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2014年7月12日 (土)

『時間という贈りもの フランスの子育て』飛幡祐規(新潮社)を読んでいる

■フランスの子育てに関しては、『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』(集英社)が、いま一番評判を呼んでいるワケだが(ぼくも読みたいと思ってはいる)、同じ 2014年4月25日発行のこの本、『時間という贈りもの フランスの子育て』飛幡祐規(新潮社)をたまたま手にして、なんかピンとくる(硬派な感じ?)ものがあり、いま読んでいるところだ。

「はじめに」の部分からの引用

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 2007年の大統領選挙の前後に、サルコジは『クレーヴの奥方』を目の敵にする発言を何度も繰り返し、多くの人々の顰蹙をかった。(中略)

 (小説『クレーヴの奥方』を交替で読み続ける)朗読リレーは、2009年の2月から十数週間にわたって行われた教員や研究者による大規模な大学改革案反対運動のひとつとして始まった。短期間に具体的な成果が得られる研究や学問だけに投資する、市場論理にもとづいた大学「改革」を彼らは批判していた。(中略)

朗読を呼びかけたパリ第三大学の教員は、次のように記している。

「私たちは、『クレーヴの奥方』をはじめとするさまざまな文学、さらに芸術や映画について、どんな職にある住民とでも語り合うことができるような世界を望んでいます。

なぜなら、文学作品を読むことは、仕事のうえでも私生活においても、世界に立ち向かう準備となると確信しているからです。なぜなら、複雑さ、思索、文化といったものがなくなったら、民主主義は死んでしまうと思うからです。

なぜなら、大学とは手柄や成績ではなくて美の場所、収益性ではなくて思考の場所、同じことの繰り返しではなく文化的・歴史的に異なるものとの出会いの場所であり、そうでなくてはならないと考えるからです……」(p9 〜10)

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 フランソワーズ・ドルトー(1908〜1988)は小児精神分析の先駆者のひとりで、スイスの心理学者ジャン・ピアジェ、小児精神分析家のメラニー・クラインやドナルド・ウィニコットと同様、子どもの成長について新たな視点をもたらした人物だ。(中略)

 自立した人間に育てるとはどういうことか、ドルトーはわかりやすく述べている --- 「子どもに自由の限界をわからせつつも、彼・彼女が自由に考え、感じ、判断できるように、知性と創造的な力を引き出すこと」。日本でよく使われる表現を借りると「自分の頭で考えられる」ように、ということだ。(中略)

 ドルトーの考え方は、国家や社会、親などが望む模範に子どもを当てはめようとする「調教」のような教育観に、まっこうから対立するものだ。指導者の指示と命令のもとに、調教された人たちが大量の迫害や虐殺を行ってきた人類の歴史、とりわけ 20世紀の史実をふり返ると、自由に考え、感じ、判断できる人間に育てることがいかに大切か、わかるのではないだろうか。(p15〜17)

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