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2013年1月17日 (木)

「古今亭志ん朝・大須演芸場CDブック」を聴く

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■せっかく書いた文章が、アップする前に接続が切れてしまったため、消えてしまった。頑張っていっぱい書いたのに、やれやれ。


高遠の兄から『古今亭志ん朝・大須演芸場CDブック』を借りてきた。これは凄いな。CD30枚組。豪華ケース入り。


志ん朝師が、経営悪化で四苦八苦している名古屋大須演芸場の席亭を救うべく、1990年10月から 1999年11月までの10年間、毎年秋に大須演芸場に出向き「三夜連続独演会」を開催した。

いつもは閑古鳥が鳴く大須演芸場も、この時ばかりは大入り満員だったそうだ。晩年の志ん朝師は、浅草演芸ホールでの夏の「住吉踊り」と、秋の名古屋大須演芸場での独演会を何よりも大切にしていたという。


■小林信彦『名人 志ん生、そして志ん朝』(朝日選書)を読んだので、大須演芸場での独演会のことは知っていた。実際に行って聴くことのできた人たちが、ものすごく羨ましかった。

その大須演芸場の「音源」が、まさかこうして公に出るとは思いも寄らなかった。


もともと、雑務で忙しい席亭が個人的に後で聴くために志ん朝師に頼んで師の公演をカセットテープに録音させてもらったもので、その年によって録音状況がずいぶんと異なっている、いわば私家版のブートレクなのだ。

だから、演目によっては音は極端に悪い。


でも、その欠点を補っても余るほどに、この「音源」を聴くことができた喜びは大きいな。

なによりも「マクラがたっぷり」なことが出色だ。

それに、リラックスしてくつろいだ普段着の志ん朝師が感じられる。

独演会とはいえ、大須演芸場の「場」が醸し出す「雰囲気」が、志ん朝師をいつになく普段の「寄席」での高座の気分にさせたのであろう。


それに、晩年の志ん朝師の高座を、これだけ沢山の演目と共に集めた音源は他にはないはずだ。そこが貴重。

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