輩の小児科医、矢野先生だったみたい。

じつはこの日の講演後、矢野先生といっしょに、飯田市内の老舗オーディオ・ショップでJBLスピーカー「4429」を聴かせてもらう手はずになっていたのだ。約束の時間から40分遅れで矢野先生と落ち合い、件のオーディオ・ショップへ。この日は月に一度の定休日の日曜だったのだが、矢野先生が店主にお願いして、ぼくのために店を開けてもらったのだった。ほんとスミマセンでした。

以前、アルティックのスピーカーとジャズ喫茶の話をしたことがあったけど、
JBLのスピーカーにはさらに特別の思い入れがある。
昔は「4311」を近所迷惑も省みずガンガン鳴らしていたこともある。
しかし、このところすっかりオーディオ熱も冷め、
ラジカセでジャズを聴いて「それでよし」としていた。

堕落したものよ。


しかし、「4429」は発売当初から珍しく「これは!」と直感して
いつかは欲しいなと狙っていたスピーカー。
だから、ぜひ実際に「その音」を聴いてみたかったのだ。
ぼくの直感は間違ってなかったな。


「4429」は想像以上に素直でいいスピーカーだった。
ふだんよく聴くCDを持って行って(写真2)かけてもらったのだが、
よく鳴るなぁ。特にトランペット! なんともリアルな質感!


あと、ベースの響きが本物!
マイケル・ヘッジスのギターソロも凄い音だ!

うっ、欲しい! 「4429」欲しい!!!
でも、2本で 546,000円。た、高いなあ。


人間、知らなければそれなりに満足した人生がおくれたものを、
なまじ「ホンモノ」に触れてしまったがために、
もう、後には戻れない「からだ」になってしまうのだなぁ。
まさに禁断の果実だ。

因果よのう……


2010年1月30日 (土)

喫茶&パフェ「灯」が、ジャズ喫茶「kanoya」に変わった

■今週は連日連夜の会合で、さすがに疲れた。
明日の日曜日は、久々に「予防接種なし」のフリー日だ。
ありがたいねぇ。


今夜は、伊那中央病院の夜間小児一次救急の当番。
あわよくば読めるかと、『横道世之介』吉田修一(毎日新聞社)
を持って行ったのだが、結局1ページも読めず。今はまだ7月。
9人診て、夜9時半で終了。点滴になった子は、後はお任せ。すみません。


■この間の日曜日のことだ。


忙しく新型インフルエンザのワクチン接種を黙々とこなしていると、
受付スタッフが来て言った。

「先生、お電話です。○○の宇佐見さんからです」

この手の電話はマンション購入の勧誘か、怪しげな先物取引に
決まっている。やたら調子のいい「だみ声」で、彼らは必ずこう言うのだ。
「○○の□□ですが、院長先生お願いしま〜す」と。


やれやれ、まいったなぁ。嫌々電話に出る。


「ベースの宇佐見です。ご無沙汰しちゃっていてすみません」
馴れ馴れしいダミ声で電話の相手は言った。


ぼくは一刻も早く電話を切って診察室に戻ることしか
考えていなかったから、面倒くさそうに「知りません!」それだけ言って
電話を切ろうとした。そしたら相手はあわてて付け加えた。

「ジャズ喫茶 BASE のマスターの宇佐見ですよ!先生」


あ、ホテル・センピア前の「BASE」の宇佐見さんね。
いやはや、失礼いたしました。とんだご無礼、どうかお許し下さい。


このところ、外に飲みに行くことがないから、
「BASE」も半年以上ご無沙汰だったのだ。


マスターの弁によると、今の店は人に譲って、
自分は、桜町の旧「中村歯科医院」南隣、「鍋焼城」向かいの
「喫茶&パフェ・灯(ともしび)」を居抜きで借りて、
12月末から新たに『Kanoya』(前に駒ヶ根でやっていた店の名前)
を始めた、とのこと。


水曜日の夕方、先日のお詫びと移転祝いを兼ねて、
「LAPHROAIG / Quarter Cask 」を一瓶下げてさっそく訪問する。


あ、なかなかいい雰囲気じゃん。不思議と馴染んでいる。


まるで、何十年もやってる、老舗のジャズ喫茶の感じだ。

ここなら、ライブやっても50人は収容できるね、マスター。

帰ってきてから検索したら、

すでに「訪問記」が載っていたぞ。
もっと、宣伝しなきゃ、客はこないよ、マスター。


2009年12月19日 (土)

「Sweet Love Of Mine」Woody Shaw (つづき)

■昨日の夜は、伊那市天竜町「青龍」で「北原こどもクリニック」の忘年会だったため、更新はお休み。とは言え、連日の更新には無理があるな。2〜3日に1回のペースが一番自分のリズムに合っているように思う。

