テレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』火曜日よる10時
■8月お盆過ぎの一時期と、10月22日から今日11月4日までの2週間、当地(伊那・高遠・辰野・諏訪・富士見)で長期ロケが行われた、関西テレビ制作テレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』が、とにかく面白い。
主演の阿部寛は、映画『テルマエ・ロマエ』を見た時にも思ったけど、真面目な顔してすっとぼけたコメディを演じさせると、ほんと可笑しい。
■初回オンエアーを見ながら、「これって、もしかして是枝裕和監督による『東京物語』なんじゃないか?」って思った。
YOUは、そのまんま「杉村春子」だし、長男役の阿部寛は「山村聰」。その妻、山口智子は「三宅邦子」で、吉行和子は「東山千枝子」。夏八木勲が「笠智衆」だから、ここは『東京物語』と夫婦で役割が逆転している。西田敏行は、そうだなあ「佐分利信」か「東野英治郎」。
そうすると、もちろん宮崎あおいは「原節子」っていう訳だな。
映画では「中村伸郎」が演じた髪結の亭主役を、大泉洋が所属する演劇集団 TEAM NACS のメンバー安田顕(ヤスケン。昔は『水曜どうでしょう』でしか見たことなかったが、最近はピンでNHKを始めいろんなドラマに出ているねぇ)がやっていて、これまた「そんまんま」のいい味だしていて笑ってしまった。
買い物行ってレジ袋から歯ブラシが出てきたり、奥さんのYOUをベッドの上で丁寧にマッサージしたり、妻の実家で庭の水まいてたり。それから、倒れた義父が社長を務める会社の本社に出向いて「マツケンいるかな?」と本気で期待したり。なんか、そこはかとなく可笑しいのだ。第2話、第3話には登場しなかったのが淋しいぞ。今週の第4話に期待。
あと、阿部寛と彼の娘(蒔田彩珠ちゃん)が朝食をキッチンテーブルで食べずに、なぜかリビングのソファーに座って低いテーブルに並べたおかずを食べているのが妙で「あれっ?」と思ったのだが、じつはキッチンテーブルは「妻:山口智子の仕事場」であることが次のシーンで明かされる。
山口智子は売れっ子の「フードスタイリスト」で、今朝作った娘のお弁当も大切な商売道具の「作品」だったんだね。で、出来上がりをテーブルに載せて写真を撮る。
カメラは、山口智子のオシャレなエプロンを撮すようなふりをして、大胆にも山口智子の「大きなおしり」を正面から捕らえる。これって、小津安二郎が得意とした画面構成じゃん。女優の「おしり」を平気で映すのって。ちなみに、YOUの「おしり」もやっぱり撮している。
■このドラマ、すでに3話までオンエア済みだ。「ロンバケ」の山口智子と「篤姫」宮崎あおい共演なのに、視聴率は芳しくないらしい。ちなみに視聴率って、録画しておいて後から見る人も数に入ってるんだろうか?
それから、初回「2時間スペシャル」ってのが正直失敗だったな。
次の週にサッカー「日本 × ブラジル戦」生中継が入ってしまったために、こういう無理な編成になってしまったのだ。本来なら、第一話の最後で宮崎あおいが登場して、彼女は誰? って謎を残して次週の第二話をお楽しみに!っていう脚本だったんじゃないかな。
いま、録画しておいた初回『ゴーイング マイ ホーム』を見直しているところだが、前回見て気が付かなかったセリフやカットが、第二話、第三話を見てから初めて気が付く「伏線」になっていて、このドラマは録画で何度見ても、その度に新たな発見がある、まるで噛めば噛むほど味わいが増すスルメみたいなドラマだ。
その点でも小津安二郎の映画に似ている。
■ところで、このドラマは「ちょい役」でありながら毎回短時間だけ画面に登場し、主役を食う曲者の役者がいっぱい登場していて、そこも楽しみ。
富士見町「信濃境」駅前でいつも待っているタクシー運転手の阿部サダヲ。CMプロダクションの後輩、新井浩文。長野日報記者役の中村靖日と、JTのCMでタバコ吸ってる、巡査役の山中崇。あと、町立辰野病院の病棟看護婦役の「野田と申します」の人、江口のりこさん。それから、同じマンションに住むバカリズム。あの、バス停のシーンは好きだな。
長身の阿部寛の横に小柄なバカリズム。彼らの頭の先端を結んだ線の先に子供がいる。見事な幾何学的相似形だ。
■先だって、つい最近フォローした中村靖日さんのツイートを読んでたら、10月31日にこんなツイートがあった。
↓才能あるキムチを撮影中の新井浩文くん。と、山中崇くんの『松ヶ根』兄弟と呑んでるよー。殺されんように気をつけんと。pic.twitter.com/lsNZSn28
この元ツイートは、新井浩文さんで、これです。
https://twitter.com/araihirofumi/status/263585956823699457
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