岸本佐知子「トーク&サイン会」平安堂長野店(その3)
■新潮社の季刊誌『考える人』編集長が出しているメルマガを読むと、最新号の「小林秀雄特集」に関して、こんなふうに書いている。
そうか、小林秀雄は対談記事や講演録に、徹底的に手を入れたんだね。だから、
そもそも講演の依頼自体を基本的には断り続けた小林ですが、仮に引き受けた場合でも、自分の話をテープに録ることは断じて許さず、たとえ速記録であっても、自分の目を通さないままでは絶対に活字化させないという姿勢を貫きました。何度か出講の機会を取り付けた国民文化研究会理事長だった小田村寅二郎氏は、小林から次のように厳しく釘を刺されたと証言しています。
〈僕は文筆で生活してゐます。話すことは話すが、話すことと書くこととは全く別のことなんだ。物を書くには、時に、一字のひらがなを“は”にするか“が”にするかだけで、二日も三日も考へ続けることだつてある。話したことをそのまま活字にするなどといふことは、NHKにだつて認めたことはないし、それはお断りします。録音テープを取るのも困る〉(「二十年余の御縁をいただいて」、「新潮 小林秀雄追悼記念号」1983年所収)
■ということはですよ、僕が勝手に「岸本佐知子トーク会」の詳細を文章化することは、絶対に許されないことなのではないか?
コメント