最近読んだ本、いま読んでいる本
■ブログ更新用にずっと使ってきた「MacBook」が突如変調を来たし、アップロードできなくなってしまった。困った。ひじょうに困った。PRAM解除とか、やってみたがダメだ。
仕方なく、診察室で使っている「MacBook Pro」で更新できるように設定し直した。なんだか上手くいかなくて、その設定に10日以上を要してしまった。なので、このブログの更新が遅れてしまったという訳です。ごめんなさい。
■ツイッター上では発言を続けてきたので、Twitter 読書感想文関係を、まとめてアップしておきます。
【2月2日】
伊藤比呂美著『犬心』(文藝春秋)を読んでいる。14歳の老犬介護の話だ。『良いおっぱい・悪いおっぱい』『伊藤ふきげん製作所』に登場した娘さんたちも出てくる。椎名誠さんが『岳物語』を書き継いでいるのと同じで、しみじみと家族の在り方を感じる。http://pet.benesse.ne.jp/antiaging/shibainu_vol7.html?p=1 …
続き)伊藤比呂美『犬心』を読んでいて面白いのは、「犬あるある」だ。犬種は違っても、その習性はほとんど同じなんだな。犬はくさい「すかしっ屁」をすることも確認できた。わが家の犬も「おなら」をする。人のオナラも好きだ。僕や息子がブッとすると、すぐさま寄ってきて股間に鼻をすりつけ盛んにクンクンする。
【1月27日】
『皆勤の徒』酉島伝法(東京創元社)を読んでいる。いま、102ページ。もしかして「この本」大傑作かもしれない。最初の「皆勤の徒」は一度読んで、ほとんどお手上げ状態だったのだが、次の『洞の街』は比較的「視覚イメージ」が可能な話だ。ほとんど解読不能な奇妙奇天烈な漢字の羅列にも慣れたしね。
SFで最も大切なことは、その小説の根本となる世界観を、如何に読者の脳味噌にリアルなイメージを持って再現できるかにかかっていると思うのだが、『皆勤の徒』は確かに成功していると思う。ねちょねちょ、ぬめぬめの世界観。椎名誠『武装島田倉庫』を数百倍も凌駕した驚異の世界観を!
■日本ではアメリカと違って、トム・クルーズみたいな「難読症:ディスレクシア」は少ない。何故なら、英語だとアルファベットという記号の羅列でしかないワケだが、日本語は「漢字」をメインに構成されている。漢字は、その佇まいそのもので絵的イメージを醸し出す。つまり読者は「その漢字の字面」を見ただけで「その意味するところ」を瞬時に視覚的にイメージできるのだ。
『皆勤の徒』を読んでいて感じたことは「そのこと」だ。やたらと難しい漢字をわざと使っている。でもそれには深い意味があったのだ。その漢字を「当て」なければならないという作者の意志が。しかも、その裏の意味(「遮断胞人・媒収・外廻り・社長」など、ほとんどオヤジギャグの言葉遊びに過ぎないのだけれど)もあって、笑えるのだ。
【1月29日】
『皆勤の徒』酉島伝法(東京創元社)より「泥海の浮き城」を読む。マット・スカダーみたいな私立探偵が主人公のハードボイルド小説でたまげた。しかも檀蜜みたいな「いい女」が登場する。昆虫なのに、妙にエロチックなんだ。外観は三角頭のカマキリみたいなんだけれどね。
【2月1日】
『皆勤の徒』酉島伝法(東京創元社)より、「百々似隊商」を読む。面白い! 村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』みたいな構成だ。十代の少女「宇毬」のパートは、樋口明雄『弾頭』みたいな、大陸冒険歴史活劇で、久内のパートは北野勇作『きつねのつき』『かめくん』の世界観。
続き)でも、大森望さんの解説を読んで初めて「あ、そういう話だったのか!」て判った。いや、疑問点は尽きないぞ。土師部が神社から持ち出した黒い器に入った「神器」って何? それが「洞の街」最下層にある神社のご神体になったワケ? 土師部は再生知性のサイボーグなのか?「洞の街」で生まれた惑星の嬰児は、禦の円盤に収納されて地球に行ったの? わからん。
『演劇最強論』
【1月22日】
徳永京子「宮沢(章夫)さんと平田(オリザ)さんと岩松(了)さんは『静かな演劇』をスタートさせた三人ということで、当時から一括りにされがちでしたが、客席にいた者の実感から言うと、まさに語り口も、向いている方向も異なっている印象でした。」(『演劇最強論』p287 より)
続き)徳永「当時、私が思ったのは、ドーナツの真ん中の空洞を説明しているのが宮沢さん、ドーナツそのものを扱っているのが平田さん、ドーナツの外側を描いているのが岩松さんだと。」宮沢「それ、すごくいいたとえだね。分かったような気がするもの、まったく分からないけど(笑)。」『演劇最強論』
続き)ドーナツのはなしが好きなのは、SF作家の北野勇作さんと、村上春樹氏だけだと思ってたのだが、この「ドーナツ理論」いろんなものに応用できそうだぞ。
【1月23日】
昨日から「ドーナツの穴」のことを、ずっと考えているのだ。オリジナルは、どうやら村上春樹『羊をめぐる冒険』に出てくるらしい。ただ僕が知ってるのは、村上氏が初めて「その穴」に言及したのが、スタン・ゲッツの『スヌーピーのゲッツ』だ。http://scherzo111.blog122.fc2.com/blog-entry-60.html …
【1月23日】
『演劇最強論・反服とパッチワークの漂流者たち』徳永京子、藤原ちから・共著(飛鳥新社)を読んでいるのだが、この本は面白いなぁ。特に、演出家へのインタビュー記事が充実している。あと「Backyard」に載っている、演劇人40人への「好きな本、映画、音楽」というアンケート記事。
続き)彼らの「好きな映画」6選とか読むと、僕より20~30年以上後に生まれた彼らが、僕が好きだった映画と同じ映画を挙げていることに驚く。あと、松尾スズキ氏がヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を挙げていることの意味と、宮沢章夫氏が、大島渚『儀式』を挙げている意味を、ちょっと考えている。
『殺人犯はそこにいる』
【1月20日】
で、今日は『殺人犯はそこにいる』清水潔(新潮社)を読んでいる。昨日から読み始めて、もう2/3を読んだ。これまたメチャクチャ面白いし、しかも怖い。間違いなくキング以上だ。だって、ノンフィクションなのだから。この衝撃度は、あの『ヤノマミ』と同等。いや、それ以上か。凄いぞ!今すぐ読め!
