« パパズ絵本ライヴ(その75)コーア(株)次世代育成研修会 | メイン | 『ハヤ号セイ川をいく』フィリパ・ピアス著(講談社青い鳥文庫)読了 »

2011年3月 4日 (金)

春風亭一之輔さんを、初めてナマで聴く

■先週は、流行中のウイルス性胃腸炎に罹って水様下痢に悩まされたが、下痢がよくなったかと思ったら、今週は喉をやられて声が出なくなってしまった。濃い鼻汁に痰のからんだ咳、熱はないが、得もいえぬ体の怠さが続いている。そんなに不摂生な生活をしているつもりはないのだが、体力が弱ると、次々と病原体が容易に侵入してくるようだ。


また、こういう時に限って忙しいときている。


今度の日曜日は当番医で、来週の火曜日までに上伊那医師会2月の理事会の議事録をテープ起こしして事務長さんに提出しなければならない。翌日、水曜日の昼には伊那東小学校へ出向いて、卒業間近の6年生に「薬物依存とタバコの害」の授業をすることになっているのだが、その準備も全くできていない。さらには、上伊那医師会報3月号の巻頭言を書く約束になっていて、その締め切りが来週末の金曜日ときている。いやはや、まいったなぁ。


■さて、小学館『サライ』責任編集「隔週刊CDつきマガジン・落語 昭和の名人完結編」の刊行が始まった。その第1巻は「桂枝雀・代書、親子酒」で、確かこの音源は持っていたように思ったので買わなかった。で、その2巻目が「古今亭志ん朝」だ。これは即買った。東横落語会の音源(「居残り佐平時」s55/05/16 「猫の皿」 s53/11/29 収録)だったからだ。


よく、立川志らく師が言っていることだが「江戸の風が吹くものを古典落語という」と。


古今亭志ん朝の落語は、まさに「江戸の風」が吹いている。
志らく師が大好きな志ん朝師の兄、金原亭馬生の落語にも、たしかに「江戸の風」が吹いていた。

ただ、勘違いしてはいけないのだが、じゃぁ、チャキチャキの江戸っ子でなければ「江戸の風」を落語の中に吹かせることができないかと言うと、決してそうではないのだな。そこが落語の面白いところだ。


■と言うのも、今週の日曜の午後、駒ヶ根「音の芽ホール」で落語を聴いてきたのだが、そこには確かに「江戸の風」が吹いたように思ったのだ。っていうか、その落語家さんの所作、立ち振る舞い、口調に、古今亭志ん朝の粋と江戸前が重なって見えたのだ。

ところで、その落語家さんは江戸っ子ではない。


なんと、山下洋輔氏のお兄さんが醤油を作っていた(ヒゲタ醤油)千葉県野田市の出身なのだ。そう言えば、柳家三之助さんは千葉県銚子市の出身だったか。そうは言っても、彼は実力派正統落語家を数々生んできた、あの「日大芸術学部・落研」出身。今は亡き古今亭右朝。それから高田文夫、立川志らく。みな「日大芸術学部・落研」出身だ。(ちなみに、柳家喬太郎師は、同じ「日大」でも、名門「日大芸術学部の落研」出身じゃなくて、日大商学部の落研出身なのだった。)


で、「その落語家さん」の写真が、例の「隔週刊CDつきマガジン・落語 昭和の名人完結編2」の14〜15ページに載っているのですよ。「羽織の着方」の説明ページ。でもこの人、写真写りが悪すぎる! 実物はこの10倍いい男なのに。


彼の名は、春風亭一之輔。


昨年10月からは、日曜日の早朝にFMラジオのパーソナリティも務めている。『SUNDAY FLICKERS』だ。ぼくも何度か車の中で聴いたことがある。じつはこの放送、収録もとの「東京FM」では放送してなくて、FM長野をはじめ全国地方FM局でネットされているのだとか。


でも「こちら」で、ポッドキャストが聴けます。一之輔さんの「ダイジェスト落語」も聴けます。


■世間では、日本で一番「落語会」に通いつめているライターは堀井憲一郎氏であると思われているけど、堀井氏にまけないほど「落語会」に通い詰めているライターがいた。それが、月刊音楽雑誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏だ。


その広瀬氏が「いま一番の注目の若手落語家」として追っかけているのが、春風亭一之輔さんだ。


広瀬氏がどれほど春風亭一之輔に惚れ込んでいるかは、『この落語家を聴け!』(集英社文庫)の「文庫版のためのあとがき」を読めばよくわかる。なんと、まだ二ツ目の春風亭一之輔さんのために、まるまる3ページを割いているのだ。これは破格のあつかいと言えるな。


■追加(Twitter に書いたこと)


今日の午後3時から駒ヶ根市「音の芽ホール」であった「春風亭一之輔 噺の会その弐」を聴きに行ってきた。面白かったなぁ。一之輔さんはぜひ一度ナマで聴いてみたいと前から思っていた人だ。最後に入場したら最前列正面の3席だけ空いていて僕ら家族で座る。高座の落語家さんと超至近距離で緊張したよ。


(続き)観客は全部で30数人のアットホームな会で、そこがまたよかったな。考えてみれば贅沢な落語会だ。演目は「ろくろ首」「天狗裁き」「竹の水仙」。評判には聞いていたが、いや実際、この人はうまい。面白い。声もいい。ぜひまたナマで聴いてみたいと思う。


(じつは続き)春風亭一之輔さんの噺では、「あくび指南」か「茶の湯」を聴いてみたかったのだが、「あくび指南」は去年の6月に駒ヶ根へ来た時にやったんだね。その時、今日うちの次男が座った席にやはり小学性がいて、でも横の父親と本人の許可を得て郭噺をやったと一之輔さんが言ってたが「明烏」か? (追伸:H22年6月に駒ヶ根に来た時の演目は、「初天神」「あくび指南」「明烏」だったそうだ。)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.dcnblog.jp/t/trackback/463039/26086333

春風亭一之輔さんを、初めてナマで聴くを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Powered by Six Apart

最近のトラックバック