アントワン・デュフォール Live in Takato(つづき)
■前回2年前に亀工房がプロデュースした「ドン・ロス 日本ツアー」の「いなっせ」公演(2008/09/15)を見に行った時も、ドン・ロス驚異のギター・プレイに度肝を抜かれたのだが、今回のアントワン・デュフォールのギター演奏には、もっとおったまげた! ギターって楽器が、こんなにも多様な音色と打楽器的リズムを刻むことができるとは。もう、ビックリ仰天です。
この人は、まだ30歳だというのに、天才マイケル・ヘッジスのテクニックをいとも簡単に手中に収め、なおかつ、ドン・ロスのファンキーなリズムと、アンディ・マッキーのようなメロディアスな叙情性までも完璧に表現してみせるのだ。ナマで見て聴いていてると、ちゃちゃっと簡単に演奏しているように見えるのだが、とんでもなく高度で複雑なテクニックを駆使しているのだよ、絶対に。
しかも、たった1本のギターで曲が終わる度に、次々と変則チューニングを変えて演奏を続ける。すっごいなぁ。コンサート終了後、購入した最新作CDにサインしてもらった時に右手を見せてもらったのだが、案外小さな手だったよ。なのに何故、あんな魔術的な驚異の演奏ができるのか? ホント信じられないな。
ただただビックリしてしまい、演奏曲目とかちゃんとチェックしてなかったのだが、印象に残った曲は「En T'attendant」っていうフランス語の曲名が付いた曲だ。意味は「君を待ってるよ!」で、まだ奥さんのお腹の中にいた彼の息子のために作った曲なんだそうだ。あと、初期の曲「Trilogy」はウインダムヒル・レーベルの音がして懐かしい感じがした。
それからアンコールの前のラストに演奏された「Ashes n the sea」。この曲は「YouTube」で、さんざん聴いていたからね、大好きなんだ。彼の話によると、この曲は数年前にバンクーバーで銃で撃たれて死んだ従兄弟のために作られたのだそうだ。本当はとっても悲しい曲だったんだね。知らなかったな。
あと、ぼくも不思議だった、ギターのネックに巻かれたバンダナ。どんな意味があるのか前澤さんが質問してくれた。そしたら、アントワンをこう答えたよ。「ほら、こうやって手の汗拭けるでしょ。それから、弦の余計な共鳴を防ぐためさ」なるほど、そうだったのか。
それにしても、アントワン・デュフォールのギター演奏はファンタスティックで、インクレディブルで、アンビリーバブルなライヴだったなぁ。ナマで聴けて見れて、ほんと幸せだ。アコギ・ファンでまだ未見の人は、必見ですぜ!!
コメント