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2014年3月 3日 (月)

NHK特集ドラマ『ラジオ』を見た

■昨日の土曜日の午後2時から、NHKBS2で、ドラマ『ラジオ』ノーカット版の再放送があった。ハードディスクに録画した地上波放送の「短縮版」もあわせると、今回で4回目の視聴になる。4度目でも、ぜんぜん飽きない。むしろ、ファーストシーンから「あのラスト」を思い浮かべてウルウルしてしまっている。

   < ドラマ「ラジオ」をご覧になった皆さんへ >

ロング・バージョンと「通常版」との違いが実はよく分からなかったのだが、今回見て「各シーン」がちょっとずつ長くなっていることと、「某ちゃん」と名付けて津波に流されて死んだ同級生の墓参りのシーンが追加されていることが分かった。

前回「通常版」を見て、ロング・バージョンよりも見ていて緊張感が維持でき、やっぱり「こっち」の方がいいかなって思ったのだが、今回「ロング・バージョン」を再度見て思ったことは、「こっち(ロング)」の方が、サイドメン(脇役)に焦点が当たっていて、彼らの気持ちに丁寧に寄り添っていることが見て判った。

例えば、某ちゃんの母親と父親。某ちゃんが自分の二本足で立って前に進もうと決意した日の港でのシーン。それから、夜の仮設住宅の前で凍えながら娘の帰りを待つ母親と、家の中で一人勝手にヨーグルトを貪り食っている父親。この場面は、89分版のほうが見ていてリアルにぐっときた。人間は、どんなに大変な状況においても、メシ食ってクソたれる日常を生きて行かねばならない、という人間の宿命。

そして、なんでもない日々の家族の営みの繰り返しが、実は掛け替えのない「幸せ」なのだということを、画面を見て瞬時に感じることができたからだ。

あと、ラジオ局のディレクター新井浩文と、安藤サクラの佇まいが、ロング版の方がずっとぐっとくるのだよ。あと、高校生DJの同僚、夏居瑠奈の心境も今回初めてよーく分かった。リリー・フランキーは、どっちのヴァージョンでも絶対的にいい! この人の存在感は半端ないね。

新井浩文は、阿部寛の『ゴーイング・マイ・ホーム』に出ていて、それから、安藤サクラといっしょに、NHKのドラマ『書店員ミチルの身の上話にも出ていた。どちらの番組も、制作は「テレビマンユニオン」これ重要。『ゴーイング・マイ・ホーム』を撮った是枝監督も、テレビマンユニオンの出身。

■「ラジオ」って媒体、いいよね。「いま・ここ」でオンエアーされた「音」が確かに伝わって、リスナーの耳に届く。その「音」は、音楽であり言葉でもある。

ところが、ブログやSNSは「文字」でしか伝わらない。そこでは、相手の体温、表情は感じられないから、いくらでも勝手に「誤読」が可能だ。(まだ続く)

(続き)

■ドラマ『ラジオ』の魅力は、実在する「某ちゃん」が実際にブログに書いた文章の切実さと、それを何度も現地(女川)に通って、地元の人たちと交流を重ねた中から脚本を書き上げた一色伸幸氏の力量、そして、某ちゃんを演じた「刈谷友衣子」の飾らないごく自然な演技の3つに集約される。

しかし、ぼくが一番に注目したのは、師匠「佐々木昭一郎」の演出とカメラが、確かに「そこ」にあったことだ。プロの役者さえも、素人が自然に振る舞っているかのごとく見せる、佐々木マジック!

「某ちゃん」のブログを現在は見ることができない。

ドラマを「ほぼ完璧に文章化したサイト」があった。ここ、読んでみてください。

■あと、忘れてならないのが「音楽」!

ドラマで流れた楽曲はすべて「某ちゃん」の選曲なのだそうだ。

しょっぱなで流れる、スターリン『負け犬』は衝撃的だった。

負け犬 / THE STALIN
YouTube: 負け犬 / THE STALIN

そして、

THEイナズマ戦隊 応援歌
YouTube: THEイナズマ戦隊 応援歌


http://ameblo.jp/pikataa3/entry-11498729596.html


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