今月のこの2曲。バート・バカラック『 恋の面影 / The Look of Love』〜『幸せはパリで』
■3月。斉藤由貴の「卒業」をこよなく愛する僕としては、はなはだ遺憾ではあるのだが、ずっと気になっていた「彼女のスタンダード集」は買わずに、なぜか「原田知世の新譜」のほうに手が伸びてしまったのだった。先日の伊那の平安堂CD売り場でのことだ。
しかし、その判断に間違いはなかった。 こいつはイイ!!
選曲がシブイじゃないか。1曲目のビートルズ「夢の人」。ぼくはこの曲を知らなかった。いい曲だな。あと、レナード・コーエン、メロディ・ガルドー、マルコス・ヴァーリと、通好みの選曲が続くのだ。
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ただ、個人的に一番グッと来たのが、9曲目に収録されていた、ダスティ・スプリングフィールドが唄ってヒットした、映画『ダブル・オー・セヴン カジノ・ロワイヤル』のテーマ曲、バート・バカラックが作曲した『 恋の面影 / The Look of Love』だ。オリジナルはこれ。
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YouTube: Dusty Springfield - The Look of Love
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ぼくが「この曲」を初めて聴いたのは、たしか中学1年の12月だった。1971年のことだ。
この年末、ぼくが自分で2番目(初めて買ったのは、ドイツ・グラモフォン・レーベルでカラヤンが指揮したベルリンフィル『新世界より』)に買ったLPレコードが、CBSソニー『ギフト・パック・シリーズ』(2枚組 3000円)の中の『映画音楽ベスト・ヒット集』だった。この「シリーズ」に関しては、『僕の音盤青春記 1971-1976』牧野良幸(音楽出版社)の26ページ〜28ページに詳しい。
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『映画音楽ベスト・ヒット集』の1枚目B面のラストに収録されていたのが、アンドレ・コステラネッツ管弦楽団の演奏する「恋の面影」だったのだ。このレコードは、さんざん聴いたなあ。
当時、映画の評判は散々だったが、この主題歌だけは印象に残った。哀愁に満ちた旋律。大人の女性の官能的で隠微な雰囲気の歌詞。なんてませた中坊だったんだ!
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ちなみに、このレコードのB面「5曲目」に入っていたのが、同じくバカラック作曲の『幸せはパリで』だった。演奏は、パーシー・フェイス・オーケストラ。映画は未だに見たことない。ジャック・レモンとカトリーヌ・ドヌーブが主演した『The April Fools』だ。
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この曲は、ディオンヌ・ワーイックが唄ってヒットした。
これまた印象的な旋律の名曲。
大好きなんだ。
これだ。
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YouTube: Dionne Warwick - The April Fools - 1969
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ただ、個人的には、このオリジナル・ヴァージョンよりも、アール・クルーがギターを弾いた「この曲」に思い入れがあるんだな。これです。
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YouTube: Burt Bacharach / Earl Klugh ~ The April Fools
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というワケで、4月1日になりましたね。
小説『シンドローム』の主人公の「切ない片思い」を、ずっと未だに引きずったままでいるので、今月は「この曲」を選曲させていただきました。
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