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2014年9月28日 (日)

今月のこの1曲。Booker T&The MG's 『 Time is Tight 』


YouTube: Booker T & The MG's ~ Time is Tight (HQ)

■月刊誌『小説すばる』を、毎月17日に平安堂まで買いに行く。去年の8月号からだから、もうかれこれ1年以上も続けていることになる。雑誌で連載されている『1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代』柳澤健を読むためだ。この「10月号」で、この連載も【第15回】となり、いよいよ終盤に入った。

■ただ、柳澤健氏は林美雄「ミドリブタ・パック」の熱心なリスナーだった訳ではない。確か宮沢章夫氏が書いていた(ラジオで言っていた?)のだが、「小説すばる」編集長の高橋秀明氏に林美雄の評伝を連載するよう強く請われてのことだったようだ。

ところが、その小説すばる編集長が今年の4月19日に脳出血(脳梗塞?)のため急逝する。享年46。
検索していたら、そのことに関して柳澤健氏自身が「FBに書いている文章」を見つけた。

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■柳澤氏は、連載を始めるにあたり、かなり時間をかけて実に多くの関係者、ファン達から丁寧な取材を行っていて、そこに書かれている内容は初めて知る驚きの事実も数多くあり、実に読み応えがあった。ただ、かつての熱烈な林美雄ファンとしては、彼の「虚像」がどんどん剥がされて「実像」があらわにされてゆく「この連載」は、読んでいて正直辛くなることも多い。

でも、宮沢章夫氏が ETV『ニッポン戦後サブカルチャー史』(第4回)で「林美雄」を大々的にフィーチャーしてくれたことは本当にうれしかったな。

番組では「林美雄パック」のオープニング・テーマ「BOOKER T. & THE MG's -- TIME IS TIGHT」も流れた。懐かしかったなぁ。

★【林美雄に関する過去記事】★


『深夜放送の黄金時代』 林美雄パック(その4)2003/03/31
『深夜放送の黄金時代』 林美雄パック(その3)2003/02/08
『深夜放送の黄金時代』 林美雄パック(その2)2003/02/06
『深夜放送の黄金時代』 林美雄パック(その1)2003/02/03

『小説すばる 8月号』林美雄とパックインミュージックの時代  2013/07/22
『林美雄 空白の3分16秒』宮沢章夫(TBSラジオ)     2013/12/31

「BOOKER T. & THE MGs」は珍しいバンドで、リーダー(オルガン)とドラマーが黒人、ギターとベースが白人の混成チームなのだ。スタックス・レコードの専属バックバンドとして、オーティス・レディングのレコーディングなどに参加しつつ、インスト・ナンバーばかりの『Green Onions』 (1962)でデビューし人気バンドとなった。「TIME IS TIGHT」は、1969年のスマッシュ・ヒット。

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■ブッカー・Tは、実はなかなかの美声の持ち主で、「フリー・ソウル」選曲者の橋本徹氏は『FREE SOUL : COLORS』のラストで、ブッカーTが 1974年に出したヴォーカル曲「ジャマイカ・ソング」を紹介し話題になった。

jamaica song
YouTube: jamaica song

その橋本徹氏による、2010年代の「フリー・ソウル」コンピ『Urban-Mellow Supreme』にも、ブッカー・Tが 2013年に出した「Watch You Sleeping」が、19曲目に入っている。橋本氏、ブッカー・Tが大好きなんだね。

< MG's の他のメンバーのその後>

ギターのスティーヴ・クロッパーは、現在も活躍中。1980年代はベースのドナルド・ダック・ダンと共に「ブルース・ブラザーズ」のバンドで再び人気を博し、忌野清志郎との共演後は来日回数も多い。
ドラムスのアル・ジャクソンは、1975年10月、自宅前で暴漢に銃で撃たれて死亡した。犯人は現在も不明。
ベースのDonald "Duck" Dunn(ドナルド・ダック・ダン)は、2012年5月、東京ブルーノート出演のため来日中にホテルで急逝。70歳だった。

 

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