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2022年9月25日 (日)

さようなら ファラオ・サンダース

■旧「しろくま通信」今月のこの一曲 に載せた、ファラオ・サンダースの文章です。

 2003年10月14日 に書いたものです。

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よく言う「無人島に持っていく1枚のレコード」ってヤツがあるでしょ。ぼくは迷わず(いや、たぶん(^^;)コレを選びます。

それほど、人生のある時期、一番大切にしていたアーティスト&レコードでありました。間違いなく。それがこの、 新宿西口「オザワレコード」で買った、2枚組輸入盤『Journey To The One』Pharoah Sanders( Theresa Records)。   

あれは、1980年代の初頭。いつものように新宿西口を出て、「オザワ」でジャズ・レコードを物色。それから地下道を潜って東口に向かいます。二幸ビル(今のアルタ)裏にある雑居ビルの1F「アカシア」 で、¥380の「ロールキャベツ定食」を食べて腹を満たしたあと、同じビルの狭い階段を上りはじめました。すると、3Fのジャズ喫茶「DIG」からピアノの音が聞こえてくるワケですよ、 ジョン・ヒックス のピアノが。もの凄くスイングして。

階段を駆け上がってドアを開けると、レイ・ドラモンドのベースが「ブンブンブンブン」と、地響きのように「ずんずん」おなかに振動してきます。そこに被さって、突然、ファラオ・サンダースの吹っ切れたサックスが咆吼しました。「パパラ、パパッパー、パパッ! パパラ、パパッパー!!」 って。これって、ものすごく気持ちいい!!

この曲が、『Journey To The One』(Side Three) 1曲目に収録された、かの名曲!『 You've Got To Have Freedom 』だったのです。

当時、ファラオ・サンダースって、ほとんど注目されていませんでした。23年前のことです。ぼくは、ごうを煮やして、「スイングジャーナル」に
投稿しました。それはこんな文章でした。(つづく)
(2003年10月14日 記)

・・・

■気分はファラオ・サンダース

ジャズを聴いていると、急に力が湧いてきて、何かしなきゃという気持ちになるとおっしゃったのは植草甚一氏であった。でも最近はそういうのが少ないんだよねぇと、わしは森山威男ばかり聴いておった。去年の夏のことだ。

そんなある日、相変わらずの新宿の人混みに驚きながら『DIG』の狭い階段を昇って行くと、熱い音がゆっくりとうねりながら降りてくる。実に久々の快感。

「おぉっ、なんだこれは」とかけ上がってみると、ファラオ・サンダースの新作『Journey To The One』。わしは驚いた。これがあのファラオ? 実に大らかに、ゆったりと吹いている。しかも力強く。何かスパッと吹っ切れた感じだ。

今までなんでコルトレーンはファラオなんか使ったんだろうと、わしは陰口をたたいていた。実際、彼はいつの間にかジャズ界から消されてしまっていた。でも一番悩んでいたのは彼自身だったんだな。

この春にでた「Rejoice」にはこんなことが書いてある。
「ジョー・ヘンダーソンみたいにもっとテクのあるヤツはいくらでもいただろうに、何で彼は俺なんかが良かったんだろうって、不思議に思ったよ。でも、彼には一度も聞いてみなかったな。なぜって、俺たち二人ともとても無口だったからさ。」

(後略)
『スイングジャーナル』1981年7月号より(なんだか、当時愛読していた椎名誠さんの文体のモロまねですねぇ(^^;;)

・・・

●そんなファラオだが、不思議なことにここへ来てにわかに活気づいてきた。先月と今月、インパルス時代の傑作3枚、テレサ時代の名盤『Journey To The One』を含む4枚が、国内盤でCD発売されたのだ。しかも、『Meditation - Pharoah Sanders Selections Take 2 』は、その「テレサレコード」のベスト盤になっていて、もちろん『 You've Got To Have Freedom 』も収録されています。紙ジャケのデザインもなかなかだし、このベスト盤はお買い得だな。(2003年10月20日追記)

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