熊本在住の男女2人ユニット「flexlife」がイイ!(その1)
YouTube: 夢で逢えたら( 大瀧詠一/吉田美奈子)・yume de aetara ( minako yoshida/ eiichi ohtaki ) by flexlife
■前々回かな、吉田美奈子の「ラスト・ステップ」を取り上げた時に、YouTube で発見した「flexlife」。
いまや世界中で大注目の「ジャパニーズ・シティポップ」を次々とカヴァーして、YouTube にどんどんアップしている。ヴォーカルは、青木里枝、ギターは大倉健の男女2人組だ。別姓だが、夫婦みたい。ハンバートハンバートといっしょだね。
まったく知らなかったミュージシャンだが、ウィキで調べると 1998年のデビュー。結成23年じゃないか!
ということは、ハンバートハンバートより古いのか?
YouTube: エイリアンズ(キリンジ)/Aliens(Kirinji)covered by flexlife
YouTube: ルビーの指環 (寺尾聡) × THE ROLLING STONES ( MISS YOU ) COVERED BY FLEXLIFE
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■彼らのCDを聴いてみたくなって、ほんと、すまぬ。Amazon で安かった中古盤をまずは購入した。『メロウグルーヴ』(フレックスライフ)だ。
カヴァーではなくて彼らのオリジナル曲。これがめちゃくちゃ良かった! ネオ・ソウルって言うの? ふわふわと漂うような浮遊感がじつに気持ちイイのだ。アコースティックだけれど、ハンバートハンバートや、羊毛とおはなみたいな「フォーク」じゃない。R&Bだ。グルーヴ感っていうヤツ? リズムがね、黒いんだよ。でも、T字路's ほど真っ黒じゃあない。例えば、こんな曲。
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YouTube: flex life / 寝ても醒めても (flex life : Nete mo samete mo)
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■このPV。凄いよね。まるでウッドストックだ。1970年代初め。まだヒッピーが日本各地に集団で住んでいた頃の感じだ。モノクロだし。長野県でも入笠山の麓に集落を作っていた。青木さんは、スーパーフライがデビューするずっと前に「ほぼ同じ衣装」で歌っていたのか!
ちょっと癖になる歌い方だよね。エリカ・パドゥみたいな、松倉如子のような不思議な響きがある。
エレピを弾く大倉さん(若いぞ!!)は痩せていて、中川ひろたかじゃなくて、まるで「松尾スズキ」だ。あはは!
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彼らのオリジナルは、基本ギターの大倉健:作曲、ヴォーカルの青木里枝:作詞で出来ている。大倉のお洒落なメロディセンスに先ずは驚くが、ここで注目したいのは、青木里枝の「言葉」の感覚だ。
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愛が途切れる音がする
夜毎悪魔が囁いた
光と闇 月と太陽
混ざりあうわけがない
(中略)
寝ても醒めても頭の中はおとぎ話ねあなたは
夢から醒めた日々の世界は多くを語りかける
寝ても醒めても疑いや嘘、憎しみは続く
重力に逆らって遊ぶ
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「寝ても醒めても」
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夢紡ぎ歩く二人 何処を目指すのだろう
行く宛て など何もない 長い道
照りつける太陽
揺れる蜃気楼
広がる砂丘に つづく足あと
二人探してる 霧の向こうの”それいゆ”
見失わないように あぁ 歩いていく
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「それいゆ」
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■なんかね、文学的なんだ。詞がね。アーバンでポップなメロディに被さって、寺山修司みたいな、1960年代末の雰囲気むんむんの言葉たちが綴られてゆくのだ。彼女は、自らの名前のローマ字表記を「Rie Aoqi」と書いていて、これってもしかして、早世したジャズ評論家「間章(Aquirax Aida)」の影響を受けているのではないか?
これは僕の想像でしかないのだけれど、きっと彼女は「大島渚」の映画が好きに違いないし、漫画は永島慎二の『フーテン』と『黄色い涙』がお気に入りだと思うぞ。僕よりずっと若いはずなのにね、何故か60年代のレトロ趣味。不思議だ。
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(その2)に続く!
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