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2013年8月

2013年8月30日 (金)

映画『八月の濡れた砂』藤田敏八監督作品(日活1971年)

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■夏の終わりが近づくと、見たくなる映画が2本ある。1本は、フランス映画『冒険者たち』。それから、もう1本がこの『八月の濡れた砂』だ。

そのことに関しては、ずいぶん前に書いた。「2007/08/31 の日記」

ここには、高校生になってから、新宿「蠍座」で見たと書いてあるけれど、よくよく考えてみたら、中学3年生の夏休み、「中央ゼミナール」の高校受験夏期講習に西小山の兄貴のマンションから高円寺まで数日間通った記憶があって、確かその時に新宿で見たんじゃないか。

ずいぶんとマセた中坊だった訳だ。


いや、待てよ。蠍座が閉館したのは、1974年の大晦日だ。ということは、高校1年生の夏休みに上京して見た可能性もありだな。親には夏期講習を口実にして、渋谷「全線座」とか、新宿「蠍座」とか、大塚「鈴本キネマ」とか見て歩いたんじゃなかったっけ? あぁ、よく憶えていないんだなこれが。


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■例の「シングル盤」も見つかった。名曲だね!


今週は、BS「日本映画専門チャンネル」で『八月の濡れた砂』をやっているんだ。鮮烈な青春映画の傑作。

2013年8月28日 (水)

『牛乳の作法』宮沢章夫(筑摩書房)を読んでいる

■数年前に、ようやくファンになった「宮沢章夫氏のエッセイ」。でも、主な作品は、もう大方読んでしまった。仕方ないので、『牛への道』を繰り返し読んでいる。で、そのたびに大笑いだ。「笑いのポイント」を憶えていないから、何度でも楽しめるのだ。これは、宮沢氏の稀有な才能だと思う。


■宮沢さんの本職は、演劇の演出家&脚本家だ。正直に告白すると、僕は遅れてきたファンなので、宮沢さんの「芝居」を1本も観たことがない。ごめんなさい。それは、平田オリザ「青年団」の芝居を(想田監督の映画以外では)1本も観てないことと同じ後ろめたさを感じる。


■先日、伊那の「ブックオフ」で『牛乳の作法』宮沢章夫(筑摩書房)が美本なのに 100円売られているのを見つけて入手した。ラッキーだった。早速トイレに置いて、毎日少しずつ読み進めている。


まず有権者に訴えたいのは……。あっ、『マツコ有吉の怒り新党』を見ながら書いているからね。ごめんなさい。


『牛乳の作法』での宮沢氏は、とことん真面目だ。決して脱力していない。こういう宮沢さんも好きだ。ふだんのツイートそのままの雰囲気じゃないか。


読んでいて「これは!」と思った部分を以下にいくつか抜粋してみます。


 「ゆっくりと立ちあらわれる野蛮な力 太田省吾」(p54)


 太田さんの前に出ると私は言葉を失うのだが、それはべつに、太田さんの背が高くて上から見下されるからではなく、なにか口にすればその嘘を見抜かれるように感じるかれで、できるだけ近寄らないようにし、もし偶然でも会ってしまったら沈黙したまま逃げることばかり考えてしまう。

 いつも作品に圧倒される。『水の駅』を見たあの瞬間と同様のものだ。いまでも私はあの一瞬を畏怖している。あれはなんだっただろう。「畏怖」がなんであったのか考えることは、つまり、「美しい」という言葉をいまどうとらえるかを意味する。(中略)


 かつて私は、『水の駅』について次のように書いた。

「客席を闇が支配していく。少女はゆっくり歩む。それは、『2mを5分で歩くほど』の速度だ。舞台の中央には栓の壊れた水道が糸のように細く水を流し続けていた。水の音とゆったりした時間のなかを、少女は水道へと進む。どれほど時間が経過したかわからない。時間の感覚も麻痺してゆく。

水道にただりついた彼女は水を飲もうと欲したのだろう、持っていたバスケットからコップを取り出す。そして、糸のように流れる水にそのコップを差し出した。水の音が消えた。サティの『ジムノペティ』がすうっと、少女と水道をめぐるあたりの空間を包んだ。


私にはこの瞬間が、この数年間に観たどんな舞台のなかでも、もっとも美しい瞬間だと感じられた。」(『牛乳の作法』p54〜55)


という文章は、ぼくがここ最近読んだ数々の文章のなかでも、最も「美しい」輝きを放つ文章だと思う。


と言うのも、宮沢氏より少し遅れて、ぼくもまた、転形劇場の『水の駅』をナマで観て、同じ場面で圧倒されたからだ。


■もう少し宮沢氏の文章を抜粋しようかと思ったのだが、気になった文章のタイトルを以下に挙げます。どれも興味の尽きない深い思索に溢れている。


 「死刑囚は短歌を作る」
 「荒木一郎」
 「銃を持つ身体」
 「新宿のサウナで中上健次を見る」
 「六本木WAVEが消えた」

2013年8月25日 (日)

