『ゴーイングマイホーム』第9話。(つづき)

■特にどうってことない回なんだが、何故か気に入って録画を繰り返し見ている。深夜、みなが寝静まってからリビングの照明を落とし、ワインでもちびちびやりながら一人『ゴーイングマイホーム』第9話を見る。

最高に贅沢な時間だ。もう4回は見たな。


今回はお気に入りのシーンがいっぱいあるのだ。

1)「天竜みそ」の味噌蔵のシーン。ホンモノの店主がいい味だしてた。

2)「萬里」の店主(こちらは本物じゃなくて役者さん)が「料理の鉄人」
   の話をする場面。それにしても、山口智子が萬里に来たのか。

3)「クーナの森」の美しさ。ここはどうも富士見高原らしいな。

4)「クーナ研究家」錦織がワナを手に「骨折はするか…」という場面。

5) 山口智子と宮崎あおいが、楽しそうに見つめ合い「焼きおにぎり」
   を炭火で焼く場面での、手持ちカメラのアップ映像。

6) 堤看護師役の江口のり子さんがベニテングダケの帽子をかぶって
   微笑むシーン。彼女、第9話で初めて笑ったんじゃないか?

7) 吉行和子とYOUの母娘が、年賀状の相談をしている場面。
   異様に長廻しなのだが、ぜんぜん不自然さがないことが凄い。
   そこに横から登場するヤスケンが、これまたいい味だしてる
   んだ、これが。ドトールの持ち帰りコーヒーの一件、

   それから、欲しかった義父のゴルフセットを譲ってもらって
   車に積み込むシーンでの、YOUとの会話が可笑しい。


8) 宮崎あおいが森で「山の神さま」にお祈りするシーン。急に風が
   吹いて木葉がはらはらと舞う。その向こうに西田敏行の心配顔。

9) それからもちろん、阿部寛と阿部サダヲのやり取り。


いったいなんなんだろうなぁ。心が和むというか、見ていて、何ともあったかい優しい気持ちになれるのだ。そうして、いつまでも「このドラマの世界」にいっしょに居たいと思ってしまうんだな。だから、何度も何度も繰り返し見てしまうし、しかも飽きることがない。

その度に新たな発見もある。

そういう稀有なテレビドラマだと、ぼくは思っています。


「最初に書いた感想」でも言ったとおり、やはりこのドラマは「是枝版・東京物語」なんじゃないか。最終回の予告を見て、ますますその感を強めたのだった。
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