続き)「無罪」と「無実」はぜんぜん違うということを、僕は知っている。『リーガル・ハイ』を2シーズン見てきたからね。DNA型判定という、まるで水戸黄門の紋所みたいなモノにまんまと騙されてしまったのか。刑事小説につきものの、地道な捜査によってでしか得られない貴重な証拠を捨ててまで。
【1月21日】
『殺人犯はそこにいる』清水潔(新潮社)読了。凄い本を読んでしまった。読書という単なる経験ではない、たぶん初めて味わう異様な体験だった。著者のどうにもやるせない思い、憤りが、びしびしと僕の胸に突き刺さってくる。悔しい。本当に悔しい。真犯人は野放しのまま、のうのうと今日も生きている日本という国に対して。
続き)ひとつだけ、よく判らないのは、アマゾンのカスタマーレビューで、一人だけ星一つの評を書いている「名無し」さん。「飯塚事件の記述があまりにひどい」と書くその根拠を読むと、捜査関係者なのか? でも、本書を正しく読めば、著者が「飯塚事件」を決して冤罪であると決めつけていない事は判る
続き)ぼくは、ネットで知った『殺人犯はそこにいる』を是非読みたいと思い、伊那の平安堂へ行った。でも、一冊も置いてなかった。売れてしまったのか。そう思った。で、先日長野へ行った際、帰りに平安堂本店に寄って購入した。本店では平積みされた本書が数十冊はあった。平安堂伊那店よ!ダメじゃん。
・キング『11/22/63』
【12月24日】
スティーヴン・キング『11/22/63上』(文藝春秋)を読み始めて1週間以上経つのに、まだ86ページ。いや、つまらないんじゃないんだ。忙し過ぎて本を読んでる時間がないのだ。キモはやはりオズワルドだな。主人公のJFKの知識が、オリバー・ストーンから仕入れたのが全てなんで、同じじゃん
【1月3日】
キング『11/22/63(上)』302ページまで読んだ。よくできた話だ。うまいなあ、キングは。ただ、1958年にカーラジオから流れる曲が分からない。雰囲気だけ味わいたくて『James Taylor / COVERS』を出してきて聴いているところ。
【1月4日】
スティーヴン・キング『11/22/63』に登場する、イエロー・カード・マン。小林信彦『唐獅子株式会社』のブルドッグみたいじゃん! て、思ったのは僕だけだはあるまい。たぶん、小林信彦氏も「マネしたな、キング」って思ったに違いない。
【1月14日】
伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』を読んで、堺雅人主演の映画も見たから、どうしてもオズワルドには悪意を感じられなかったのだが、キング『11/22/63』下巻 142ページまで読んできたが、なんて嫌な奴なんだ! リー・オズワルド。
【1月15日】
キング『11/22/63』下巻。277ページまで読了。一刻も早く先を読み進みたい気持ちと、残りページが少なくなってゆく淋しさのせめぎ合いに悩む。僕は主人公といっしょになって、1958年9月から1963年8月まで生きてきたからだ。
【1月20日】
昨日、スティーヴン・キング『11/22/63(下)』を読了した。ラストで泣いた。そう来たか。ほんとキングは凄いぞ。結局読み終わるのに1ヵ月もかかったのだが、著者は2009年1月2日に書き始めて2010年12月18日に書き終わっている。まる2年近くかけているんだね。
続き)2段組で上下巻合計で1000ページ以上。でも、苦もなく読めた。ものすごく面白かった。これなら、同じくらいの文字数で、しかもハード・カバーの『ザ・スタンド』上下巻。実は買ったまま未読だったのだが、そのままの勢いで読み通せるんじゃないか?
続き)おんなじ時間を何度も繰り返し生き直す話は『リプレイ』ケン・グリムウッド(新潮文庫)があった。どんな話だったかすっかり忘れてしまったが、確か面白かった。タイムトラベル小説といえば思い出すのは、広瀬正『マイナス・ゼロ』と、フィリッパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』が印象的か。
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