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2021年2月 6日 (土)

水谷浩章(ベース)× 夏秋文彦(鍵盤ハーモニカ+α)at the 「黒猫」

■2年半前のツイートを探し出してまずは以下に再録。
 
今夜は、赤石商店で「助川太郎 ソロギター ワールド」のライヴ。
 
オープニングアクトで、赤石商店で毎週土曜日の夜に出張カレー食堂「マクサンライズ」を開いている(めちゃくちゃ美味しい!)幕内純平さんが「口琴」の即興ソロを3曲披露してくれた。初めて聴いたが、これまた凄かったな。完全アコースティックなのに、ピコピコの電子音楽みたいな不思議な響き
 
続き)なんていうか、初めてエヴァン・パーカーのソプラノ・サックスを聴いた感じと同じような音楽だった。そう「倍音」の響き。口琴て、奥深いんだ。
 
 
続き)エヴァン・パーカーと言えば、最後に助川太郎さん、幕内さんと共にゲストとして登場した不思議なおじさん。3人で完全な即興演奏を繰り広げたが、一人アートアンサンブルオブシカゴを演じている感じの「このおじさん」も凄かったぞ。「鍵盤ハーモニカ」を「循環奏法」で吹いていたんだよ。
 
続き)ぼくは知らない人だったので帰宅後に検索したら、夏秋文彦さんだった。この伊那谷で農業をしつつ演奏活動を続けているとのこと。鍵盤ハーモニカでサーキュラー・ブリージング(循環呼吸)奏法とは、ビックリ。
 
この人です!
 
 
 
■で、今夜は伊那市「黒猫本店」で、その噂の、夏秋文彦さんと、2年前から伊那市在住のプロのジャズ・ベース奏者:水谷浩章さん(大友良英s' New Jazz Orchestra や、ジャズピアニスト:南博カルテットなどに参加)の完全な即興デュオ演奏のライヴがあって、聴きに行ってきた。
2年半ぶりでの夏秋文彦さんのナマ演奏だ。いや良かった凄かった。期待以上だった。ジャズのインプロヴィゼーションとはちょっとアプローチが違うので、最初は、夏秋文彦さんが勝手に自分のペースでずんずん演奏するのを、手探りながらも水谷浩章さんのベースが絡んでゆく感じ。
 
リズム感・タイム感覚がちょっと違う? でも、中盤から後半は二人の波長が次第に合ってきて、はっとする瞬間が何度もあった。心地よい緊張感。寒かったけれど、ああ、聴きに行ってホントよかったよ。
それにしても、夏秋文彦さんて、鍵盤ハーモニカ界の「ローランド・カーク」& 一人アート・アンサンブル・オブ・シカゴだよなあ、って改めて感動しました。 凄いぞ! 鍵盤ハーモニカの「サーキュラー・ブリージング」奏法(まったく息継ぎせずに、延々と吹き続ける奏法。鼻から息を吸いながら同時に口から息を吐く。そんなこと出来るのか? いや、できるのです)。
 
さらには、口琴、親指琴(カリンバ)、木の物差し?、ストレッチ用の板状ゴム(両手で伸ばしたり縮めたりしながら、まん中を口にくわえて、ビヨンビヨン音を出す)などなど、様々な楽器?も次々と演奏した。
 
あとラストの前の曲では、いきなり四国八十八ヵ所巡礼に持つ「弘法大師の杖」みたいな不思議な長い楽器をトントン地面に突きながら、やおらリードをくわえると、実はこれが「バスクラ」のオバケみたいなリード楽器(既製品)だったんだ。その不思議な音色といったら。
 
ちょっと、太古の地球に住んでいた人類の祖先が奏でた音を想像してしまったよ。
今回は、主役の夏秋文彦さんを立てる形で、サブに徹した水谷浩章さんだったが、もっともっとハイ・テクニックなベース・ソロを聴いてみたかったぞ。
観客の中には、伊那谷が誇るジャズ・アルトサックス奏者の太田裕士さんや、ギターの北川哲生さんも聴きに来ていた。次回は、富士見町在住のジャズ・ドラマー、橋本学さんも交えて、皆でセッションして欲しいな。期待しています!
 
追伸:あ、そうそう! 終演後「北原さんですよね!」と声をかけてくれた男の人がいた。マスクが大きくて僕は誰だか分からなかったのだが、「幕内です。赤石商店で『マクサンライズ』ってカレー食堂をやってた。」「あっ!! あの、口琴奏者の幕内さん? 八ヶ岳の向こうに引っ越した?」
 
そう、あの僕らが大好きだったインドカリーを作ってくれていた、幕内純平さんだったのだ。久々の再会。いや、嬉しかったなあ。
 
それにしても、あの絶品カレーをもう一度ぜひ食べてみたいものだ。
■このライヴを「伊那ケーブルテレビ」が取材に来て録画して行った。前半終了後の休憩時に、演者にインタビュー。「今回の演奏は全くの即興演奏だったのですか? 前もって何も打ち合わせとかせず」「ハイ。そうです」
 
 
インタビュアー:「夏秋さんが演奏する音楽は、民族音楽なのですよね?」 夏秋:「いや、違います。現代音楽です!」このやり取りには笑ってしまったよ。
 
「お名前と年齢を教えていただけますか?」 夏秋:「今年還暦です。」水谷:「58です」
 
なんだ、ぼくより若かったのか! まいったな。 
 
 
 

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