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2010年9月 2日 (木)

外来小児科学会で、福岡に行ってきた(その2)

■20回を迎えた外来小児科学会は、小児科開業医を中心にした学会で、その特色は、医師だけでなく、看護師、事務スタッフ、検査技師、薬剤師、さらには経理担当の院長夫人も参加する学会であることと、学会の中心をワークショップに置いていることにある。今回も、土曜日の午前午後、日曜日の午後と合わせて60以上のワークショップが開かれた。


ぼくが担当したWSは、土曜日の午前9時〜11時45分の時間帯で開かれた「あなたも絵本の読み聞かせに挑戦してみよう!」だ。事前登録の参加者はぼくを含めて21人(医師10人、看護師・受付事務・院長夫人が11人)北は北海道から南は九州、沖縄まで日本各地から参加して下さった。ほんと、ありがとうございました。


当初は、参加者同士で絵本の読み合いをして、経験者が初心者にアドバイスする形式を考えたのだが、大人だけを相手に絵本の読み聞かせをするのは正直かなりシンドイ。反応は悪いし、決して笑ってはくれない。だから、初心者はきっと萎縮してしまって、もう二度と読み聞かせなんかしたくない! そう思ってしまうかもしれない。それはではマズイ。


■ぼくが、自分の子以外の子供たちの前で初めて絵本を読んだのは、忘れもしない平成14年11月のことだった。園医をしている高遠第一保育園で、秋の内科健診が終わったあとに、園長先生に無理矢理お願いして年中組で絵本を読ませてもらったのだ。『さつまのおいも』中川ひろたか・文、村上康成・絵(童心社)と『でんしゃののって』とよたかずひこ(アリス館)の2冊。


もう、大受けだったな。読み終わるなり直ちに「もっかい読んで!」の大合唱となった。「じゃぁ、今日はこれでおしまい。また今度ね」そう言って帰ろうとすると、子供たちがワーっと集まってきて、握手やハイタッチの嵐。そのまま保育園の玄関まで移動。「ゴンズイ玉」ってご存じですか? まさに「あの」感じです。「せんせい! おもしろかったよ」「またきてね!」まるで、アイドル・スターにでもなったみたいな人気だった。うれしかったなぁ。夢のようだった。

あの時の成功体験が、いまのぼくを作っていると言ってもいい。


だから、ぼくらのWSでは是非とも保育園に行って子供たちの前で実際に絵本を読む体験が必要だ、そう思ったのです。そこで、学会会場の福岡国際会議場の近くにある保育園を、まずはネットで検索してみた。そしたら「みなと保育園」があった。幸いHPもあったので、今年の4月30日にメールしてみたのだ。これこれこういう訳でWSを行うのだが、みなと保育園の子供たちの前で絵本の読み聞かせ実践をさせていただけないか、と。そしたら、ラッキーにも園長先生から受け入れOKの返事がきたのだ。有り難かったなぁ。


みなと保育園は、定員60名の福岡市では一番小さな保育園だ。しかも、8月最後の週末だったので、8月28日(土)に登園してきた子供たちは少なかった。全部で25人(1歳児が8人、2〜3歳児が6人、4〜5歳児が10人)くらいだったかな。


■当日は、まずは学会WS会場に集まっていただき、3グループに分かれて(0〜1歳児、2〜3歳児、4〜5歳児)保育園で実際にどう読み聞かせするのか、各グループリーダーを中心に話し合ってもらい、午前9時50分に会場を出て、みんなで歩いてぞろぞろと「みなと保育園」へ移動。午前10時過ぎ〜10:40 まで、各グループごとに分かれて別々に絵本の読み聞かせを実践。


10:40〜11:00 には、年長組の部屋にみんなで集まって、住谷先生が『やさいのおなか』(福音館書店)を、ぼくが『どうぶつサーカスはじまるよ』西村敏雄(福音館書店)を読んで、沖縄県沖縄市で長年読み聞かせ活動を続けてきた石原さんが、縦1メートル、横7メール近くある『おおきなかぶ』の絵本絵巻を実演した。


ぼくは事前のコーディネートと当日の記録係が担当だったのだが、今回もつくづく感じたことは、絵本というものは大人になっても読んでもらうとほんと楽しい。特に子供たちといっしょにいると、彼らの反応に触発されて、知らずと自分も子供時代に戻ってしまったかのように楽しくなるのだ。


保育園をあとに、学会場に戻って各グループごとに反省会とまとめの作業。はたして、参加者のみなさんはどのような感触を得たのだろうか? 楽しんでもらえたらうれしいな。

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