■読み終わって2週間近く経っているのだが、なかなか感想が書けないでいる。
『昔、火星のあった場所』北野勇作(徳間デュアル文庫)だ。(amazon の2番目の読者レビューは、もろネタバレ!要注意。)
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いや、すごく面白かった。最後の最後で「あっ!」となって、それからじんわり切なくなった。
ただ、どうも僕はこの小説をちゃんと読めていないような気がしてならないのだ。
著者の「いつのも雰囲気」(ブリキの自発団、生田萬さんの座右の銘 “過去はいつも新しく、 未来は不思議に懐かしい” 的感覚)をただ味わえばそれでおしまいじゃなくて、もっと綿密にハードSFとしてキッチリ構成されていて、あちこちにバラまかれたパズルのピースを集めてきて、あるべき場所にはめれば、最後に納得する形で小説世界が完結する。この本は、どうもそういうふうに出来ているに違いない。直感的にそう感じるのだ。
でも、読み終わってもよく分からないところ、疑問点がいっぱいあって、ネットでいろいろと他の人の感想とか読んでみたけれど、ぜんぜん納得がいかない。いや、ほんとなかなか手強い小説だ。
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ただ、検索してみると「この小説」は著者の北野勇作氏当人が脚色してラジオドラマ化されたのだという。NHKFM「青春アドベンチャー」1994年6月27日~7月8日(全10回)。
しばらく前まで「ニコ動」で聴けたらしいのだが、いまはもう削除されてしまっている。最終回だけでもぜひ聴いてみたかったぞ。
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誰か「この小説」の正しい読み方を詳細に解説してくれないだろうか? 読書会とかやってくれると有り難いのに。そんなふうに思いながら今日も検索を続けていたら、とうとう「お宝サイト」を発見した。
「ざぼんの皮トピックス:北野勇作関係」だ。こいつは凄いぞ!ホンモノだ。2001年7月9日「読書会」のファイルをよくぞ残しておいてくれました。ほんとありがたいぞ。(ただし、ほとんどのリンクはさすがに切れているが)
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さらには、「完全ネタバレ詳細解説(徳間デュアル文庫版の掲載ページ付き)」(草稿)・(完成版)
のファイルも発見。そうだよ、こういうのを求めていたのだ。これは本当に完璧だ。ざぼんさん、ありがとうございます。
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もちろん、ざぼんさんの解説すべてに納得した訳ではない。疑問点はまだまだ残ったままだ。
という訳で、この詳細な資料を地図にして、もう一度最初から『昔、火星のあった場所』を読み直しているところなのです。ついでに、『クラゲの海に浮かぶ舟』(出た時に買ったのだが、どうも処分してしまったらしい。見つからないのだ)も古書で見つけて発注済みなのだ。