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2011年5月13日 (金)

PABLO LIVE AFRO BLUE IMPRESSIONS / John Coltrane

110513


■コルトレーンが好きだ。もう、ずっと前から大好きだ。

特に、夏が近づくと無性にコルトレーンが聴きたくなる。
ぼくが大学に入学した年の夏は暑かった。1977年のことだ。


この夏、ぼくは来る日も来る日も自分で買った2番目のジャズ・レコード『マイ・フェイバリット・シングス』ジョン・コルトレーン(Atlantic)を、汗を拭き拭き繰り返し聴いていた。なにか不思議な中毒性があったのだと思う。だからいまだに、コルトレーンといえば『マイ・フェイバリット・シングス』なのだ。


あの頃、火曜日の深夜にFM東京で「アスペクト・イン・ジャズ」というジャズ番組があって、ジェリー・マリガンの「ナイトライツ」をBGMに「こんばんは油井正一でございます」で毎回始まる有名番組だった。確かあの番組でだったか、それともNHKFMの本多俊夫さん(as奏者、本多俊之氏のお父さん)でだったか、この『PABLO LIVE AFRO BLUE IMPRESSIONS / John Coltrane』LP2枚組の1枚目B面に収録された「My Favorite Things」をFMで聴いてたまげたのだった。

「コルトレーン、すっげぇ!」ってね。この演奏は、欧州演奏旅行途中のコルトレーン・カルテットを、1963年11月にドイツ・ベルリンでライヴ収録したものだ。


このレコードは、ヴァーヴ・レーベルを大手レコード会社に売り払って、スイスで悠々自適な老後生活を送っていた JATP興行主のノーマン・グランツが、1970年代に突如復活して「パブロライヴ」というライヴ録音専門のジャズ・レーベルを立ち上げた中の目玉商品として発売されたものだ。当時これには皆がビックリした。


だって、ノーマン・グランツとコルトレーンって「水と油」だもん。


だから、当時はこのレコードは「キワモノ」的あつかいを受けていたように思う。スイング・ジャーナルでの点数も、それほど高くなかったんじゃないかな。録音もよくなかったしね。


でも、ぼくはオリジナル・スタジオ録音よりも気に入ってしっまったのだ。アフリカ大陸の地図のジャケットもよかったしね。このレコードは、ほんとよく聴いたなぁ。たぶん、コルトレーンのレコードの中では一番数多く僕のターンテーブルにのったレコードだ。


そういえば、以前コルトレーンに関して「こんなふうに」書いたこともある。


■コルトレーンを聴いていると時々体験することだけれど、「あちらの世界へ連れて行かれる」感じ? とでも言ったらいいのか、例えば、あの烈しい「トランジション」のあとに「ディア・ロード」が始まった瞬間とか、「クレッセント」の後の「ワイズ・ワン」とか、「サンシップ」の冒頭とか。ぼくのタマシイが、ふわっと「あちらがわ」へ持って行かれる感覚。コルトレーンの魅力はそこに尽きると僕は思っている。


■いつだったか、月間「KURA」を読んでいたら、高遠の老舗まんじゅう店「亀まん」店主の平沢さんが、自慢のオーディオ・ルームを公開した写真が載っていて、その中で平沢さんが一番好きなジャズ・レコードとして、この『PABLO LIVE AFRO BLUE IMPRESSIONS / John Coltrane』を挙げていたのでビックリした。

なんだ、おいらといっしょじゃん!


ちなみに、亀まん店主の平沢さんは、高遠小学校で僕の1つ下の学年だったと思う。

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