« さよなら ディック・フランシス | メイン | 今月のこの1曲「Witchi-Tai-To」 written by Jim Pepper »

2010年2月18日 (木)

『身の上話』佐藤正午(光文社) ほか

『ウェブを炎上させるイタい人たち—面妖なネット原理主義者の「いなし方」』中川淳一郎(宝島社新書)読了。

『ウェブはバカと暇人のもの』が面白かったから買ってきて読んだのだが、
まぁ買ってまで読む価値はない本かな。
言いたいことはもう十分わかったよ。
そのとおり、リアルの世界を大切にしろと。


twitter 信者はあまりに無邪気で牧歌的すぎると。あと暇人のもの。
確かにね、自営業で個人事業主でもないと四六時中垂れ流され続ける「つぶやき」を
リアルタイムでフォローすることはできないもんなぁ。


あと、フォローされてなんぼの、有名人のためだけのツールだよな。
まぁ、僕なんかは個人的に興味のある人をフォローさせてもらうだけで
十分面白いんだけれど。


それから、2ちゃんねると違って、たとえ匿名でも発言者の背景が
何となく見えてくるところが twitter のいいところだと思う。

最近は、診察室の iMac で、twitter のホームを常時開いていて、
患者さんが途切れると
更新して新たなツイートを読んでいる状態。


という訳で、twitter の可能性に関しては、
もう少し使ってみてから判断したいと思ってます。


■『身の上話』佐藤正午(光文社)は、あの中江有里さんが
NHK週刊ブックレビューで絶賛していたので
これは読みたい! そう思っていた。

しばらく前に、高遠町図書館にリクエストして
ようやく順番が回ってきた。


まず読んだのは、ぼくの妻だ。
最近妻は、なんだかいつも本読んでる。
面白い本に当たると、次々とまた読みたくなるのだ。
ハリー・ポッターの最終刊(下)を読み終わって、
次に手にしたのが『身の上話』だった。


「ほう!」とか、「えぇ!?」とか、
「うっそぉ!」とか、

とにかく読みながらうるさいのだ。


ぼくはと言えば、まだ『横道世之介』の
ほのぼのとした世界に浸っている身だったので、
「いったい何なんだい?」

って訊いてはみたものの、
ネタバレは御免だから実に歯がゆいのだな。


これは僕も読み終わるしかない訳で。

それにしても、最初は苦行だった。
何なんだ! この女!
じつに嫌なオンナ! 俺キライだよ、コイツ。
何考えてんだよ、ほんと。


ところが、勤務先の先輩に頼まれて、事務的に購入した
宝くじ43枚のうちの1枚が、
2億円の「当たりくじ」であることが判明したあたりから、

ぼくは彼女と一身同体になってしまった。


そうだよね、まずは落ち着いて
銀行に行こう。


それから、口座を開いて、2億円を入れる。
その通帳は、肌身離さず持っていなきゃね。


そんな主人公の思惑とは裏腹に、
彼女の周囲では、予想外の事態が次々と
展開するのだった。


これには僕もまいったな。
それは読者の想定外でしょ。
ぜんぜん先が読めないのだ。だから、
主人公がこの先どうなるのか気になって、
読みだしたら途中で止められなくなってしまい、
一気にラストまで行ってしまった感じ。


そうか、そうやって決着をつけるのか……

まぁ、読者としてはこれほど「作者に任せっきり」にした
小説も珍しい。

ジェットコースターに乗せられて、
あとは「キャーキャー」言ってるだけで
終着してしまうといった小説。

だから、手練れの小説好きにこそ
読んで欲しいな。


久しぶりに
嵐の夜の木葉のように、作者に弄ばれる
読者としてはこれほどの「しあわせ」は
ないんじゃないかと思う傑作小説なのだから。



 


トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.dcnblog.jp/t/trackback/463039/23316507

『身の上話』佐藤正午(光文社) ほかを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Powered by Six Apart

最近のトラックバック