■さて、Woody Shaw のつづき。メジャーレーベル CBS/Columbia と契約し、70年代末〜80年代初頭に遅咲きながらも人気が出て活躍を続けたウディ・ショウだったが、その後が悲劇の連続だった。尊敬する先輩サックス奏者に女房を寝取られ、レコード・ジャケットに何度も登場する最愛の息子も奪われてしまう。失意のどん底に突き落とされたショウ。追い打ちをかけるように、さらなる悲劇が彼を襲う。

1988年、HIV感染が判明して闘病生活を続けていたが、1989年2月、ブルックリンの地下鉄ホームから転落(彼は生来の弱視だった)、左腕の切断を余儀なくされる。これでもう二度とトランペットを吹くことはできなくなった。そのまま同年5月に永眠する。享年44。 ジャズ・トランペッターには悲劇の人が多い。交通事故で早世した天才クリフォード・ブラウン。ジャズクラブで愛人に射殺された リー・モーガン。尿毒症のため、わずか23歳で夭逝した ブッカー・リトル。麻薬に毒されて26歳で逝った ファッツ・ナヴァロ。そして彼、ウディ・ショウ

■メロディ・メーカーとしても名高いウディ・ショウのオリジナル曲で最も有名な曲が、この「Sweet Love Of Mine」だ。初演は、アルト・サックス奏者ジャッキー・マクリーン Blue Note レーベル最後の作品『デーモン・ダンス』B面1曲目に収録されている。1967年12月22日録音。なんか、気持ち悪いジャケットだね。YouTube に音源があった(画像はなし)

■ぼくが一番好きな「Sweet Love Of Mine」は、このオリジナル演奏じゃなくて、同じくアルト・サックス奏者のアート・ペッパーが麻薬離脱治療から復帰して制作した2作目『ザ・トリップ』 A面3曲目に収録された同曲だ。これはよく聴いたな。さんざん聴いた。ちょと気負って肩の力が入った演奏だけれど、ふと、くつろいで力が抜ける瞬間があって、その時、かつての天才プレーヤーだった片鱗がかいま見える、アート・ペッパー。アフリカから押し寄せる波のような重いボサノバ・ビートを刻む、エルヴィン・ジョーンズ。トミー・フラナガンを更にモダンにしたような絶妙なピアノソロを取る、ジョージ・ゲイブルス。みんないい。探したら、YouTube に音源があった(やはり画像はなし)

ウディ・ショウ本人のリーダー・アルバムに「この曲」が収録されたのは案外遅くて、『Master Of The Art』(ELEKTRA /musician) B面2曲目に入っている。これもいいな。1982年2月25日の、ニューヨークはジャズ・フォーラムでのライブ音源。 日本人の演奏では、日野皓正のヴァージョンもあるみたいだが、ぼくは聴いたことがない。ぼくが長年愛聴してきたのは、鈴木勲『BLUE CITY』(TBM-2524) A面2曲目。曲のタイトルが「45th STREET - at 8th Avenue-」と異なるが、中身は「Sweet Love Of Mine」。初めて聴いたのは、伊那にかつてあったジャズ喫茶「アップル・コア」だったと思う。このLPは、当時のジャズ喫茶の人気盤だったのだ。 一番最近聴いて気に入っているのは、『LIVELY』安井さち子 トリオの7曲目。これもいい。 ■最後に、動いているウディ・ショウの画像。こいつは凄い。メチャクチャ格好いいじゃん!

■ ウディ・ショウ(Woody Herman Shaw II,  1944年12月24日 - 1989年5月10日)<今月のこの一曲>

2009年12月17日 (木)

今月のこの1曲「Sweet love Of Mine」 by Woody Shaw

091217_7 ■画像の扱いが、まだよく分からないのだが、今回は小さくなりすぎたかな。この画像をクリックしていただくと、画面が大きくなります。 さて、今日は今は亡き僕の大好きなトランペッター、ウディ・ショウのはなし。 ■ぼくが一生懸命ジャズを聴いていた大学生時代(1977年〜1982年)は、フュージョン全盛で、ストレート・アヘッドなアコースティック・ジャズは隅に追いやられていた。そんな時代でも、志あるジャズ喫茶では 「WOODY SHAW / STEPPING STONES」がよく掛かっていた。例えば、新宿の「DIG」とか、渋谷の「BLAKEY」とか。ぼくは散々聴いたよ、このレコード。だからアナログ盤で持っているんだ。 いま「ググる」と、ウディ・ショウは「悲劇のトランペッター」とか「正当に評価されなかった不遇のトランペッター」という単なる「くくり」になってしまうのだけれど、事実は決してそうじゃなかった。あの頃のウディ・ショウは、ジャズ喫茶では一番の人気者だったのだ。 確か、当時の人気を反映して、来日公演もしているはずさ、ウディ・ショウ。(まだまだ続く) ■<今月のこの一曲>

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