講演依頼をこれからは断ろうと思っているのだ。

■いろいろと思うところがあって、この夏以降の講演依頼を全て断ることに決めていた。偉そうなことを言ったって、自分自身が出来ないくせに、そんなの嘘っぱちじゃんって、思ったからだ。特に、メディア漬けの話。

そうは言っても、最近は以前よりも講演依頼はずいぶんと減ってきたので、ぜんぜん取り越し苦労だったのだが、どうにも断れない依頼が駒ヶ根市立図書館からきた。いや、最初は断ったのです。でも「講演内容は先生にすべてお任せしますから是非!」とまで言われてしまうと、断れないのだよなぁ。


■いままでは、講演を頼まれれば決して断らなかった。人に話をするためには、いっぱい勉強して「自分のもの」として消化吸収しないと、説得力のある講演はできないから、自らが新たに勉強するいいチャンスと、むしろ歓迎していたくらいだ。締切と負荷を日々の日常に設けることは、生きて行くうえで案外大切なことだと思う。でないと、人間ちっとも進歩がない。


今回も、講演準備のために読みたいミステリ『音もなく少女は』ボストン・テラン(文春文庫)を読むのもガマンして、いっぱい関連本を読んだ。

講演テーマが「赤ちゃんの言葉はどうやって生まれてくるのか?」だったので、再読、再々読本を含め目を通したのは以下の本。


『言葉はなぜ生まれたのか』岡ノ谷一夫・著(文藝春秋)
『ことばはどこで育つか』 藤永保・著(大修館書店)
『子ども虐待という第四の発達障害』杉山登志郎(学研)
『子を愛せない母、母を拒否する子』ヘネシー澄子(学研)
『0歳児がことばを獲得するとき』正高信男(中公新書)
『子どもはことばをからだで覚える』正高信男(中公新書)
『子どもとことば』岡本夏木(岩波新書)
『幼児期』    岡本夏木(岩波新書)
『ことばの贈りもの』松岡享子・著(東京子ども図書館)
『赤ん坊から見た世界』無藤隆(講談社現代新書)
『絵本から擬音語擬態語ぷちぷちぽーん』後路好章・著(アリス館)
『心を生みだす脳のシステム』茂木健一郎(NHKブックス)
『赤ちゃんと絵本をひらいたら・ブックスタートはじまりの10年』(岩波書店)
『赤ちゃんはなぜなくの・ウィニコット博士の育児談義』D.W.ウィニコット(星和書店)
『母の友・ことばとからだを結ぶうた/ 2010/11月号』(福音館書店)
『絵本の本』中村征子(福音館書店)
『絵本が目をさますとき』長谷川摂子(福音館書店)
『13日間で「名文」を書けるようになる方法』高橋源一郎(朝日新聞出版)

『愛おしい骨』を読み終わったのが先月の10月23日なので、それから1ヶ月間ずっと上記の本を読んで勉強してきたうえで、11月21日(日)の駒ヶ根市立図書館での講演会に僕が臨んだということを、駒ヶ根市立図書館の館長さんも、当日来て下さった聴衆の皆様も、決して分かってはくれないだろうなぁ。その成果が、ぜんぜん出てなかったもんなぁ。

そう思うと、何かこう、すっごくむなしいのだ。


何よりも、聴衆の心に響かない講演ををしてしまった自分の落ち度、未熟さ加減が許せないのだよなぁ。


こういう後悔は、いままでにも何十回もしてきたはずだ。

なのに何故、また繰り返す?
お前はバカか!


でもまぁ、とにかく終わった。これでやっと好きな本が読めるぞ。と思ったら、

12月8日(水)の午後、保育園などの栄養士さんたちに「食物アレルギーのはなし」をするよう、頼まれていたことをすっかり忘れていた。あと2週間。やれやれ、また勉強だ。

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