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2011年12月17日 (土)

『DELICIOUS』JUJU

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■以下、facebook のほうに書き込んだのだが、少し追加してこちらにも載せます。


結局、JUJU のジャズアルバム『DELICIOUS』を買ってしまった。これマジでいい! 大音量で聴くとしみじみ沁みる。ゴージャスで実に贅沢な作りをしている。

アレンジが「そのまま」なのだ。例えば「You'd Be So Nice To Come Home To」は、クインシー・ジョーンズが編曲した「ヘレン・メリル with クリフォード・ブラウン」のそれ。間奏に入って、やっぱり退屈なピアノソロまで踏襲している。それに続くトランペット・ソロは、菊地成孔「DUB SEXTET」の類家心平。でも、最初からブラウニーには無理に対抗しようとはしない。そうだよなぁ。


ゲスト・ミュージシャンの聴き所としてはジュリー・ロンドン「Cry Me A River」での渡辺香津美のギターソロがめちゃくちゃ渋い。「Candy」のフリューゲル・ホルンソロは、あの歌も上手い TOKU だ。


あと、「Ev'ry Times We Say Goodbye」での菊地成孔のテナー・サックス・ソロが、在りし日の武田和命みたいで泣ける。それから、サラ・ヴォーンの「バードランドの子守歌」だが、これも変に気負わずに軽やかに歌いきっているところが気持ちいい。


総じて、JUJU のヴォーカル、肩の力の抜け加減が絶妙なのだ。まだ若いのに、なんなんだ、この余裕。

個人的に一番好きなトラックは、やっぱり「ガールトーク」かな。こういうバラードや「キャンディ」みたいな小粋な小唄をきちんと聴かせるってのは、彼女にジャズ・ヴォーカルを唄う実力が確かにある証拠だ。


案外聴かせるのが、ラテン・ナンバーの古典「キサス・キサス・キサス」だ。9曲目にして、必殺キューバ音楽を持ってきたか! 絶妙な選曲だねぇ。で、その前の曲、8曲目。「Moody's Mood Foe Love」のアルト・サックス・ソロは土岐英史で、2nd ヴォーカルで娘さんの土岐麻子が参加している。ぼくはつい最近まで親子だとは知らなかったぞ。


■それにしても「JUJU」って名前、彼女が大好きなウェイン・ショーターのレコード『JUJU』から取ったというのには驚いた。


BLUE NOTE レーベルでのショーター作品では、1枚目『Night Dreamer 』や、ぼくが大好きな3枚目『Speak No Evil』と比べると、この2枚目はずいぶん地味な印象を持っていたからだ。ウェイン・ショーターが好きっていうだけでビックリなのに、渋いな、JUJU。

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