ドン・ロス 2013年ジャパン・ツアー at the 高遠福祉センター

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■今夜の高遠福祉センター「やますそ」での「ドン・ロス with 亀工房」本当に素晴らしかった。聴きに行ってよかった。最近ギターを始めて、押尾コータローや斉藤和義が大好きな中3の息子と妻との3人で聴いた。チラシを見た息子は、ハリー・ポッターのハグリットみたいだねと言った。実際でかい。


■最初に登場した「亀工房」。オープニングは「ジャーニー」だった。大好きなんなんだ、この曲。何故か前澤さんのギター・イントロが始まっただけで涙が出て来てしまうのだ。いつもそう。いい曲だなぁ。続いてアイルランド民謡3曲。曲名は不明。その次は『コーヒー・ルンバ』で『しゃぼんだま』。


続いて『ウイズ・ユー』。この曲も好き。CDは持っているからね。ラストは『ショー・マスト・ゴー・オン』。亀工房という、知る人ぞ知る、トラディショナル〜ルーツ・ミュージックのネオ・アコースティック・ユニットが、高遠を拠点としていることを、本当に誇りに思う

ぞ!


■さて、登場したドン・ロスは本当にデカかった。まさに、髪を切ったハグリットだ。抱えたギターが小さく見えた。演者との距離が10m未満だったからね。最初の曲は知らない曲だった。でもイイ曲だ。2曲目はボーカル入り。新曲だったので、カポし忘れてやり直し。でも、ドン・ロスほんといい声。

ぼくが知ってる曲もやってくれたよ。「Dracula and Friend part 1」とか「Michael, Michael, Michael,」とか。

あと2004年にドン・ロスが来日した際、再婚した美人で金髪の奥さんを同伴したのだが、彼女のことを曲にしたのが、

「Brooke's walz」で、この曲は実は、高遠の前澤さん家にドン・ロスと彼女が泊まった時にできた曲なのだそうだ。CDも持っているが、この曲はほんと

しみじみ良い曲だと思うぞ。



中3の息子に感想を訊いたら「無言」だった。想像以上にショックを受けたようだ。目の前で、世界最高峰のアコギ奏者を見ることができたのだからな。そりゃ、そうだろう。うらやましいぞ!

だって、僕が生まれて初めて「外タレ」のコンサートに行ったのは、大学生
になってからだった。しかも、冬の青森。弘前市民会館で「マービン・ピーターソン・カルテット」を旅の途中で見たのが初めてだ。国内では、中1の時に長野市民会館で、加川良&中川イサトを見たのが最初。次が「赤い鳥」伊那市民会館だったな。

2013年8月22日 (木)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その99)伊那市図書館

■このあいだの日曜日の午後、伊那市図書館でやった「伊那のパパズ絵本ライヴ」(その 99 回目)。


暑さのせいでボーッとしてたのか、宮脇さんが読んだ絵本が何だったのか、どうしても思い出せず、ブログを更新できずにいたのだが、ついさっき思い出した。あぶないあぶない。年のせいか? 大丈夫か?



<伊那のパパズ絵本ライヴ(その99)伊那市図書館:平成25年8月18日>


1)『はじめまして』新沢としひこ(ひさかたチャイルド)

2)『へんなかお』大森裕子(白泉社) →伊東
3)『でんしゃはうたう』三宮麻由子・みねおみつ(福音館書店)→伊東
4)『おどります』高畠純(絵本館) →北原
5)『かとりせんこう』田島征三(福音館書店) →坂本

6)『かごからとびだした』(アリス館)

7)『あつさのせい』スズキコージ(福音館書店) →宮脇
8)『ぞうのみずあそび』いとうひろし(絵本館) →倉科

9)『ふうせん』(アリス館)
10)  『世界中のこどもたちが』新沢としひこ(ポプラ社)


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■うちのクリニックの「中待合本棚」をチェックしたら、なんと! どんぴしゃで、『ぞうのみずあそび』と『あつさのせい』が展示されていた。うちの看護師、熊谷さんの選書。いつもスルドイ!

2013年8月17日 (土)

映画『パシフィック・リム』には、ほんと興奮したぜ! 傑作だ

■8月16日のツイートから。


岡谷スカラ座で、話題の『パシフィック・リム』を観てきた。2D字幕版。夫婦割引で、1000円。でも妻は、次男といっしょに『モンスターズ・ユニバーシティ』の方を見た。それでもOKなんだって。いやぁ、往年の東宝怪獣映画好きには堪らない映画だ。とにかくデカい。無駄にでかい。怪獣も人型ロボットもね。


格納庫のシーンが好きだ。メカゴジラと鉄人28号を思い出した。あと、人型巨大ロボット「イェーガー」を、基地から目的地へ移動させる手段が懐かしい。『怪獣大戦争』か? それから、映画を見ながら不思議な既視感をずっと感じていたのだけれど、あ、そうか!『かめくん』北野勇作(河出文庫)と設定がいっしょなんだ。

あと、音楽がめちゃくちゃイイ!


