『絵本が目をさますとき』長谷川摂子(福音館書店)

■今日は、上伊那郡飯島町にある「風の谷絵本館」主催の講演会があった。

午後3時から、飯島町文化センター小ホールにて。
長谷川摂子さんの講演会。
すばらしかった!

長谷川さんの講演は、2004年10月24日(日)に、下伊那郡喬木村で椋鳩十生誕100周年記念した会でお聞きしたことがある。
「日記:2004/10/27,30」に感想も書いた。
今回の講演も、基本的には同じ話だった。でも、いいお話は何度聞いてもいいものだ。


喬木村での講演で『おおきくなったら/チェコのわらべうた』内田莉莎子・訳、ヨゼフ・ラダ絵(福音館書店)を紹介してもらって興味を持ったのだが絶版で入手困難本だった。その後ずっと探していたのだが、去年だったか、ブックオフ松本平田店で見つけて 105円で入手した。すっごく嬉しかった。ところが、読んでみてどこが面白いのかちっとも分からない。なぁんだ。正直がっかりした。


そして今日、長谷川さんが「この絵本」をまた紹介してくれたのだが、実際にリズムに乗せてテンポ良く長谷川さんが読むと、聴いていて何とも心地よいのだ。特に「ぱんやの おじさん ぱんを やく たたいて こねて まるめます」 あ、こういうふうに読むのか! 発見だったなあ。


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■今日の講演で一番の収穫は、何と言っても長谷川さんの『もけらもけら』が聞けたことだ。
いや、噂は聞いていたのだ。長谷川さんの『もけらもけら』は凄いって。
ぼくも一応「この本」を得意としているので、そのことがずっと気になっていた。
だいたい「この本」を僕以外の人が読むのを聞いたことがなかったし。

で、長谷川版『もけらもけら』。
正直、負けた! と思った。もう、完敗ですね。
すっごいなぁ。そうか、そう読むのか。
いやぁ、まいったなぁ。面白いじゃないの。


今日の講演は、聞き手の子供たちがいて、話し手の大人がいて、
そして絵本がある。そのトライアングルがアンサンブルとなって、
掛け替えのない「場」がそこに生まれる、ということの実証が、図らずもライブでなされた。


会場には10ヵ月くらいの赤ちゃんを抱いたおかあんさんが前から2列目にいた。
すっごくいい子で、おとなしくずっと静かにしていたのだが、
講演が1時間を超えたころから、さすがに嫌になったんでしょうね。
大きな声を出して、今にも泣き出しそうで、若いおかあさんは
赤ちゃんをあやすのに四苦八苦。

その時、長谷川さんが絵本を読み始めたのだ。
『ぐやんよやん』と『もけらもけら』の2冊。

そしたら、イヤイヤだった赤ちゃんが急に静かになったかと思ったら、
急にケタケタと笑い始めたのだ。驚きました。
すっごいなぁ、絵本。


長谷川さんは言いました。
「赤ちゃんにとって大切なのは、食べて、歌って、遊ぶことが3本の柱なのです」と。

なるほどなぁ。

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