「今月のこの1曲」:Pat Martino 『Sunny』
■オリジナルは、Bobby Hebb(1966)だが、ぼくが「この曲」を初めて聴いて、いいなって思ったのは、オランダの歌姫:アン・バートンが『ブルー・バートン』で歌っているヴァージョン。なんかね、下町の「小股の切れ上がった姐さん」が唄ってる感じ? じつに格好良かったんだ。
次に聴いたのは、ソニー・クリスの「サニー」だ。これもよく聴いた。ソニー・クリスのサックスは、西海岸の乾いた音がしたんだよ。根っから明るいカリフォルニアかと思ったら、でも少しだけ陰りがある。そこがたまらない。何だろうなぁ。どーせ俺なんか、チャーリー・パーカーの足下にも及ばないB級サックス吹きでいいんだよって、開き直って演奏している。
ちなみに、このレコードのライナーノーツは、若かりし頃の村上春樹氏が書いている。ピアノは、村上さんが大好きなシダー・ウォルトンだ。
■でも、最近初めて聴いて「おっ!」と思ったのが、パット・マルティーノの『ライヴ!』3曲目に収録されたヴァージョン。これだ。
ドラムスが「しゃかしゃか」してるけど、決して出しゃばらない。そのリズム・キーピングのテクニックが、まずは素晴らしい。それから、パット・マルティーノが同じフレーズを「これでもか!」とリフレインして場を盛り上げるのもズルい。そのプレイにつられて、キーボードも熱いソロをカマしてくれているんだ、これが。
■ YouTube 上には、2002年にパット・マルティーノが、ジョン・スコフィールドと共演したライヴ・ヴァージョン(映像)とか、こんなライヴ映像とかもあったぞ。
YouTube: Pat Martino - Sunny - LIVE at Chris' Jazz Cafe
YouTube: Pat Martino Trio with John Scofield - Sunny
■検索したら、オリジナルの Bobby Hebbの音源に加え「この曲」を洋邦問わずいろんな人たちが歌う、数々のカヴァー・ヴァージョンを集めた「まとめサイト」を見つけた。驚いたな。ラストに収録されているのは、なんと、勝新太郎が歌っている「サニー」なのだ。
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