『パシフィック・リム』どうして菊地凛子がヒロインに選ばれたのか? ぼくには判る。デル・トロ監督が『怪獣大戦争』本多猪四郎監督作品(東宝 1965)をリスペクトしているからだ。X星人役の水野久美。このコスチューム・髪型を見よ。

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■『パシフィック・リム』の感想を読んでいると、「エヴァ」とか「ガンダム」とか「マジンガーZ」とか、みんな言ってるが、そうじゃないだろう!
「東宝怪獣映画」がベースさ。


映画館のスクリーンで『怪獣大戦争』や『南海の大決闘』、『フランケンシュタイン 対 地底怪獣』、『ゴジラ対モスラ』をリアルタイムで見たことがあるか?


俺はあるぞ。「フランケンシュタイン」の映画では、冒頭のUボートの場面で、手首から先だけが床を這うシーンが怖ろしくて、しばらく毎夜うなされたものだ。


『ゴジラ対モスラ』は、今は中華料理店「萬月」の駐車場になっている所にかつてあった高遠の映画館で見た。当時、50円で見れた。小学生はね。日曜日の朝、子供会で町内の清掃が終わると、皆で50円玉(昔の大きいヤツ)握って、朝一番の回を見に行ったのだ。


そして『怪獣大戦争』は、兄貴に連れて行ってもらって、伊那旭座で見た。確か、この時が初めてだった。いまも「そのまま」の伊那旭座。当時ぼくは小学1年生。でも、この映画の中で一番印象に残っているのは、ゴジラでもキングギドラでもなく「水野久美」なのだった。

『南海の大決闘』は、ソノシートも買って、何度も何度も聴いた。この映画にも水野久美が出ていた。『マタンゴ』は見たことなかったが、最近「日本映画専門チャンネル」で放送されたのを見た。


そうだった。東宝怪獣映画といえば、なんてったって「水野久美」なのだ。

2013年8月12日 (月)

伊那のパパズ絵本ライヴ(その98)中川村図書館

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■2週間も更新するのをサボってしまった。ごめんなさい。だって、暑いんだもの……

■7月28日(日)は、午前10時半から上伊那郡中川村の図書館で「伊那のパパズ絵本ライヴ」この日も朝から暑かったなぁ。ホールでは「大正琴」の発表会があるみたいで、1階はオバチャンたちでいっぱい。子供はいない。


この日は、他にも村のイヴェントが目白押しで、子供らはどうも「そっち」へ行ってしまったようだ。まあ、ぼくらは「売れないお笑い芸人の地方営業」じゃないので、いつでもどこでも、決して手を抜くことなく一生懸命に絵本を読んで、歌を歌って、踊ります。


最前列で笑顔を見せてくれる子供たちの笑い声が「モンスターズ・インク」と同じ、われわれのエネルギー源なのです。


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  <本日のメニュー>

■この日は、中川村図書館の館長さんから「平和に関する絵本」を読んで欲しいというリクエストがあったのだ。8月は「戦争と平和」を親子で考える月間だからね。

でも、伊東パパと僕は、そんなの全く無視して絵本を選んだ。
ごめんなさい。


 1)『はじめまして』新沢としひこ(ひさかたチャイルド)
 2)『かあちゃんのせんたくキック』 (文化出版局)→伊東
 3)『ゆかいなさんぽ』(福音館書店)→北原


正直言って、ぼくなんか「じぇじぇっ!」って、ただただ読みたいがために「この絵本」を選んだのだ。ごめんなさい。


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 4)『もっとおおきなたいほうを』二見正直(福音館書店)→坂本
 5)『かごからとびだした』(アリス館)


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 6)『おばけむら』南部和也・田島征三(教育画劇)→宮脇
 7)『8月6日のこと』中川ひろたか・長谷川義史(河出書房新社)→倉科

 8)『ふうせん』(アリス館)
 9)『世界じゅうのこどもたちが』(ポプラ社)



<本日のおまけ>

■福音館書店のメルマガ「あのねメール通信」6月19日号に、写真入りで「ぐりとぐら」に関するエッセイを書かせていただきました。

編集者さんから2回も「ダメ出し」が出たので、「もう載せてもらわなくていいです」と言ったのだけれど、編集者さんがうまいこと原稿をまとめてくれました。ありがとうございます。



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